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ダイハツ、働くクルマであるトヨタ「プロボックス」とマツダ「ファミリア バン」について国交省の許可と「お客さまの要望に応えて生産再開」

ダイハツ工業株式会社

トヨタ「プロボックス」、マツダ「ファミリア バン」生産再開

 ダイハツ工業は1月31日、同社で生産するトヨタ「プロボックス」とマツダ「ファミリア バン」について生産・出荷の再開を決定した。この生産再開についてダイハツ工業 営業CS本部長 武田裕介取締役、コーポレート統括本部 統括部長 井出慶太氏、広報室長 近藤文彦氏が報道対応を行なった。

 京都(大山崎)工場で生産しているプロボックス、ファミリア バンについては2月12日から生産再開し、未出荷車両の出荷は2月5日から再開。輸送状況によるものの、最速では2月5日以降から順次販売店に納品され、販売のための登録作業などが行なわれるという。具体的な納車日はお客さまとの調整になるが、トヨタの販売店につながるお客さま、マツダの販売店につながるお客さまの要望に応えて行なっていくことになる。ダイハツとしては、プロボックス、ファミリア バンについては、働くクルマであるため一刻も早く手に入れたいというユーザーの要望に応えたことになる。

生産再開を行なう車種について

 一方、国交省から生産再開が許可されたダイハツ・ミライース、ハイゼット トラック、ハイゼット カーゴ、アトレーなど10車種については、2024年2月19日以降の稼働について調査中となる。これらはお客さまの声、仕入先の準備状況などを踏まえ、総合的に判断するとしており、ダイハツ九州株式会社 大分(中津)第1工場/第2工場で生産再開していくことになる。

 ダイハツが不正を行なったのは、開発・認証の段階になり、生産については認証で不正を行なっていことから止まっていた。それが、今回国交省の立会試験などの結果から生産を許可され、とくにプロボックス、ファミリア バンについてはユーザーの商業的な仕事や、ライフラインにもつながる商業車であることから生産を12日から再開する。

トヨタグループビジョン「次の道を発明しよう」について

 開発・認証についての再発防止策の具体的な発表、体制発表の変更についてはこれからとなるが、1月30日には、トヨタ自動車 代表取締役会長である豊田章男氏からトヨタグループビジョン「次の道を発明しよう」が発表された。

 このグループビジョンの受け止めについて、ダイハツ工業 営業CS本部長 武田裕介取締役に聞いたところ、「まだまだ武田個人のことになってしまうかもしれませんが、あれを聞きまして私は心に染みました。創業の原点に立ち戻って現場から未来に向かう覚悟を持ったということだと思います。ダイハツ再生に向けたエネルギーが私の中で満ちあふれる思いでありました。そういったことを含めて、私はグループの中で、グループはチームなものですから、グループのチームとしてお客さまのためにいいクルマを作って、ダイハツの使命、お客さまに寄り添って暮らしを豊かにするということが使命だと思っています。これをしっかりと果たしていきたいと心に刻みました。まだ聞いたばかりで、武田の中の反応ですけれども、その思いです」と答えていただいた。

 マスタードライバーの使命についても豊田会長から要望はあったが、このマスタードライバーについても現在会社の中で議論している状態であるとのこと。

 国交相の許可によって不正のなかった生産については再開したものの、不正問題を起こした開発・認証の体制変更についてはこれから。また、トヨタグループビジョンの落とし込みについても始まったばかりになる。ダイハツが本当に再生できるかどうか、ユーザーの信頼を再度取り戻せるかという取り組みは、2月から本格的に始まっていくことになる。