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ラリーフィンランドでラリーチームを率いる豊田章男チーム代表代理 早朝から夜までチームを激励

21時20分、WRCラリーフィンランドのステージインタビューに登壇するトヨタ自動車株式会社 代表取締役 会長 豊田章男氏。今回は、チーム代表代理も兼任する

豊田章男氏がTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamの代表代理に

 フィンランド ユバスキュラ市を中心にWRC第9戦ラリーフィンランドが開催されている。このラリーフィンランドで大きな話題となっているのが、TGR-WRT(TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team)のチーム代表であるヤリ-マティ・ラトバラ監督が、ユホ・ハンニネン氏をコドライバーにWRCに、スペシャルカラーのGRヤリス ラリー1 ハイブリッドでスポット参戦すること。

 そのため第9戦ラリーフィンランドのチーム代表は、トヨタ自動車 代表取締役 会長 豊田章男氏がチーム代表代理に就任。豊田章男会長はトヨタの会長でもありTGR-WRTの会長でもあるという立場でもあるが、フィンランド戦では代表代理としてチームを現場で引っ張っていくことになる。

チーム作業を見守る豊田章男会長(右)。隣に立つTGR-WRT 社長兼CEO 春名雄一郎氏にあれこれ質問

 豊田章男会長に聞くと、そのために特別な名刺も用意したとのこと。実際に名刺交換すると、「この1戦だけの特別な名刺だよ」とにこにこしつつ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team 代表取締役会長とチーム代表代理の2つの役職が入った名刺をいただいた。豊田章男会長は、ラリーフィンランドのために特別な名刺を作っていたわけだ。

 それほど気合いを入れてのぞむチーム代表代理の職だが、ラリーという戦いだけあり朝は早く夜は遅い。6時ごろからチームミーティングがあり、その日に注意すべき天候やポイントをドライバーやチームスタッフと確認。デイ2の午前中はSS(スペシャルステージ)を視察し、昼はドライバーが戻ってくるのに合わせてコミュニケーション。午後は記者がSSに行っていたため動きは不明であったが、夕方にTGR-WRTのチームホスピを訪ねると多くの人と打ち合わせをしていたことから、さまざまなビジネスを行なっていたと思われる。

チーム代表代行として積極的にファンサービス。スーパー耐久やスーパーフォーミュラでも積極的にピットウォーク参加をしている豊田章男氏だが、その姿勢はフィンランドでも変わらない。サイン後、新バージョンのモリゾウステッカーをプレゼント

朝6時から夜22時近くまで働く豊田章男チーム代表代理

 豊田会長は、夜の21時からは記者を含めた日本メディアとの報道対応を行ない、21時20分からはWRCのステージインタビューへ。ヒュンダイ、フォードのチーム代表とともにインタビューに応え、英語も織り交ぜながらメッセージを伝えていた。

 デイ2について聞かれた豊田会長は、「ラリー・フィンランドを楽しんでいます。私はドライバーたちを応援するためにここにいますし、チームがハッピーであれば、チーム代表である私もハッピーです。カッレはホームラリーをとても楽しみにしていたので、あのようなことになってしまい本当に残念ですが、重要なのは彼とヨンネが無事だったということです。クルマが直り、明日彼らが再スタートできることを願っています。エルフィンは素晴らしい力を発揮してラリーをリードしていますので、明日も引き続きいいパフォーマンスを発揮してくれることを期待しています。また、今日は貴元も非常に速かったですが、彼は長年ユヴァスキュラに住んでいるので、地元の人たちが彼のことも応援してくれることを願っています。ヤリ-マティにとっては今回が210回目のWRCスタートとなり、笑顔で運転を楽しんでいましたが、それこそが私が見たかった姿です。ラリーはまだ2日残っていますが、全てが順調ですし、チームのみんながとてもいい仕事をしていると思います」と答え、代表代理として明るいメッセージをステージインタビューに集まったファンに伝えつつ、勝田貴元選手の応援を訴えかけてもいた。

 デイ3の開始段階でカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組は残念ながらラリーフィンランドをリタイヤとなってしまったが、豊田会長は朝6時からチームミーティングに参加。チーム代表代理としての業務を遂行中だ。