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ジェイテクト、世界最速レベルdmn200万の高回転速度に対応する超幅狭ベアリング「JUCB」の開発にMBDを活用
2023年1月17日 17:59
- 2023年1月16日 発表
ジェイテクトは1月16日、昨年発表した電動化対応ソリューションの1つである、超幅狭軸受「JTEKT Ultra Compact Bearing（JUCB）」の開発において、MBD（モデルベース開発）を取り入れ活用したことを発表した。
JUCBの開発では、モデルを製作し、そのモデルをベースにシミュレーション技術を利用しながら、開発期間の飛躍的な短縮と製品品質を向上させる効率的な開発手法MBD（Model Based Development）を活用することで、軸受の幅寸法を極限までコンパクト化することに成功。その結果、同軸タイプや3軸タイプeAxleユニットの小型化・軽量化に貢献できるようになったほか、世界最速レベルとなるdmn（ベアリングの回転性能を表す値：ピッチ円直径mm×回転速度min -1 ）200万の高回転速度対応も実現したという。
これまで標準サイズの軸受では、片持ち形状の冠形保持器を採用していたが、コンパクト化の観点では構造上の限界があったといい、JUCBでは2016年9月に発表した合わせタイプ保持器のノウハウを活用することでとで、その課題を解決。
また、高速回転で軸受を使用する場合、大きな遠心力や玉の進み遅れによる影響で、保持器の破損や軸受内部の急激な温度上昇が懸念されることから、ジェイテクトではMBD技術によって高速回転中における軸受内部の負荷状態と温度分布を予測し、耐久性を担保しながら昇温を抑制できるバランス設計を実現した。
JUCBでは、従来の標準サイズ軸受の冠形保持器に対して合わせタイプにすることによって、非常に小さな断面積ながら遠心力による保持器の変形を抑制することが可能となり、保持器と他部品との接触による発熱量を従来比で80％削減できることを確認。
さらには、これまで高速回転用軸受の保持器には、剛性や耐熱性、耐久性に優れる高価な樹脂材料を採用する必要があったが、開発品では保持器材料の変更を行なうことなく、省スペース化と高速化を両立できることに目途をつけられたという。
実際に軸受を高速回転させる評価試験においてJUCBは、標準サイズ軸受よりも高速回転時の温度上昇を抑制でき、世界最速レベルのdmn200万の高速性能を達成。この結果によりJUCBは、「eAxle」をはじめとした幅広い駆動ユニットの小型化や軽量化への貢献が期待される。
今後はJUCBだけでなく、発表済みのJTEKT Ultra Compact Diff.（JUCD）やJTEKT Ultra Compact Seal（JUCS）といった、ジェイテクトグループが有する技術でシナジーを生み出し、顧客に電動化貢献技術を提案するとしていて、BEV電動駆動システムで特に需要拡大が予測される出力150Kwの同軸タイプeAxleに上述3製品を適用した場合、eAxleのユニット長を約50mm短縮、重量を約5kg低減できると算出していて、eAxleの幅寸法短縮をはじめ、前後寸法や高さ寸法の短縮、それらに伴う小型化・軽量化に貢献することが期待できるという。
引き続きジェイテクトはグループを挙げて、eAxleの一層の小型化・軽量化に寄与し、バッテリ搭載量拡大によるよるBEV航続距離向上はもとより、eAxle搭載位置の自由度拡大、車室や荷室空間の確保、車両シルエットの自由度拡大、電費向上など、BEVにおける嬉しさ追求に貢献するとしている。