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ボッシュとリジェ、ル・マンで420kW/650Nmの水素燃焼エンジン搭載レーシングカー世界初公開
2023年6月8日 21:47
リジェ(Ligier Automotive)とボッシュ(Bosch Engineering)は6月8日(現地時間)、ル・マン24時間レースのHYDROGEN VILLAGE(以下、H2ビレッジ)で、水素燃焼エンジンによるレーシングカー「Ligier JS2 RH2」を世界初公開した。
水素燃焼エンジンというと、日本でスーパー耐久のST-Qクラスに参加する水素GRカローラが思い浮かぶが、リジェとボッシュは、市販車ベースではない純粋なレーシングカーを発表した。
H2ビレッジで発表された内容は、V型6気筒3.0リッターの水素燃焼ターボエンジンを搭載し、最高出力は420kW(571PS)/7000rpm、最大トルクは650Nmというもの。車体重量は1450kgで、最高速度は280km/h以上。高圧水素タンクを3本搭載するが、車体重量が1450kgにとどまる。その点は、バッテリEVなどに比べて有利なところだという。
発表会には、Bosch Engineering CEO Johannes-Jörg Rüger氏と、Ligier Automotive President Jacques Nicolet氏が登壇。この発表の背景には、先日の富士24時間レースで、ル・マンを主催するACO(Automobile Club de l'Ouest、フランス西部自動車クラブ)のピエール・フィヨン会長が、2026年からトップカテゴリーを水素車とし、FCEV(燃料電池車)に加えてH2ICE(Hydrogen Internal Combustion Engine、水素内燃機関)も可能としたことがあるという。
このクルマの開発自体は、昨年11月から行なっていたといい、今後実際に走行を実施していくとのことだ。
このクルマの車体にはH2Eと書かれており、水素エンジン車は分野が新しいだけに、HICE、H2ICE、H2Eと表記もさまざま。それだけ変革期にあるということだろう。
いずれにしろ、ル・マン24時間のH2ビレッジに、1台の水素燃焼エンジン車が加わったことになる。それだけにTOYOTA GAZOO Racingカラーのベールをかぶったクルマが何なのかは気になるところだが、水素関連のクルマであることは間違いないように思える。