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ラスト「マルケス」&「NSX-GT」、今シーズンを締めくくるファン感イベント「ホンダ・レーシング サンクスデー 2023」

2023年12月3日 開催

ファンに別れを告げたマルク・マルケス選手

2024年シーズン投入予定の新型GTマシン「CIVIC TYPE R-GT」も走行

 ホンダ傘下のチームや関係チームに所属する四輪・二輪の国内外のトップレーサーが一堂に会するイベント「Honda Racing THANKS DAY(ホンダ・レーシング サンクスデー)2023」が12月3日、モビリティリゾートもてぎ(栃木県茂木町)で開催された。

 シリーズ3連覇を果たしたF1ドライバーのマックス・フェルスタッペン選手や同2位のセルジオ・ペレス選手、角田裕毅選手に加え、MotoGPで活躍するジョアン・ミル選手、中上貴晶選手、2023年限りでホンダを離れるマルク・マルケス選手ほか、総勢37名のドライバー・ライダーらが集結し、駆けつけた多くのファンとの交流を楽しんだ。

参加選手全員で記念撮影

異種混合も当たり前、ホンダのレーシングマシンと選手が続々登場

「ホンダ・レーシング サンクスデー」は、ホンダのレーシングドライバー・ライダーらによる年に一度のファン感謝祭。四輪はF1、F2、スーパーフォーミュラ、SUPER GT、スーパー耐久など、二輪はMotoGP、WSBK、EWC(世界耐久)、JSB1000、MXGP(モトクロス)、トライアルなど、ホンダが参戦・サポートするあらゆるレースカテゴリーの選手と車両が登場した。

マックス・フェルスタッペン選手
セルジオ・ペレス選手(左)、佐藤琢磨選手(中)、野尻智紀選手(右)
MotoGPのジョアン・ミル選手と談笑する角田裕毅選手

 もてぎの本コースではレースマシンと選手によるデモ走行イベントが目白押し。ホンダのパワーユニットを搭載したRed Bull RacingのF1マシン「RB16B」と、日本のスーパーフォーミュラマシン「SF23」の同時走行や、四輪のF1マシンと二輪のMotoGPマシンによる異種混合戦など、通常のレースではありえない組み合わせでの“バトル”が繰り広げられた。場合によっては選手の参戦するレースカテゴリーとは異なる車両に乗り込むことも。

フェルスタッペン選手と角田選手によるF1マシンのデモ走行
デモ走行終わりのドーナツターンで盛大なタイヤスモークが
佐藤選手によるインディカーのデモ走行
2023年はスーパーフォーミュラでドライバーズランキング3位、チームランキング1位となった野尻智紀選手
野尻選手によるF1マシンRB16Bのドライブも実現した
F1のダニエル・リカルド選手がMotoGPマシンにまたがってミル選手と情報交換する風景も
ミル選手とMotoGPマシンRC213V
中上選手のライディング。午前中は氷点下だったほどの寒さで、路面もタイヤも温まらず、慎重に走行していた
長島哲太選手と高橋巧選手による鈴鹿8耐優勝マシンのデモ走行

 また、ノーマルおよびスーパー耐久仕様のシビック TYPE Rと、2024年のSUPER GTのGT500クラスに投入される予定の「CIVIC TYPE R-GT」が共演したほか、そのCIVIC TYPE R-GTにバトンを引き継ぐ「NSX-GT」は最後のお披露目へ。GT500に参戦してきた5台のNSX-GTがコースインし、ラストランをファンの目に焼き付けた。

5台のNSX-GTによるラストラン
2024年シーズンから投入予定のCIVIC TYPE R-GT
ノーマルのシビック TYPE Rやスーパー耐久仕様の車両とも同時走行。CIVIC TYPE R-GTの圧倒的なスピードが印象に残った
バスに乗った選手が観客の間近を通過してファンサービス
2024年に向け「少なくとも今年よりランキングを上げていきたい」と意気込みを語った角田選手

 本コース外の、モビリティリゾートもてぎのアトラクションを使ったイベントプログラムも多数用意された。特に多くの観客を集めていたのは、四輪・二輪の選手がチームになって争うレーシングカート大会。四輪のレースに慣れていないにもかかわらず意外な速さを見せる二輪選手たちと、慣れすぎているがゆえにショートカット、体当たりなどの「横暴」をはたらきながら見せ場をつくる四輪選手たちの真剣(?)勝負にファンの声援が飛んでいた。

四輪・二輪の選手がチームを組んで対決するカート大会、F1ドライバー3人が競り合うシーンも
ショートカットするフェルスタッペン選手と角田選手
青のツナギは長島選手。カートでもインに身体を入れるのはライダーの習性?
ハローウッズの崖エリアではトライアルの実演
トライアル世界選手権ランキング3位のガブリエル・マルセリ選手
全日本トライアルの小川友幸選手(左)と氏川政哉選手(右)
特設オフロードコースではモトクロスライダーが大ジャンプ
ロードレースのライダーも交えたリレー形式のミニレースも開催された
グランドスタンド裏にはレーシングマシンなどの展示も
マルク・マルケス選手の2019年チャンピオンマシン
ガリガリ君CBR
宇都宮ライトレールのミニチュア版に乗れる

マルク・マルケス選手「ホンダはいつも僕の心にいます」

 そしてプログラムの最後には、2023年限りでRepsol Honda Teamを離れるMotoGPのマルク・マルケス選手が登場し、ホームストレート上でファンにお別れのあいさつを行なった。スピーチの内容は以下の通り。

マルク・マルケス選手がお別れのスピーチ

「ご存じのとおり今季はホンダと道を分かつ節目の年になりました。11年間にわたり6度のワールドチャンピオンを獲得するなど、たくさんの素晴らしい勝利を共にできました。僕にとっては(ホンダという)『大きな家族』の一員になるのはプレッシャーだったけれど、Repsol Honda Teamのメンバーとの思い出はたくさん残っています。ただ、レースにおいて常に勝利することが僕の目標であり、これからも続く長いキャリアのなかでそのための最善の方法を見つけようとしています。いずれまたみなさんの元に戻ることがあるかもしれませんし、今日のTHANKS DAYが最後ではなく、またライダーとしてここに来られたら、というのが僕の願いです。“(日本語で)ありがとうございます”。ホンダはいつも僕の心にいます」。

HRC代表取締役社長の渡辺康治氏から花束が贈呈された
観客席に向かってバスから手を振るマルケス選手
ホームストレートに車両と選手が並び、フィナーレ