ニュース

アウディ、フラグシップSUV「Q7」にクリアなデザインと最新のテクノロジーを採用するアップグレード

2024年1月30日(現地時間) 発表

ファミリーSUVのフラグシップモデル「Q7」をアップグレード

欧州仕様はV6とV8エンジン搭載モデルをラインアップ

 アウディは1月30日(現地時間)、ファミリーSUVのフラグシップ「Q7」のアップグレードを発表。クリアなデザインと最新のテクノロジーを採用するとともに、新しいデザインのホイール、ボディカラー、インテリアの装飾インレイ、コントラストステッチが施されたシートにより、さらに高いレベルのカスタマイズの可能性がもたらされたとした。

 アウディ初のSUVモデルとなるQ7は、2003年の北米国際モーターショーに展示された「Audi Pikes Peak quattroコンセプトモデル」から始まり、第1世代のQ7は2005年のフランクフルトモーターショー(IAA)で一般公開され、2006年の生産開始から2015年の生産終了までに、55万人以上のユーザーに選ばれてきたという。

 2015年にはオールホイールステリングシステムを搭載した第2世代のQ7が登場し、2019年には最初のアップグレードが行なわれた。今回の2回目となる全面的なアップグレートにより、新しいQ7の堅牢でエレガントなデザインがさらに強化された。

新しいQ7

 新しいQ7の新しいフロントセクションとリアセクションを備えた新鮮なエクステリアデザインは、SUVとしての力強いキャラクターを強調すると同時に、ファーストクラスの居住性、さまざまな用途への対応、最大7名の乗員のために広々としたスペースを提供。Q7として初めて採用されたレーザーハイビーム付きHDマトリクスLEDヘッドライトには、デジタルデイタイムランニングライト シグネチャーが新たに追加され、MMI上でライトシグネチャーを4種類から選択できるようになった。初めてQ7にオプション設定されるデジタルOLED(有機EL)リアライトも、4種類のデジタルライトシグネチャーが選択可能となっている。

 さらに、「A8」「Q8」「Q5」と同様に、デジタルOLEDリアライトには、アシスタンスシステムと連動した近接表示機能を採用。ほかの走行車両が停止しているQ7の後方2m以内に近づくと、コントロールユニットによりすべてのデジタルOLEDセグメントが自動的に点灯する。追加機能には、ダイナミックターンインジケーターや、ユーザーが選択したデジタルライトシグネチャーに対応する、さまざまなカミングホームおよびリービングホームシーケンスが含まれるとのこと。

 インテリアでは、ベースモデルのシートトリムのステッチにコントラストカラーのグレーを採用するとともに、装飾インレイは9種類から選択可能。ベースモデルの装飾インレイにはナチュラルエルム バールシルバーが、Q7 S line スポーツパッケージとSQ7 TFSIの装飾インレイには、シルバーのリニアエンボス加工を施したマットブラッシュアルミニウムとマットカーボンツイルが新たに設定された。

新しいQ7のインテリア

 Q7には5人乗りバージョンと7人乗りバージョンが設定され、どちらも前席・後席ともに十分な室内長、ヘッドルーム、エルボールームを備えており、ファーストクラスのインテリアと明るく広々とした雰囲気を提供する。5人乗りバージョンのラゲッジコンパートメント容量は、リアシートの位置に応じて867L(背もたれを上げた状態)から1993L(背もたれを折りたたんだ状態)を確保。テールゲートには電気モーターが標準装備されており、オプションとしてテールゲート開閉時に足の動きで反応するジェスチャーコントロールも備えている。オプションのリアシートプラスも提供しており、この機能を装備すると3つのリアシートすべての長さと背もたれの角度を個別に調整できるようになり、チャイルドシート3台分に十分なスペースを確保し、3列目には左右の電動折りたたみシートが装備される。

 そのほかにもQ7をさらにカスタマイズできる3種類の新しい仕様も用意されるとともに、インテリアの仕上げだけでなく、多彩なホイールも用意。ホイールサイズは20インチ~22インチで、5種類の新しいホイールデザインから選択でき、21インチ以上のホイールには、ブラックメタリック、光沢のあるブラックインレイを備えたグレーシルクマット、またはダイヤモンドカットのグロスブラックメタリックが用意されている。

 また、アップデートにより今回初めてQ7にSpotifyやAmazon musicなどサードパーティのアプリが搭載され、直接使用できるようになった。ソフトウェアは定期的にアップデートされ、アプリの種類を継続的に増やし、インフォテインメント システムのパーソナライズ化をさらに進化するとした。

 ドライバーアシスタンステムに関しては、特に車両周囲の状況を表示する機能がアップグレードされ、特にアウディバーチャルコクピットは、車線変更警告、ほかの走行車両(トラック、乗用車、モーターサイクル)との距離警告、交差点アシスト、信号器情報を、フルHD品質によりオンラインで表示される。

 アプリストアと新しいサラウンディングディスプレイに加えて、Q7の標準装備も拡充され、V6エンジン搭載モデルには、19インチ アロイホイール、アルミニウムルーフレール付きのグロスパッケージ、パーキングアシストプラス付きリアビューカメラ、ハイビームアシストを標準装備。そのほかに、コンフォートセンターアームレスト、アプリストアを統合したスマートフォンインターフェイス、アウディフォンボックスなどの機能も用意される。

 パワートレーンラインアップは、最高出力170kW(231PS)、1500-3000rpmの回転域で最大トルク500Nmを発生する3.0リッターディーゼルエンジンを搭載し、最高速は226km/hを誇る「Q7 45 TDI quattro」から始まり、最高出力210kW(286PS)、最大トルク600Nmを発生し、0-100km/h加速6.1秒、最高速241km/hを誇る「Q7 50 TDI quattro」が続いていく。

 Audi Q7 55 TFSIは、最高出力250kW(340PS)、最大トルク500Nm/1370-4500rpmを発生するV型6気筒3.0リッター直噴ターボガソリンエンジンを搭載。0-100km/h加速は5.6秒、最高速は250km/hで電子的に制限されている。

 欧州仕様のQ7のパワートレーンすべてにおいて、トランスミッションには8速ティプトロニックを組み合わせ、駆動方式はquattroフルタイム4輪駆動、マイルドハイブリッドシステムが搭載されている。

 マイルドハイブリッドシステムの主なコンポーネントは、リチウムイオンバッテリーと48V主電源システムに電力を供給するベルト駆動式オルタネータースターター(BAS)で、Q7は55~160km/hの範囲で走行中にドライバーがアクセルから足を離すと、エンジンを休止して最長40秒間コースティング(惰性走行)し、コースティング中にブレーキをかけると、BASは6気筒エンジンを素早く再始動する。また、アイドリングストップ機能は22km/h以下で作動。このマイルドハイブリッドシステムにより、100km走行あたり最大0.5L燃費が改善するとしている。

 加えて、最高出力373kW(507PS)、最大トルク770Nmを発生する4.0 TFSIを搭載する「SQ7 TFSI」もラインアップ。このエンジンには、素早いシフトを特徴とする8速ティプトロニックとquattroフルタイム4輪駆動システムが組み合わされている。このエンジンを搭載したSQ7 TFSIは、0-100km/h加速4.1秒のパフォーマンスを誇り、最高速は250km/hに電子的に制限されている。低中負荷状態(160~250Nmおよび、最大トルク要件145Nm/950-2500rpm)では、上位ギヤ選択時にシリンダーオンデマンドシステムが燃料噴射と点火を止め、吸気バルブと排気バルブを閉じることによって、2番、3番、5番、8番のシリンダーを休止。この切り替えプロセスにかかる時間はわずか数ミリ秒で、ドライバーが気付くことはほとんどないという。4気筒モードでは、高まる負荷に対応するよう、アクティブなシリンダーのバルブ作動ポイントが変更され、熱効率が向上。その一方で、休止したシリンダーはほとんどパワーの損失を発生することなく、ガススプリングのように作動を続け、ドライバーがアクセルペダルを踏むと休止したシリンダーが直ちに再起動するとのこと。

 SQ7 TFSIは、20インチホイールと285/45タイヤを標準装備し、オプションで21インチや22インチホイールを選択することもできる。フロントブレーキディスクの直径は400mm、リアブレーキディスクの直径は350mmで、ブラックのブレーキキャリパーには、フロントにAudiのSモデルであることを象徴するSロゴが装着され、オプションでレッドキャリパーも選択可能となっている。

SQ7 TFSI