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ポルシェ、フル電動の新型「マカン」を1月25日発表 航続距離は全バリエーションで500km以上

2024年1月25日(現地時間) 公開

新型マカン(プロトタイプ)

 ポルシェAGは、1月25日(現地時間)にフル電動化された新型「マカン」のワールドプレミアをシンガポールで行なう。

 第2世代となる新型マカンは、新プラットフォーム「PPE(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)」を用いたポルシェ初のモデル。タイカンと同様に800Vアーキテクチャーを備えたフル電動モデルとなり、総容量100kWhのリチウムイオンバッテリをフロア下に搭載。最大270kWの急速充電が可能としており、新型マカンの全バリエーションでWLTPによる航続距離は500km以上になるという。

 また、オーバーヒートしにくく、出力を継続的に維持できるという永久磁石シンクロナスモーター(PSM)と呼ばれる電気モーターを搭載し、オーバーブースト時の出力は450kW以上を発生。さらにトップモデルでは最大トルク1000Nm以上を誇るとした。

 加えて可変式のリアスポイラーや流線型のホイールなどを用い、SUVながらCd値は0.25を実現しているのが特徴となっている。

新型マカン(プロトタイプ)
新型マカンのイラストスケッチ

 新型マカンのワールドプレミアを目前に控え、チーフデザイナーのミヒャエル・マウアー氏は「新しいマカンは、既存の確立された製品アイデンティティを出発点として電動化することになった初のモデルです。新しくスポーツカーを発表する場合は、それがポルシェの製品ファミリーの一員であること、そして同じモデルであることが明らかに識別可能でなければなりませんが、同時に『ニューモデル』だと認識できる必要があります」とコメント。

 また、内燃エンジンからフル電動パワートレーンへの切り替えは、ポルシェチームに新しい可能性をもたらすと同時に課題も突きつけたといい、「車の技術的要件は、つねに絶対的な基礎となります。これは、パッケージング、つまり車の各種コンポーネントを配置するプロセスにおいて、最初の段階で検討されます。基本的なプロポーションを適正なものにするためには、パッケージングが重要です。クラシックなポルシェのフライラインは、どのような配置でも実現できるわけではありません」「かさばるエンジンブロックを取り除くことで、ボンネットの特徴的な形を高めることが可能になります。しかし同時に、バッテリーはかなり大きなコンポーネントですから、大きなスペースが必要となり、幅と高さの決定的な比率が乱される可能性があります。また、もちろんエアロダイナミクスも、電気スポーツカーの航続距離に大きな影響を及ぼします」と述べている。

 加えてポルシェでは一般に内燃エンジン搭載のスポーツカーとフル電動化モデルを完全には区別しないことにしているとし、「ポルシェはポルシェであることに変わりはありません。電気自動車のポルシェも、そのセグメントでのスポーツカーです。こうした観点からすると、定評あるポルシェのデザインDNAを放棄する必要がないのは当然です」「新型マカンも、ひと目見ただけでポルシェであり、明らかにマカンです。プロポーションは、このセグメントのスポーツカーがポルシェにとって意味するものを決定づけているものですので、基本的には変更しませんでした。インテリアでもエクステリアでも、デザインはいっそう洗練されており、ニューモデルではさらにスポーティでダイナミックな雰囲気となっています」と、その特徴について語っている。

チーフデザイナーのミヒャエル・マウアー氏