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WRC参戦中のTGR-WRT ロバンペラ/ハルットゥネン組が2年連続2回目のドライバーズ&コ・ドライバーズタイトル獲得

2023年10月29日 開催

ヨンネ・ハルットゥネン選手(左)と、カッレ・ロバンペラ選手(右)

 ドイツのパッサウを起点に10月29日に行なわれた2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第12戦「セントラル・ヨーロピアン・ラリー」の競技最終日デイ4で、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)が総合2位でフィニッシュし、最終戦を待たずして2年連続2回目となるドライバーズおよびコ・ドライバーズ・タイトルを獲得した。

 また、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)は総合4位で、前日デイリタイアを喫したエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は、総合31位でフィニッシュ。TGR WRCチャレンジプログラムにより4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、総合5位でポイントを獲得した。

ヨンネ・ハルットゥネン選手(左)と、カッレ・ロバンペラ選手(右)
33号車(エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組)
17号車(セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組)

 欧州3か国を巡るセントラル・ヨーロピアン・ラリーの最終日は、パッサウのサービスパークを起点にオーストリアで1本、ドイツで1本のステージをミッドデイサービスを挟むことなく各2回、計67.24kmの距離を走行。路面は全体的にドライとなり、Rally1の全ドライバーがウエット用タイヤを1本も搭載することなく、ソフトとハードのドライ用タイヤのみでステージに向かった。

 タイトル争いの唯一のライバルであるエバンス選手が前日にコースオフを喫しデイリタイアとなったことで、選手権をリードするロバンペラ選手は数ポイントを獲得するだけでタイトルを確定できる状況となった。そのため、ロバンペラ選手は最終日も確実性の高い走りに徹し、4本のステージを全て7、8番手タイムで走行。首位ティエリー・ヌービル選手との差は最終的に57.6秒まで広がったものの、しっかりと総合2位でラリーを走りきり、2022年に続き2年連続でドライバーズタイトルを獲得。2022年にWRC史上最年少となる22才で世界王者となったロバンペラ選手は、これでWRC史上6人目となる連覇達成ドライバーとなった。

 また、TGR-WRTのクルーがドライバーズおよびコ・ドライバーズ・タイトルを獲得するのは5年連続であり、前回のラリー・チリ・ビオビオですでにマニュファクチャラー選手権を獲得していたTGR-WRTにとっては、3年連続の三冠獲得となった。

カッレ・ロバンペラ選手のコメント(GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)

 今はとてもいい気分です。タイトル争いは常に両肩に大きな重荷を背負っているようなものですから、本当にホッとしています。今年は、昨年以上にタフでチャレンジングでした。競争は厳しかったですが、自分たちは本当にいい仕事をしたと思います。今シーズンの戦いをとても誇りに思いますし、1回目よりも2回目の方が、タイトル争いを楽しもうとしていました。今回は、久々にトリッキーなコンディションに見舞われた難しいラリーでしたが、自分たちの計画を冷静に進めることができました。金曜日は有利な出走順を活かす必要があり、それは実現できたのですが、エルフィンがコースオフした時点で優勝争いをする必要がなくなったのは確かです。なぜなら、自分たちはより大きなゴールを目指していたからです。ヨンネとチーム全員、そして応援してくれた皆さんに心から感謝します。次のラリージャパンは、とにかく楽しんで走りたいと思います。

カッレ・ロバンペラ選手(左)、ヤリ-マティ・ラトバラチーム代表(中央)、ヨンネ・ハルットゥネン選手(右)

TGR-WRT会長 豊田章男氏のコメント

 カッレ、ヨンネ、2年連続のドライバーズ、コ・ドライバーズ・タイトルおめでとう! 最年少ディフェンディングチャンピオンとしてシーズン前半は少し苦しんでいたように見えました。しかし、着実にポイントを重ね、中盤戦からはポイント争いをリードし続ける、まさに強いチャンピオンの姿を示してくれたと思います。

 2人が成し得てないことが1つだけあります。モリゾウと一緒に表彰台に立つことです。日本で待ってます。

 エルフィン、最後まで諦めずに攻めた走りをしてくれてありがとう。なんとしても勝つ! という気持ちのこもった走りは最高でした。パワーステージもカッコよかったです。まだシーズンは終わっていません。エルフィンとスコットは日本に忘れ物をしているはずです。来月のラリージャパンで昨年の忘れ物を回収し、私を表彰台に乗せてくれればと思います。

 このチームの忘れ物はもう1つあります。セブとヴァンサンも昨年の日本で速い走りを見せてくれましたが、結果にはつながりませんでした。今年こそは……と私も願っています。そして、昨年に引き続き、貴元とアーロンにもラリージャパンの表彰台で会いたいと願っています。できれば昨年より高いところから、私のことを見下ろしてもらいたいと思います。

 残念ながらラリーの表彰台の定員は6名です。8人全員は乗れませんが、なんとか6人と一緒に表彰台に立てればと願っています。チームのみんな、ぜひその願いを叶えてください。ヤリ-マティ代表、よろしく頼みます!