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トヨタ、WRC仕様のカーボンニュートラル燃料でラリー北海道を走行へ フィンランドから持ち込んだ新型WRC2車両「GRヤリス ラリー2」

整備の進む新型WRC2車両「GRヤリス ラリー2」

北海道にWRCスペックを持ち込むトヨタ

 トヨタ自動車は、全日本ラリー第7戦RALLY HOKKAIDO(ラリー北海道)に参戦する新型WRC2車両「GRヤリス ラリー2」2台のうち1台がカーボンニュートラル燃料で走行することを明らかにした。

 今回のラリー北海道では、TOYOTA GAZOO Racingの国内チーム、世界ラリー選手権を転戦するTOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(以下、TGR-WRT)の2チームが、市販化へ向け開発中の新型WRC2車両「GRヤリス ラリー2」をエントリーしている。

新型WRC2車両「GRヤリス ラリー2」の開発に携わるトヨタ自動車株式会社 GRプロジェクト推進部 GRZ 主任 行木宏氏

 このうち、TGR-WRTのGRヤリス ラリー2はチーム代表であるヤリ-マティ・ラトバラ代表が特別参戦する車両になるが、この車両にはフィンランドからの開発スタッフも同行。フィンランドから来日し、開発に携わるトヨタ自動車 GRプロジェクト推進部 GRZ 主任 行木宏氏は、「このGRヤリス ラリー2は現在開発を進めており、ラリーフィンランドで展示したものと同じものになります」という。

 P1 Performance Fuels製の燃料を入れていたため確認すると、この燃料はカーボンニュートラル燃料であり、WRC(世界ラリー選手権)で使用している燃料そのものであるとのこと。サステナブルなラリーとなっているWRC仕様で、全日本ラリーに挑んでいく。

 つまりトヨタは、WRC仕様であるカーボンニュートラル燃料のGRヤリス ラリー2、通常のハイオク燃料である全日本仕様のGRヤリス ラリー2の2台を走行させることになる。

WRCと同じP1 Performance Fuels製のカーボンニュートラル燃料を使用
こちらは全日本を走る新型WRC2車両「GRヤリス ラリー2」

 世界の流れは、2026年からF1もカーボンニュートラル燃料エンジン+電動モーターになるなど、レースにおけるカーボンニュートラル燃料の使用範囲は増えている。

 ちなみに、スーパー耐久でもP1 Performance Fuels製のカーボンニュートラル燃料を使用しているが、これは菅生戦からアップデートされており、燃料の蒸留特性などが変更されている。今回のTGR-WRTが使用するものは、まったくのWRC仕様とのことだ。

 ある意味トヨタは、全日本ラリーにWRC品質を持ち込もうとしているように見える。カンクネン選手とデモランを実施するモリゾウ選手こと豊田章男会長は、「北海道でWRCの雰囲気を味わっていただきたい」と語っていたが、フィンランドからマシン、スタッフ、そして代表までも送り込むことに、ラリー北海道を盛り上げようという意気込みが表われていた。