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エアレースX予選、渋谷の決勝へ向け室屋義秀選手がレクサスとともに改良した機体で挑む
2023年10月12日 17:13
エアレースXの予選始まる
今シーズンから新たに始まったエアレース「エアレースX」。これは日本人初の国際エアレースチャンピオンである室屋義秀選手が呼びかけ人となり、デジタルデータを使うことで時間と空間を越えて対戦しようというものになる。
世界各国8人の選手が10月8日~13日まで予選を行ない、決勝トーナメントを10月15日に渋谷で開催。渋谷に入れば、スマートフォン越しにリアルメタバースプラットフォーム「STYLY」のAR(拡張現実)を使って、決勝戦を楽しむことができる。
LEXUS PATHFINDER AIR RACING TEAMとして参戦する室屋義秀選手は、地元であるふくしまスカイパークで予選を実施中で、ふくしまスカイパークのフリーエリアで室屋選手が飛ぶ際は、その様子を見ることができる。予選は総当たりで行なわれ、室屋選手はそのための予選データを1回あたり3セッション大会本部に届け出る必要がある。そのデータを大会本部が突き合わせて勝敗を決めていく形だ。
このデータはすぐに見ることができ、11日を終えた時点で室屋選手はトップに立っている。また、最速タイムも室屋選手が63.386秒を記録しており、ボーナスポイントも獲得。渋谷での決勝戦が楽しみな状況となっている。
【公式】AIR RACE X
https://www.airracex.com/shibuya2023/results/
予選大会開始直後に室屋選手にこのレースの感触を聞いたところ、「みんなのタイムがかなり近く、レースのジャッジングを含めてかなり正確にできている。僕がまず最初に飛んだわけですが、これから夜にかけてヨーロッパ勢が飛んでくる。これからどう展開してくるかすごく楽しみですけど、いい仕組みでレースができているなという実感がある。これから(決勝戦で)AR観戦を含め、最終的に面白くなる」と語ってくれた。
今回、室屋選手が用いる機体は、エアレースチャンピオン獲得時のものをベースに、空力的なアップデートやヒューマンインターフェースを改良したものになる。その改良には、チームのスポンサーでもありビジネスパートナーであるレクサスが大きくかかわっており、レクサス開発陣とともに勝てる機体を作り上げてきた。
最も分かりやすいのは主翼の先端に付くウィングレットで、ウィングレットが備わったことにより空力を改善。そのほか、エンジンカウルまわりの変更も行なっており、トータルで空気抵抗の低減につながっているという。
さらに、ヒューマンインターフェースとしてはシートを改善。ここはレクサスの匠とともに作り上げたといい、ときには10Gにも達する激しいフライト時の疲れを低減している。
実際、室屋選手はこのシートの改善によって疲れが減ったといい、「以前はラン1つで疲れることもあったが、今日(予選初日)は4つのランを飛んでもまだまだいける」と語るほど。安定してよいタイムを出し続ける予選において、大きな武器になっているという。
そのほか、操縦桿のグリップもレクサスのステアリングを担当する匠と一緒に開発。グリップを改善することで、定評のある正確な操縦能力がさらによくなっているとのことだ。
LEXUS PATHFINDER AIR RACING TEAMにスタッフとして加わっているLexus International LIZ 製品企画 主幹 中江雄亮氏は、そのほかにもさまざまな作り込みをこの機体で行なっているという。予選フライトは13日までとなるが、室屋選手と作り込まれた機体がどう戦っていくのか、予選タイムの出方に注目していただきたい。