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エアレースX、室屋義秀選手が渋谷の決勝戦で優勝 61秒857の最速フライト

エアレースXで優勝した室屋義秀選手(左)。ホストシティの長谷部健 渋谷区長(右)より優勝トロフィーを受け取る

エアレースX決勝を渋谷で開催

 今シーズンから新たに始まった「エアレースX」。その決勝戦が10月15日、渋谷を舞台に行なわれた。このエアレースXは、日本人初の国際エアレースチャンピオンである室屋義秀選手が呼びかけ人となり、デジタルデータを使うことで時間と空間を越えて対戦しようというもの。10月8日~13日まで8人のパイロットによる総当たり形式の予選フライを実施。予選を勝ち抜いた4人のパイロットが決勝戦へ進んだ。

 この予選をLEXUS PATHFINDER AIR RACINGとして参戦する室屋選手はトップで通過。Matt Hall選手、Juan Velarde選手、Martin Sonka選手と決勝戦を争った。

AIR RACE X 2023 SHIBUYA DIGITAL ROUND Finals

 決勝戦は、準決勝、決勝と勝ち抜き戦で実施。あらかじめ準決勝、決勝用に渋谷の空を想定してフライトしたデータを持ち寄っての戦いになる。

 室屋選手はこの準決勝で、Juan Velarde選手と対戦。室屋選手はパイロンタッチをしてしまい、2.000秒のペナルティ。万事休すと思われたが、Juan Velarde選手も2.000秒のペナルティをくらい、66.635秒 vs. 66.780秒で室屋選手の勝利となった。

室屋義秀選手が優勝

決勝戦の日だが、あらかじめフライトデータを提出しているため、室屋選手も観戦者に。リアルメタバースプラットフォーム「STYLY」で観戦中

 この準決勝を勝ち抜いた室屋選手は、決勝戦ではMartin Sonka選手と対戦。この決勝戦は2機同時に飛ぶ形(データ上)で行なわれ、どちらもペナルティがない形で61.857秒 vs. 66.219秒と、室屋選手は驚速タイムで優勝した。

 この模様はYouTube「AIR RACE X 2023 SHIBUYA DIGITAL ROUND Finals」でライブ中継されるとともに、リアルメタバースプラットフォーム「STYLY」でも提供。スマートフォンにSTYLYを入れることや、AR/VRディスプレイなどで見ることができるようになっていた。

 決勝戦はあらかじめ各地で飛んだフライトデータが用いられ、運営側によってマッチングされるため、室屋選手はイベント会場の一つとなっていた渋谷スクランブルスクエアで自分のフライトを観戦、トークショーなども実施された。

LEXUS PATHFINDER AIR RACINGのスタッフと最後の戦いを観戦
優勝の瞬間。LEXUS PATHFINDER AIR RACINGのスタッフから祝福を受ける

 世界各国でフライトを行ない、フライトデータで戦うというエアレースX。時間と空間を超えてスポーツが行なえるという可能性の一端を見せてくれた。今シーズンは、この渋谷のみの開催となるが、この戦いのノウハウを活用して、来シーズンの構想へ挑んでいく。