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WRCマシンが苗場スキー場のゲレンデを激走、2月17日夜に本番開催

苗場スキー場のゲレンデに登場したヤリスWRC。後方に見えるのは苗場プリンスホテル

ヤリスWRC、苗場スキー場で衝撃のデモラン

 TOYOTA GAZOO Racingは2月17日、WRCマシンであるヤリスWRCが苗場スキー場(新潟県南魚沼郡湯沢町三国)を激走するデモランイベントを開催する。このデモランイベントはナイター営業終了後の17日20時45分に3号館前の第4ゲレンデ南側で実施。前日となる16日夜にはリハーサルのためのテストランが行なわれた。

 2024年シーズンのTOYOTA GAZOO Racingは、WRC(世界ラリー選手権)を最新のレギュレーションに対応するハイブリッド機構を組み込んだGRヤリス ラリー1ハイブリッドで戦っている。今回デモランに使われるヤリスWRCは、それ以前の規定に対応したトップクラスのWRCマシン。トヨタが2017年にWRC復帰後、チャンピオンをもたらしたマシンでもある。

WRCマシンが苗場スキー場のゲレンデを激走(テストラン風景)

 TGRは今回、そのマシンを特別に苗場スキー場に持ち込みデモラン。多くのスキー・スノーボード客の前で、現代のWRCマシンの迫力を味わってもらおうというものだ。

 16日夜のテストランでは、2台のスノーモービルに先導されてヤリスWRCが登場。ドライバーは、なんと全日本ラリー選手権を9度制覇した勝田範彦選手と、ラリーマシンの開発に携わるトヨタ自動車 凄腕技能養成部 豊岡悟志氏の2人。豊岡氏が雪面の状態を確認するテストランやマシンチェックを行なった後、勝田選手が17日夜のデモランを想定してテストラン。

 レーシングマシン特有の乾いた排気音を上げながら、最大斜度14.22度、平均斜度9.34度のゲレンデを縦横無尽に走り回った。

ゲレンデとヤリスWRC。後方に見えるのは第5高速リフト
ヤリスWRCが装着するのはラリースパイクタイヤ。勝田選手によると、6mm~7mmのセッティングだという
ヤリスWRCのコクピット。シンプルなメーターが取り付けられている

 記者はこの勝田選手のテストランに同乗したのだが、漆黒の闇の中をヤリスWRCのヘッドライトで照らされた斜面をものすごい勢いで駆け上がっていく。あまりに勢いよく駆け上がりすぎたためか、圧雪域を超えふかふかの雪面へと突入。勝田選手は「やべ、やべ」と激しいステアリング操作で立て直し、今度はウェーデルンのようなショートターンで斜面をヤリスWRCの排気音とともに駆け下りていく。

WRCマシンが苗場スキー場のゲレンデを激走(テストラン、コクピットからの同乗映像)

 そして、3号館前の広場で雪煙を巻き上げつつ激しくターン。17日夜の本番に向け、さまざまな確認を行なっていたようだ。

 世界トップクラスのラリーマシンが苗場スキー場を激走するのは迫力満点。気温も零下に冷え込んでいるためか、雪煙はダイヤモンドダストのごとく3号館前の広場に降り注ぐ。本番での走りが楽しみなテストランだった。

 17日20時45分からのデモランも日本有数のラリードライバーである勝田選手がドライビングを担当予定。デモラン開始時刻も遅いため、ほかのスキー場帰りに苗場に立ち寄ってナイターをこなし、デモランを見て帰るのもありだろう。貴重な機会を体験していただきたい。

 ちなみにTOYOTA GAZOO Racingは、現在WRC第2戦ラリー・スウェーデンを戦っており、勝田貴元選手はデイ2 SS8終了時点で2位と上位争いを展開。パパは苗場スキー場で雪の路面をデモラン、息子はWRCラリー・スウェーデンで雪の路面をハイスピードで駆け抜けている。