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ジェイテクト、FCEV向け「高圧水素供給バルブ」「高圧水素減圧弁」 高流量かつ高信頼性で商用車に対応

2023年9月13日 発表

第3世代高圧水素供給バルブ

 ジェイテクトは9月13日、カーボンニュートラル達成に向けて注目を集める水素社会への貢献を目指し、今後展開が期待される商用車向けに高流量・高信頼性対応となるFCEV(燃料電池自動車)用「高圧水素供給バルブ」「高圧水素減圧弁」を開発したと発表した。

 今回、20年以上の技術開発および、2世代にわたる市販車への世界トップレベルの量産実績(2022年12月末時点)を通じて培った同社FC製品の小型軽量・高信頼性といった強みを活かし、水素社会の拡大を見据え、商用車向けに高流量対応となる第3世代の開発に至ったとしている。

第3世代高圧水素減圧弁

 ジェイテクトが手掛ける高圧水素用供給バルブと減圧弁は、FCEVの高圧水素貯蔵システムに搭載されており、高圧水素システムの肝となる基盤技術。高圧水素供給バルブは高圧水素が貯蔵されているタンクに装着され、高圧水素を適正量で供給する製品で、異常時や火災時に供給停止する安全機能を備えている。高圧水素減圧弁はバルブから供給された高圧水素を燃料電池スタックで必要な圧力に調整(減圧)する製品となる。

高圧水素供給バルブと高圧水素減圧弁の搭載箇所イメージ

 今回開発された製品は、高圧水素供給バルブのIN/OUTポートを共通1ポート化し、部品点数削減と小型・軽量化を実現したことでシステム簡素化にも貢献。また、高圧水素供給バルブは従来品比200%、高圧水素減圧弁は従来品比130%の水素供給流量を実現し、乗用車より多量の水素を消費する商用車のFCEV化に貢献した。

 さらに、高圧水素供給バルブの水素ガス流路拡大で、水素充填時間を短縮したほか、ジェイテクトが長年培ってきた高信頼性をさらに高くし、製品寿命を向上。商用車に求められる長時間使用に対応した。

 今後、乗用車向けのみならず商用車、建機、鉄道、船舶といった大型モビリティ領域をはじめ、普及が期待されるドローンへの活用など、さまざまなシーン・ニーズに合わせた提案によって、「ジェイテクトの基本理念」の最上位に掲げる「地球のため、世の中のため、お客さまのため」を実践し、カーボンニュートラルや循環型社会の実現につながる、水素社会の発展に貢献していくとしている。