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スズキ、7年ぶりフルモデルチェンジの新型「スイフト」発表会 4代目はZ世代をターゲットに安全装備充実、5速MTもラインアップ

2023年12月6日 発表

新型「スイフト」とスズキ代表取締役社長の鈴木俊宏氏

 スズキは12月6日、7年ぶりにフルモデルチェンジした新型「スイフト」を発表、CVT車を2023年12月13日に、5速MT車を2024年1月17日に発売する。同日、オンライン発表会が開催され、スズキ代表取締役社長の鈴木俊宏氏らが登壇して、新型スイフトについて紹介した。

 新型スイフトのモデルラインアップは、ガソリンモデルの「XG」、マイルドハイブリッドモデルの「HYBRID MX」「HYBRID MZ」で、価格は172万7000円〜233万2000円。トランスミッションはCVTと、「HYBRID MX」には5速MTモデルが用意される。

スズキ代表取締役社長の鈴木俊宏氏

 オンライン発表会に登壇した鈴木社長は「2004年に世界戦略車として誕生したスイフトは、その独創的なデザインと、優れた走行性能で注目を集めました。そして、スイフトはグローバルコンパクトカーブランドとして世界中で認知されるようになりました。発売から19年、進化し続けてきたスイフトは、世界中で高い評価を受け、169の国と地域のお客さまにご愛用いただき、世界累計販売台数は今年10月に900万台を達成しました。スズキはスイフトの誕生によって大きく成長することができました。先日開催されたジャパンモビリティショーで提案させていただいた、スイフト コンセプトは、来場者の皆さまから好評を博し、予想を超える反響がありました。私は、皆さまからの大きな期待を感じています」とあいさつ。

 新型スイフトの特徴について、鈴木社長は「ドライブ&フィールという言葉を大切に開発した新型スイフト、先進的で走りを想起させるエクステリア、ドライバーを包み込み、クルマとの一体感を表現したインテリア、軽快な走りと低燃費を両立した新開発の高効率エンジン、スズキで初めて採用したドライバーモニタリングシステムなど先進の予防安全技術、このように新型スイフトは歴代のスイフトが培ってきたデザインと走行性能に加え、新たな装備を充実させ、クルマと日常を楽しめる、そんな存在となるクルマに仕上げました」と紹介。

 そして、新型スイフトについて、鈴木社長は「新型スイフトは細部までドライバーの使いやすさにこだわり抜き、お客さまの身近な存在となるような魅力がたくさん詰まっています。エネルギッシュで軽やか、日常の移動を遊びに変える、洗練されたスマートコンパクト、それが新型スイフトです」と話した。

Z世代をターゲットに、安全装備の充実など

スズキ 商品企画本部 四輪商品第二部 新型スイフト チーフエンジニア 小堀昌雄氏

 続いて登壇した、新型スイフトのチーフエンジニアの小堀昌雄氏からは、新型スイフトについて、「一目見たら印象に残るデザイン」「細部にまでこだわって進化した走行性能・乗り心地」「新開発したエンジンとCVT、高い空力性能により優れた燃費性能を実現」「日常運転をサポートする最新のスズキ セーフティ サポート」「ドライバーの使いやすさを考慮した使い勝手のよいパッケージング・装備」といった新型スイフトの主な特徴が示されるとともに、先代スイフトへの振り返りと、新型スイフトのターゲットについて語られた。

 新型スイフトでは、ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた「デュアルセンサーブレーキサポートII」を採用するとともに、電動パーキングブレーキの採用により停止保持機能を追加したアダプティブクルーズコントロール[全車速追従機能・停止保持機能付]やブレーキホールド、車線維持支援機能、アダプティブハイビームシステムなどを組み合わせた運転支援機能、さらにスズキ初採用となる「ドライバーモニタリングシステム」でドライバーの表情を認識し、眠気や脇見をカメラ検知してドライバーに注意を促すなど、安全装備を充実させている。

新型スイフトの主な特徴

 先代スイフトについて、小堀氏は「先代のスイフトはスタイルと走りが購入時に重視されており、購入するきっかけとなっています。一方で、安全運転支援や運転を楽にするような安全装備、コネクテッドについては競合車に対して低く、購入されるきっかけにつながっていません。また、年代別構成比を見ると、先代スイフトの購入者は20代から30代の若い世代が多く、平均年齢も低くなってます。これはスイフトの特徴となっています。一方でスイフトの購入を検討したものの、購入には至らなかったお客さまのお話をうかがったところ、このようなご意見がありました。一部のお客さまに対しては、先代のスイフトはスポーティな外観や走りのイメージが強いため、高い走行性能を求めているお客さま向けの商品だと思われてしまい、スイフトが持つ運転のしやすさや気持ちよさを伝えきれていないということが分かりました」と、振り返った。

 新型スイフトの開発にあたって、小堀氏は「スイフトはこれまで若いお客さまに向けた商品として企画をしてきました。新型スイフトも20代から30代前半のお客さまに向けた商品、いわば、Z世代と呼ばれる若いお客さまが中心となります。そのZ世代の中でも、スイフトを求められるお客さまの特徴は、自分らしさを表現するために個性的な外観を持った、そばにあるとうれしいと感じるデザインを求めるお客さま、快適な空間や時間に価値を感じ、リラックスできる商品を求めるお客さま、気になった場所やお店の情報を発信するため出かけてみようと気持ちを後押しする商品を求めるお客さま、細い路地や狭い駐車場でも気軽に運転できる使いやすい商品を求めるお客さま、休日のドライブだけでなく日常の通勤でも楽しさを感じられる商品を求めるお客さま」と考えたという。

Z世代に向けた新型スイフトの商品コンセプト

 新型スイフトのターゲットユーザーやコンセプトについて、小堀氏は「自分1人の時間やパートナーと過ごす2人の時間を大切に考え、クルマにも自分らしく過ごせる空間を求めるお客さま、日常的にクルマを使いSNSで気になる場所を見つけたときには、その場所へ出かけ、そこで得た経験や過ごした時間をSNSで発信するお客さま、商品を選択する際にデザインを重視し、自分らしさや個性を表現できるスタイリングに価値を認めて購入するお客さま、このようなお客さまに喜んでいただける商品にしたいと考えました。そのターゲットユーザーに向けた商品コンセプトは、エネルギッシュ×軽やか、日常の移動を遊びに変える、洗練されたスマートコンパクトとしました」と説明した。

 小堀氏は「新型スイフトは、お客さまの日常をわくわくであふれたものに変えられるように、走りとデザインを進化させるだけでなく、日常の移動を楽しめる商品にすることを目標に開発を進めてまいりました。スイフトが作り出す時間が日常の移動を遊びに変える、多くのお客さまに喜んでいただければ幸いです。ぜひ、新型スイフトをよろしくお願いいたします」と締めくくった。

5速MTモデルもラインアップ

 発表会後の質疑応答では、先代スイフトでの販売比率で5%弱という5速MTモデルもラインアップしたことについて言及。小堀氏は「スイフトのお客さまのお話をうかがいに、いろいろな地域に行きました。その中で先代スイフトでも設定してありましたマニュアル車を残してほしいという声が多くありました。それに応えるかたちでマニュアル車の設定を残すことを決めました。ただし、昨今環境性能が大事ということは変わりませんので、今回マニュアル車にはマイルドハイブリッドを標準設定して準備させていただきました」と、話した。

スイフトの年代別構成比