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トーヨータイヤ、SUV&ピックアップトラックEV用オールテレーンタイヤ「オープンカントリーA/T III EV」国内初披露

2023年12月8日 初披露

トーヨータイヤがEV用MTタイヤ「オープンカントリーA/T III EV」国内初披露した

ピックアップトラック&SUVのEVモデル向けオールテレーンタイヤを開発

 TOYO TIRES(トーヨータイヤ)は12月8日、社長記者会見を4年ぶりに実施し、その中でEV向け大口径タイヤのプロトタイプモデル「オープンカントリーA/T III EV」を国内初披露した。

 会見で清水社長は、自動車のEV化が加速していくことが予測されていることにもふれ、「電動化にともないバッテリ重量によって荷重が増し、トルクも高まる車両を支えるには、ダイヤの大径化が必要なため、トーヨータイヤにはアドバンテージがある」と言及。

オープンカントリーA/T III EVを国内初披露した清水社長

 すでに10月31日~11月3日にアメリカのラスベガスで開催された世界最大級のアフターパーツ展示会「SEMAショー」にて、フォードのEVピックアップトラック「F-150ライトニング」にEV向け大口径タイヤのプロトタイプモデル「オープンカントリーA/T III EV」を装着して参考出品したところ大きな反響があったと言う。

オープンカントリーA/T III EVを装着したフォード「F-150ライトニング」

 オープンカントリーA/T III EVは、アメリカ、日本、欧州の「R&Dグローバル3極体制」で開発を重ねてきた製品で、既存の「オープンカントリーA/T III」のオフロード性能とパターンデザインを継承しつつ、オフロードでの力強い走りとオンロードでの操縦安定性、快適性を両立。

 さらに、高トルク、急加速、車重増といったEVの特性に対応した耐摩耗性と耐久性を維持しながらも、独自技術「モビリティ・エアロダイナミクス(空力シミュレーション)」を設計に用いて、サイドウォール部に「エアロウイング」を搭載。タイヤ回転時に生じる空気抵抗の低減を実現したほか、トレッド部には転がり抵抗の低減と耐摩耗性の向上に貢献するコンパウンドを採用したことで、転がり抵抗で23%低減、航続距離は3.9%向上したと言う。

トレッド部には転がり抵抗の低減と耐摩耗性の向上に貢献するコンパウンドを採用。高負荷に耐えられるように設計しているものの、1本あたりの重量は既存のオープンカントリーA/T IIIよりも軽いと言う
サイドウォールに「EV」の文字が入る。スノーフレークマークの要件も満たしている
サイドウォールに空気抵抗低減を図るエアロウイングを搭載したほか、商品文字も従来は凸状で飛び出ていたが、空気抵抗を低減させるために凹状に変更している

 サイズは18インチ~24インチで、まずは北米でフォードの「F-150ライトニング」のアップグレード用タイヤ(サイズはLT275/60R20)として2024年2月に発売予定で、今後はリヴィアンの「R1T/R1S」や、GMCの「ハマーEV」、テスラの「サイバートラック」、シボレー「GMC EV」などへの展開を予定。現状まだ国内販売の予定はない。

オープンカントリーA/T III EVを装着したフォード「F-150ライトニング」
オフロードでの力強い走行とオンロードでの操縦安定性や快適性を両立した