ニュース

メルセデス・ベンツ、680PSの新型プラグインハイブリッド「メルセデス AMG GLC 63 S E パフォーマンス」

2024年2月15日 発売

1780万円

GLCのスポーツモデル「メルセデス AMG GLC 63 S E PERFORMANCE」

 メルセデス・ベンツ日本は2月15日、「GLC」のスポーツモデル「メルセデス AMG GLC 63 S E PERFORMANCE」(以下、GLC 63 S E)を発売した。価格は1780万円。

 今回追加されたGLC 63 S Eは、エクステリアではハイグロスクロームの縦ルーバーを備えたAMG専用フロントグリル、フロントスポイラーリップを採用するなどアグレッシブな表情を形成。サイドでは標準のGLCから全長を30mm伸長し、フロントフェンダーにGLC 63 S E専用の「TURBO E PERFORMANCE」サイドエンブレムが入り、21インチAMGアルミホイールを採用。

 また、ホイールアーチは先代モデルのブラックからボディ同色になり、都会的なエクステリアを演出した。リアエンドにはパフォーマンスハイブリッドを示す赤く縁取られた「GLC 63 S」のエンブレム、ボディ同色のAMGスポイラーリップ、マットブラックのコントラストが特徴的なリアエプロン、2つの台形のデュアルテールパイプが与えられた。

 インテリアではダッシュボードを上下2つに分け、上部は翼のような形状に航空機エンジンのナセルを想わせる丸みをつけたやや横長の新デザインの角型エアアウトレットが配置され、さらにARTICOの表皮を施すことによってスポーティで上質なインテリアを演出。下部には大きなインテリアトリムがあしらわれ、センターコンソールからダッシュボードへと途切れなく続くデザインとした。

 また、ドライバーを重視することでスポーツ感を強調すべく、ダッシュボードと縦型の11.9インチのメディアディスプレイをドライバー側に6度傾けたデザインを採用。運転席に備わる12.3インチの大型コックピットディスプレイは、自立型でダッシュボード上部と大きなインテリアトリムの手前に浮かんでいるように見える仕様となっている。コクピットディスプレイとメディアディスプレイは5つのスタイル(ジェントル、スポーティ、クラシック、Supersport、Offroad)と3つのモード(ナビゲーション、アシスト、サービス)の中から選択するカスタマイズも可能。

 シートはサポート性に優れ、サーキットでのスポーツ走行時でも安定したドライビングポジションを維持できる一方で、長時間のドライビングでも疲れにくい快適性も兼ね備えたAMG専用ナッパレザースポーツシートを標準装備。ホールド性を高め、電動調整機能を備えたAMGパフォーマンスシートもオプションとして用意される。

 一方、プラグインハイブリッドとなるGLC 63 S Eの駆動システムは、直列4気筒2.0リッターターボエンジンに交流同期モーターとAMG自社開発の高性能バッテリ(6.1kWh)、それにAMGのパフォーマンス志向連続トルク可変配分四輪駆動システムの4MATIC+を組み合わせたもの。エンジンと電気モーターの組み合わせによりシステム出力は500kW(680PS)、最大システムトルクは1020Nm(数値は欧州仕様)を発生し、0-100km/h加速は3.5秒とした。

 エンジン単体では最高出力350kW(476PS)、最大トルク545Nmを発生。このM139型エンジンにはF1由来の技術となるエレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーを採用する。エレクトリック・エグゾースガス・ターボチャージャーの電気モーターは厚さ約4cmで排気側のタービンホイールと吸気側のコンプレッサーホイールの間のターボチャージャーの軸に直接一体化されており、このモーターが電子制御でターボチャージャーの軸を直接駆動し、コンプレッサーホイールを加速する。この加速はコンプレッサーホイールが通常のターボチャージャーと同じく、排気の流れによって駆動されるようになるまで行なわれるという。

 これにより、アイドリングスピードから全エンジン回転域にわたってレスポンスの速さが大きく改善されるといい、アクセル操作に対するエンジンのレスポンスがいっそう自然なものとなるほか、ダイナミックな走りが楽しめるようになるとのこと。これに加え、ターボチャージャーの電動化は低回転域のトルクを高める効果をもたらし、アジリティや発進加速性能の向上につながるとした。アクセルから足を離したり、ブレーキを踏んだりした場合でも、エレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーは常にブースト圧を維持することができるため、速やかなレスポンスが途切れることなく得られるという。

 定格出力80kW、ピーク出力150kW(最大10秒間)の交流同期モーターはリアアクスルに搭載され、電動シフト式2速トランスミッションおよび電子制御式リミテッド・スリップ・デフとともにコンパクトなエレクトリックドライブユニット(EDU)にまとめられ、P3ハイブリッド(変速機内あるいは変速機よりも下流に電気モーターを置く)と呼ばれるレイアウトを採用。

 AMGダイナミックセレクトでは「Electric(電動)」「Comfort」「Battery(バッテリーホールド)」「Sport」「Sport+」「Race」「Slippery(滑りやすい)」「Individual」の8つのモードを用意し、新しい駆動技術に合わせて精密な設定が施され、GLC 63 S Eの特性を効率重視からダイナミックなものまで広い範囲にわたって変化させることが可能。ドライブモードによって駆動システムとトランスミッションのレスポンス、ステアリング特性、サスペンションの減衰特性、サウンドなど、主要なパラメーターが変更される。

 また、搭載されるAMGハイパフォーマンスバッテリ(HPB)の開発は、メルセデス AMG ペトロナスF1チームが使用しているF1ハイブリッドレーシングマシンの苛酷な条件下で実証済みの先進テクノロジーを元に進められ、高出力を頻繁に繰り返し発生できる能力と軽量構造とを兼ね備えることで、クルマの総合的なパフォーマンスを高めたという。さらに充電速度が速いことと出力密度が高いことも特徴として挙げており、これによってアップダウンのあるワインディングを高速走行する場面などでは、上りでただちに100%のパワーを引き出すことができる一方、下りでは強力な回生ブレーキを実現した。バッテリ容量は6.1kWhで、定格出力80kW、最高出力150kW(10秒間)を発揮する。このバッテリは航続距離を最大化することより、速やかな放電と充電を行なえることを重点に設計されたものとなるが、EV走行可能距離も16kmを確保する。