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トヨタ、トヨタ生産方式の「通い箱」とともに新型ミニバンコンセプト「KAYOIBAKO」を公開

フロントドアとリアドアを開口したバッテリEVの新型ミニバンコンセプト「KAYOIBAKO」。Bピラーがないのでひろびろ

 世界の製造業がお手本とするトヨタ自動車の自動車製造方法である「トヨタ生産方式」。TPS(Toyota Production System)や、海外での研究・一般化から Lean Production Systemとも呼ばれ、7つのムダの排除やジャストインタイムなど多くの手法が提唱され、取り入れられてきた。

 とくにカンバン方式は、英語でもKANBANで通用するほか、電子マネーのやり取りで使われるQRコードは、カンバン方式での生産管理のために作られたものであり、世界に与えたインパクトも大きい。

手に持っているのが「通い箱」。トヨタの生産で用いられ、カンバンとともに行き来している箱になる。KAYOIBAKOはこれを実現する

 そのトヨタ生産方式で使われているのが、拠点間をカンバンとともに行き来しながら部品や製品を安全かつ効率的に運ぶ「通い箱」。必要な部品などの大きさに対応していろいろな大きさがあるが、カンバンとともにトヨタ生産方式の重要な要素になっている。

 トヨタは、この「通い箱」への思いをもって、「ジャパンモビリティショー2023」(一般公開日:10月28日~11月5日、場所:東京ビッグサイト)に展示するバッテリEVの新型ミニバンコンセプト「KAYOIBAKO」を事前公開した。これまでにないものを作ろうとする場合、チームで目標を共有するのは難しいことであるが、「通い箱」というコンセプトがあることで、トヨタスタッフなら「通い箱のような使い勝手を実現する」というキーワードで、同じ方向を向いて次世代ミニバンコンセプトを作り上げた。

シンプルに仕上げられたKAYOIBAKOのフロントまわり
バッテリEVのため、タイヤを四隅に配置。箱車感が抜群
ワンタッチで脱着できる車いすのアダプタ。トヨタも加盟する車椅子簡易固定標準化コンソーシアムによって規格化されている
Xはボックスの配置に使われていた
荷室部はフラットに。バッテリEVならではのフラット空間を実現している

 その特徴は、バッテリEVらしく床下に電池を敷き詰めることで実現した広い室内空間と、電池用のフレームなどがあるため床下が強くできていることから、片側Bピラーレスのスライドドアを設定したこと。Bピラーがないことによって、フロントドアと合わせて広大な開口部を実現している。

 また、車いすでの乗車にも配慮。車いす向けのアタッチメントを床に内蔵しており、車いすをワンタッチで固定できる。あおりを装備したリアドア(メカ式)によって、車いすの乗り入れも容易にしている。

 コクピットも魅力的で、ステアバイワイヤ式のステアリング、シンプルなスレートタイプのメーターを装備。それに加え、2分割のフロントウィンドウ中央部にはラウンドタイプのディスプレイを装備している。

シンプルながら使い勝手のよさそうなステアリング。メーターパネルはスレートタイプ
フロントウィンドウを2分割するように配置されたラウンドタイプのディスプレイ

 担当者によると、コンセプトカーなのではあるができれば市販車に反映していきたいとのこと。次世代ミニバンとしての提案も豊富なので、ジャパンモビリティショーの会場で確認していただきたい。