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デビッド・クルサード氏がレッドブルF1マシンでドーナツターンを披露した「Honda Racing THANKS DAY 2019」
「#99 Honda NSX-GT」を佐藤琢磨&ダニール・クビアト両選手がドライブ
2019年11月14日 12:17
- 2019年11月10日 開催
ツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)で11月10日、本田技研工業のファン感謝祭「Honda Racing THANKS DAY 2019」が開催された。
今回で12回目の開催を数えるHonda Racing THANKS DAYは、2輪・4輪などのレースにホンダチームとして参戦している選手やマシンがツインリンクもてぎに集まり、多彩なプログラムを通じてファンに感謝の気持ちを伝えるイベント。ツインリンクもてぎのロードコースをはじめ、グランドスタンドプラザ、モビパーク、ハローウッズ、ホンダコレクションホール、ピットガレージなどを使ってデモランや車両展示、トークショー、サイン会などさまざまなファンサービスが行なわれた。
Honda Racing THANKS Ceremony
ホームストレートで実施された「Honda Racing THANKS Ceremony」では、最初に本田技研工業 代表取締役社長 八郷隆弘氏が登場。続けて2輪のライダー、4輪のドライバー、チーム監督などが1人ひとり紹介されて姿を現わし、八郷社長が出迎える形でホームストレートに整列した。
セレモニーではまず八郷社長がスピーチを行ない、今回はまだ一部のレースでシーズンが続いているものの、2019年シーズンにファンから送られてきた声援に対して感謝の言葉を述べたほか、この2019年が、1959年にホンダが「マン島 TTレース」に出場して世界のレースに挑戦を始めてから60周年となることを紹介。自身が生まれたのも同じ1959年であり、ホンダが自分の人生と同じ年月、レース活動に情熱を注ぎ込んできたことに感激すると語った。
これまでにシーズンが終わっているレースでは、2輪ロードレースの頂点カテゴリーであるMotoGPでマルク・マルケス選手が4年連続、6回目のシリーズチャンピオンを獲得。トライアル世界選手権でトニー・ボウ選手が前人未踏の13連覇を果たし、モトクロス世界選手権でもティム・ガイザー選手が自身3度目のシリーズチャンピオンに輝くなど、2輪世界選手権における主要3カテゴリーでチャンピオンを輩出する成果を得たことを報告。全日本ロードレースでは惜しくも2位となったものの、国内開催のトライアル、モトクロスの両カテゴリーではチャンピオンを獲得しており、「世界一の2輪メーカーとして充実したシーズンを送ることができました」とアピールした。
4輪ではSUPER GTのGT500クラス、スーパーフォーミュラでチャンピオン獲得とならず、来シーズンに向けて力強く努力していきたいと語り、「何が何でもチャンピオンを奪還しますので、皆さんのご声援をよろしくお願いいたします」と意気込みを口にした。
これに加え、インディカー・シリーズに参戦している佐藤琢磨選手がシーズン2勝を挙げたことに触れた八郷社長。F1では2015年の参戦復帰後の初優勝をオーストリアグランプリで果たし、その後のドイツグランプリでも、レッドブルのシーズン2勝目とトロロッソの3位フィニッシュでダブル表彰台という結果となり、これまでの4年間で続けてきた努力が実を結んだ結果で大変嬉しいとした。また、F1はシーズン2戦を残しており、これに向けて全力で取り組んでいくこと、さらに2020年シーズンについては「レッドブルとともにシリーズチャンピオンを何が何でも取りたいと思っています」とコメント。勝利に向けて応援してほしいとファンに向けて語りかけた。
八郷社長は最後に、ホンダのレース活動60周年の記念すべき1年は、ファンの期待に応えられるシーズンになったのではないかと自己評価し、「ホンダはこれからも、モータースポーツで勝ちにこだわり、勝つことに挑戦し続けてまいりますので、皆さん、これからもよろしくお願いいたします」と語ってスピーチを締めくくった。
Aston Martin Red Bull Racing Showrun
ロードコースで行なわれた「Aston Martin Red Bull Racing Showrun」では、レッドブル・レーシングが2011年のF1で使用した「RB7」のボディに2019年仕様のカラーリングを施した車両を使い、同チームのアドバイザーを務めている元F1ドライバーのデビッド・クルサード氏が搭乗。3周のデモ走行を披露したほか、ホームストレート上で豪快なドーナツターンを行なってファンにF1マシンの迫力を見せつけた。
Honda Racing 60th Anniversary
ホンダのレース活動60周年を記念する「Honda Racing 60th Anniversary」では、F1マシン「マクラーレン・ホンダ MP4/4」を佐藤琢磨選手が走らせたほか、MotoGPマシン「RC213V」とWGPマシン「NSR500」にカル・クラッチロー選手、Moto3マシン「NSF250RW」に小椋藍選手が乗ってデモ走行を実施した。
ウイナーズ・パレード
「ウイナーズ・パレード」は、参戦レースで年間チャンピオンを獲得した選手たちが感謝の気持ちを込めて行なう凱旋パレード。2019年シーズンはスーパーフォーミュラで「DOCOMO TEAM DANDELION RACING」のチーム優勝に貢献した山本尚貴選手と福住仁嶺選手、全日本モトクロス選手権 IA1クラスでシリーズチャンピオンを獲得した山本鯨選手、全日本トライアル選手権 国際A級スーパークラスでシリーズチャンピオンを獲得した小川友幸選手の4選手がパレードランを披露した。
SUPER GT Honda Grand Prix
SUPER GTのGT500クラスに参戦している「NSX-GT」ワンメイクの模擬レースとして行なわれる「SUPER GT Honda Grand Prix」。2019年はシーズンを戦う5チームのマシンに加え、ダニール・クビアト選手と佐藤琢磨選手がタッグを組んで挑戦する「#99 Honda NSX-GT」を含めた6台によって争われ、山本尚貴/ジェンソン・バトン組の1号車「RAYBRIG NSX-GT」が優勝。2019年シーズンでSUPER GT参戦を終了すると発表しているバトン選手がツインリンクもてぎで有終の美を飾った。
SUPER FORMULA FINAL BATTLE
SUPER GT Honda Grand Prix同様に模擬レースとして行なわれた「SUPER FORMULA FINAL BATTLE」。SF19に同じ本田技研工業/M-TEC製の「HR-417E」型エンジンを搭載する7台によるレースは、走行後の選手たちがインタビューで「シーズン中でもあんな接近戦はしない」と口にするほど白熱した争いが繰り広げられた。7周で行なわれたレースは、ラストラップの最終コーナーでサイドバイサイドのバトルを制したルーカス・アウアー選手が優勝となった。
Honda Riders パフォーマンス
MotoGPライダーのカル・クラッチロー選手など、ホンダの2輪マシンでレースに参戦している11人の選手が日ごろの参戦マシンで一堂にデモ走行する「Honda Riders パフォーマンス」。
Honda Racing Kart Cup
「Honda Racing Kart Cup」では、ホンダのマシンでレースに参戦している2輪と4輪の人気選手がチームを結成。日ごろ乗り慣れたマシンではないレーシングカートを使って白熱のレースを披露した。
レースでは決勝レースのスターティンググリッドを決める予選のタイムアタックを4輪ドライバーが担当。決勝レースでは前半を4輪ドライバーが走り、規定ラップ数を超えてからピットインして、2輪ライダーに交代するスタイルで進められた。レースは周回数を重ねて2輪ライダーが走行を担当するようになったあたりから徐々にヒートアップ。コース内でマシン同士が接触するようになり、チェッカーフラッグが用意されるラストラップの第1コーナー出口でトップを走行していたソムキャット・チャントラ選手と2位走行の山本鯨選手が横並びとなり、チャントラ選手がスピン。
ここでトップに立った山本選手と3位から2位に浮上した藤波貴久選手の2人がコース中盤のヘアピンコーナーで接触してコースアウト側でスピンすると、その後方を走っていたカル・クラッチロー選手がピースサインの左手を突き上げながら追い抜いていく。クラッチロー選手はそのまま後方とのリードを保ってトップチェッカーを受けた。
Honda Racing THANKS DAY ステージ
中央エントランスに用意されたステージでは、8時30分スタートの「Modulo トークショー」を皮切りに5つのトークショーを実施。ダニール・クビアト選手が登場した「F1 トークショー」では、2019年シーズンのこれまでの振り返りやドライブする「STR14」についてコメントしたほか、7月に行なわれて自身3年ぶりの表彰台獲得となったドイツグランプリの決勝直前に誕生した長女のことにも言及。いっしょに過ごす時間が自分をリラックスさせてくれると語り、25歳の若者らしい一面も見せた。
Modulo トークショーでは中嶋悟総監督と道上龍選手が登壇。次世代のクルマ好きやレーシングドライバーを育てていくため、子供たちに対して積極的にアピールしていくことの重要性などが語られたほか、最後には中嶋総監督とのじゃんけん大会を実施。勝ち残った人には、ステージ上で登壇者と一緒にプロカメラマンによる記念撮影に参加する権利が贈られていた。