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マツダのファンイベントにトヨタとスバルが加わり、共に挑戦する「共挑」トークショー スーパー耐久でクルマの未来作り

「カーボンニュートラルへの共挑」をテーマに、マツダ、トヨタ、スバルでトークショーを実施

 9月17日、富士スピードウェイで開催されている「MAZDA FAN FESTA 2023 at FUJI SPEEDWAY」において、MAZDA SPIRIT RACING代表 前田育男氏、TOYOTA GAZOO Racing プレジデント 高橋智也氏、スバル Team SDA Engineering 本井雅人監督の3人によるトークショーが行なわれた。

 前田氏、高橋氏、本井氏の3人は、スーパー耐久のST-Qクラスにおいて、カーボンニュートラル燃料を使いながら戦っている各メーカーの代表者。今回は、その代表者がそろってマツダのイベントに参加する特別なトークショーとなっている。

世界的デザイナーでもあるMAZDA SPIRIT RACING代表 前田育男氏
水素カローラなど水素車の開発も手がけるTOYOTA GAZOO Racing プレジデント 高橋智也氏
急速に性能を向上させたスバル Team SDA Engineering 本井雅人監督

 トークショーのテーマは、「カーボンニュートラルへの共挑」で、スーパー耐久のST-Qクラスでどのような戦いが行なわれているのかということ。モデレーターは、自身もラリーに参戦するモータージャーナリストの竹岡圭さんで、自身のラリーでの経験を交えつつモータースポーツにおけるカーボンニュートラルの取り組みが語られていた。

 トークショーでは、3社がこうして共に戦いながらレースにおいてカーボンニュートラル開発を始めた経緯についての質問が出たが、それに対して前田氏は「トヨタさんが」と話を高橋氏にパス。高橋氏は、「私のボスであるモリゾウさんが」と答え、現在はトヨタ自動車会長である豊田章男氏がきっかけだという。そこらか3社による挑戦に発展し、今では日産やホンダも加わってのST-Qクラス参戦となっている。

 とくに、マツダ、トヨタ、スバルの3社は共通のカーボンニュートラル燃料を使用。3社のエンジン形式はそれぞれ異なるのがメリットで、レースごとにデータを開示して開発を進めているという。ただ、データはお互いに開示するものの、レースの勝負については「がちです」(高橋氏)といい、「大人になって悔しくて泣いたのは初めて」(本井氏)と語るほど熱い戦いが繰り広げられている。

モデレーターはモータージャーナリストの竹岡圭さん。自身もラリーに参加するほど、モータースポーツに関する造詣も深い

 現在は、トヨタ、スバルの開発状況が進んでいると前田氏はいい、次戦には何か手があるようなことを語りつつ、クルマの未来を作る開発の楽しさを、集まった観客に伝えていた。

 マツダ、トヨタ、スバルの熱い戦いが見られるスーパー耐久の次戦は、10月21日~22日の第6戦岡山。11月11日~12日には富士スピードウェイで最終戦が開催される。トヨタ対スバルの年間の戦いはどのようになるのか? そして、最終戦までにマツダは割って入れるのか? カーボンニュートラル燃料を使ったクルマの未来を作る戦いに注目したい。