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TOYOTA GAZOO Racing小林可夢偉選手「自動車レースの面白さを純粋に感じてもらえるきっかけになればうれしい」 NASCAR初参戦のレースは8月13日スタート

2023年8月7日 発表

小林可夢偉選手

 TOYOTA GAZOO Racingは8月7日、米国インディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースで8月12日(現地時間)に開催されるNASCARカップ・シリーズ第24戦に挑戦する、TOYOTA GAZOO Racingのドライバー兼WECチーム代表 小林可夢偉選手のコメントを発表した。

 小林可夢偉選手は、6月のル・マン24時間レース会場で、自身にとって初めてのNASCAR参戦を発表。参戦発表以降、ヨーロッパと日本のレースの合間に幾度と渡米し、準備を進めてきた。

 ル・マン24時間レースを終えた小林選手は、そのままスーパーフォーミュラ菅生戦に参戦し、続くスーパーフォーミュラ富士テストに参加。その後すぐに渡米し、今回参戦するチームである23XIレーシングと合流して、チームメンバーとして7月1日~2日にシカゴ市街地コースで行なわれたNASCAR第18戦に帯同した。その後、一度チームを離れ、イタリアでのWECモンツァ戦、日本でのスーパーフォーミュラ富士戦を戦った後、再び米国に戻りシート合わせを実施。7月19日にはバージニア・インターナショナル・レースウェイで、デビュー戦で実際に乗るToyota Genuine Parts Camry TRD 67号車の実走テストを行なった。また、実走テスト後はTRD-USAのシミュレーターを使い、インディアナポリス・モーター・スピードウェイ・ロードコースをテスト。レースウィークを迎える今週、再びチームに合流しインディアナポリスへ向かうとのこと。

 トヨタはNASCARカップ・シリーズに2007年から参戦しているが、日本人ドライバーがトヨタ車両を駆るのは小林可夢偉選手が初めてになるとしている。

 小林選手の新たな挑戦となるNASCARカップ・シリーズ第24戦は、8月12日11時35分(現地時間、日本時間13日0時35分)からフリー走行、同日12時35分(現地時間、日本時間13日1時35分)から予選が行なわれる。決勝レースは8月13日14時30分(現地時間、日本時間14日3時30分)スタートする。

ル・マン24時間レースの会場でNASCAR参戦を発表した小林可夢偉選手(Photo:中野英幸)

 以下、小林可夢偉選手のコメント全文を掲載する。

 ル・マンでの参戦発表後、WECとスーパーフォーミュラのレースの合間に数回渡米して準備をしてきました。23XIレーシングに初めて入ったとき、最初に目が合ったのは僕がIMSAに参戦したときの担当チーフメカニックで驚きました。ほかにもこれまで参戦したレースで一緒に仕事をしたことのある仲間がいて、僕のレースの進め方や考え方を事前にチームに説明してくれていて、すごくウェルカムな状況からスタートできました。

 実車テストは1日だけありましたが、クルマはフォーミュラルノー以来のシーケンシャルシフト、F3以来のスチールブレーキ。ダウンフォースも少ないし、車重も重いですが、思ったより動きが分かりやすいので、逆に合わせやすかったです。いろいろなクルマに乗ってきましたが、自分なりには手応えを感じています。

 レーススケジュールも、初日にフリー走行を25分間、持ち込みのセットベースで走り、10分間の休憩を挟んですぐに予選。そして翌日は決勝レースだけを走るというNASCARならではの流れになっているので、レースまでの走行時間が少ない状況でも適応していかなければなりませんが、その点は僕の得意分野だと思っています。

 NASCARはアメリカでは間違いなくナンバーワンのレースです。エンジン音もすごいし迫力もあります。自動車レースってすごいなと思わせる魅力が詰まっていて分かりやすいからこそ、このレースをたくさんの人に見ていただいて、自動車レースの面白さを純粋に感じてもらえるきっかけになればうれしいです。そして、しっかりと自分の経験を活かし、日本人ドライバーのレベルの高さをアメリカでも認識してもらえるように、結果を出すことにもこだわりたいと思います。レース自体の魅力と合わせて、僕自身も活躍して、皆さんにもっと見たいと思っていただけるレースをお届けできるように頑張ります。そう感じていただける人が増えれば、将来、また日本人がNASCARに乗る可能性も必然的に増えると思いますし、そうなっていくことを願っています。

 今回のNASCAR参戦は、僕のレーシングドライバーとしての夢を叶えるだけはなく、僕の挑戦がモータースポーツの未来を変える一歩にもつながるのではないか、という部分を、豊田会長、佐藤社長に共感していただき、このチャンスのきっかけを作っていただきました。

 参戦実現にあたり、チャンスを作ってくださった豊田会長、佐藤社長、TRD-USA、23XIレーシング、NASCARコミュニティー、スポンサーのみなさま、TGR、協力してくれたすべての方々に感謝します。