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トヨタ「センチュリー」「アルファード」「ヴェルファイア」にジェイテクトの開発した第2世代RP-EPS搭載

2023年12月21日 発表

第2世代RP-EPS(ラックパラレル式電動パワーステアリング)

 ジェイテクトは12月21日、2016年に量産開始したRP-EPS(ラックパラレル式電動パワーステアリング)を改良し、「第2世代RP-EPS」を開発したと発表した。

 この開発品はトヨタ自動車の新型「センチュリー」「アルファード」「ヴェルファイア」に搭載されており、世界中のユーザーの快適な運転へ貢献していくとした。

 ステアリングシステムとは、自動車の「曲がる」機能を担うもので、マニュアルステアリング・油圧式パワーステアリング(HPS)・電動パワーステアリング(EPS)の3種類に分類される。

EPSの領域

 RP-EPSは2016年12月に花園工場で量産開始され、現在はグローバル生産展開をしている中~大型車に最適なEPS。トルクセンサをピニオン軸に設置し、パワーアシスト用モータの動力をボールねじ機構を介して直接ラック軸へ伝えることで、摩擦による動力損失の軽減と高い操舵性能を実現している。

 第2世代のRP-EPSは、「良質廉価」なモノづくりをコンセプトに、各種部品設計を見直し、小型・軽量化。第1世代比約22%の軽量化を達成し、環境負荷低減に貢献した。

第1世代と第2世代の重量比較

 アルミハウジングは、リブを最適配置して強度を落とすことなく薄肉軽量化。減速機構造のプーリの小型化と樹脂化による軽量化、ラック小径化も行なわれている。

アルミハウジングリブ配置比較
減速機構造比較

 また、原価低減、将来の労働力不足に備え、製造ラインの自働化による省人化を進めており、花園工場の開発品生産ラインでは自働外観検査や組み立てロボットなどを導入することで、加工ラインにおける無人化と組み立てラインにおける80%の省人化を達成したとしている。

無停止撮影による高速自働外観検査(赤枠部分)
複数の部品をボルトで締結するロボットアーム
花園工場RP-EPS生産ラインにおける省人化実績

 今後、ジェイテクトはステアリングシステムのパイオニアとして、走行性や安全性の向上、環境性向上に貢献するステアリングシステムの開発を進めるとともに、駆動製品も含めた多様な自動車向けの製品・サービスの技術力を高め、次世代の自動車技術に貢献できるNo.1&Only One のシステムサプライヤーとして、新たな価値を提案していくとした。加えて、生産ラインにおける工程集約や廃止はもちろんのこと、AIなどのデジタル技術も活用し、組み立て、検査などの自動化を進め、大幅に効率化した革新ラインをグローバルに展開していく予定としている。