ジェイテクト、新ステアリング制御システム「ペアドライバー」 協調操舵で安全運転実現

ジェイテクトが新たなステアリング制御システム「ペアドライバー」を開発した

　ジェイテクトは10月4日、クルマの操舵タスクを運転者とシステムが共有することで安全運転を実現する新たなステアリング制御システム「Pairdriver（ペアドライバー）」を発表した。

　自動運転においては、運転自動化なしの「レベル0」～高度運転自動化の「レベル4」まで、あらゆるレベルにおいて人と自動化システムの調和が重要なテーマとなっていて、安全安心のためにはレーントレース性能など、人にとって違和感や誤解のない操舵性能が求められているという。

　そこでジェイテクトは、これまで培ってきたEPS（電動パワーステアリング）センサー技術や制御技術を応用・発展させ、EPSを介して自動運転システムと運転者の「意思」をつなげるシステム「ペアドライバー」を考案した。

人とシステムの協調操舵を実現するペアドライバー

　ペアドライバーは、運転者の入力トルク（ハンドル操作）などの情報と、車内外に取り付けたセンサーによって検知・解析された車両運動を統合し、その「システムの意思」をハンドルの振動や反力を通じて運転者に伝えるもので、システムによるレーントレース性を確保しながら、運転者による操舵の継ぎ目のない協調操舵を可能としたもの。

ペアドライバーのシステムイメージ

　具体的には、自動運転走行中にシステムが運転者の操舵を検知すると、操舵補助を伴いながらスムーズに運転者の操舵意思を反映し、システムと運転者の意思を同調させながら車両の操舵を実行。高度なセンシング技術と制御技術により、スイッチの操作など明確な切り替え動作不要で、安全で快適な運転を楽しむことができるという。

　このペアドライバーのシステム構成は、完成車メーカーやサプライヤーの統合制御システムとの親和性が高く、その特徴を生かして自動運転領域における多様なニーズに柔軟かつ迅速に対応するとともに運転者の安全・安心に貢献することから、ジェイテクトは今後、国内外の自動車メーカーに対し、既存のステアリングシステムと合わせてペアドライバーを提案し、「人とシステムとの直感的なコミュニケーション」による運転アシストによって、今までにない安全・安心を提供する運転環境を実現するとしている。

ペアドライバーのロゴマークは「人とシステム、2つのドライバーが対等な関係で協力し合うこと」を意味していて、システムに依存するだけの自動運転ではなく、人とシステムが調和し、手を取り合うことで生まれる安心感や協調性を表現しているという