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日産、英国で自動運転研究プロジェクト「evolvAD」正式始動 「リーフ」をテスト車両として使用

2023年9月27日(現地時間) 発表

英国での自動運転モビリティ研究プロジェクト「evolvAD」が始動

 日産自動車は9月27日(現地時間)、同社子会社の欧州日産が支援し、英国政府が資金を提供する英国最新の自動運転研究プロジェクト「evolvAD」が正式に始動したと発表した。

 evolvADでは、英国の自動運転能力を強化し、大規模採用に向けたサプライチェーンの準備を技術的に支援することを目的に、コネクテッド自動運転車がさまざまな都市部の住宅地や複雑な地方の道路で走行することとなる。

 この研究プロジェクトは、5つのパートナーからなるコンソーシアムによって実施され、今後21か月間にわたり、5つのパートナーの専門知識を結集し、英国における将来の自動運転技術の大規模展開に向けた英国のサプライチェーンの準備を技術的にサポートしていく。

 コンソーシアムのパートナーは下記の通り。

欧州日産:リーディング パートナーであり、プロジェクト期間中にテスト走行を行なうコネクテッド自動運転車の開発を主導
コネクテッド プレイシズ カタパルト:高度な機械学習技術を応用して、航空画像から高精細地図を生成
ヒューマナイジング オートノミー:交通弱者(歩行者、自転車、オートバイ利用者)の知覚と行動推定能力を備えた英国のサプライヤー
SBDオートモーティブ:オンボードサイバーセキュリティと先進安全ケースを担当する
TRL:スマート モビリティ リビング ラボ(SMLL)テストベッドのインフラを活用した車両システム検証プロセスのさらなる開発

 資金は政府とコンソーシアム パートナーが共同で拠出し、政府の1億ポンドのインテリジェント モビリティ ファンドは、コネクテッド自動運転車センター(CCAV)によって運営され、英国のイノベーション機関である「イノベートUK」によって提供される。

 また、evolvADは、英国の自動運転能力を向上させることを目的とした複数の重点分野から構成され、TRLの協力のもと、住宅地で先進的な自動運転技術を試験的に導入する欧州日産の取り組みも含まれている。

 住宅地において、防犯カメラなどのインフラを活用することで、evolvADのコネクテッド自動運転車は状況認識を向上させるための情報を受け取れ、同車両の性能を向上させるためにV2I(Vehicle to Infrastructure)技術をどのように利用できるかについての試験研究を実施。加えて、自動運転車の配備をさらに支援するための新たなV2I技術の開発も視野に入れられている。さらに欧州日産は、複雑な地方の道路でこの技術を試験的に導入し、地方や都市間のコミュニティで多く見られる幹線道路や細い路地に、自動運転モビリティがどのような輸送機会を提供できるかの可能性を探っていく。

 2023年7月に開始されたこのプロジェクトは、EV(電気自動車)「リーフ」をテスト車両として使用し、すでに開発段階に入っているとのこと。これらの車両は、実際の道路で試験走行する前に、今後数か月間、シミュレーションと専用テストトラックでテストされる予定としている。

 欧州日産は、evolvADを通じて、これまでのコンソーシアムの自動運転研究プロジェクトである「ヒューマンドライブ」と「サーブシティ」の成功に続き、ほかの走行環境における試験や試験走行を行なうことで、自動運転技術とその能力をさらに高めていくとした。

リーフのテスト車両