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メルセデス・ベンツ新型「GLC」 質感やオフロード性能を高めて価格は820万円

2023年3月16日 発表

820万円

新型GLC

 メルセデス・ベンツ日本は3月16日、プレミアムミドルサイズSUVの新型「GLC」を発表し、予約注文受付を開始した。価格は820万円で、右ハンドル仕様。納車は3月下旬頃より順次予定。

 GLCは2015年にデビューし、2020年と2021年にメルセデス・ベンツの中でベストセラーとなったプレミアムミドルサイズSUVモデルで、全世界での累計販売台数は260万台を誇るという。今回登場した新型GLCは、伸びやかで美しいシルエットの中にスポーティかつ洗練された要素を取り入れたエクステリアと、リアルウッドインテリアトリムを採用した質感の高いインテリアを併せ持つSUVモデルとして生まれ変わった。

 また、ダイナミックなドライビング特性、サポートの精度を高めた安全運転支援システム、縦型の大型メディアディスプレイを搭載。このメディアディスプレイには、MBUX(Mercedes Benz User Experience)全体の中から、走行に合わせて変化するコンテンツをユーザーのために取り出し、関連するサービスとともにMBUX情報アーキテクチャーに表示する「ゼロレイヤーデザイン」が採用され、直感的な操作設定を可能としている。

 さらに、直感的な行き先案内が可能な「ARナビゲーション」、片側130万画素を誇る「DIGITALライト」による効果的な夜間の視界確保や、良好な取りまわしと優れたハンドリングを実現する「リア・アクスルステアリング」など、フラグシップモデルであるSクラス譲りの最新技術を多数採用。中でもメディアディスプレイにクルマのフロント部分下方の路面の映像を映し出す「トランスペアレントボンネット」や、車両の傾き、路面の勾配などをディスプレイに表示する「オフロードスクリーン」を標準装備することでオフロード性能の向上も図られている。

内外装の特徴

 エクステリアは、メルセデスのデザイン基本思想である「センシュアル・ピュリティ(官能的純粋)」を継承し、ひと目でメルセデス・ベンツSUVファミリーの一員であることが分かるとともに、ほかのモデル同様「Intelligence(知性)」と「Emotion(感情)」を感じさせる仕上がりとなっている。

フロントビュー

 全幅は先代モデルと同じ1890mmのままで、ホイールベースを15mm、全長を50mm伸長し、伸びやかでスポーティなシルエットを実現。フロントまわりは、標準仕様ではフロントグリル周囲を縁取るクロームトリムとアンダーガード調のワイドなクロームトリムによって、フロントマスクを上質かつスタイリッシュに引き締めている。

 AMGライン仕様では、斬新なスターパターングリルを採用し、立体的に配されたスリーポインテッドスターが先進的な表情を生み出しつつ、大胆な開口部を備えたアグレッシブなフロントバンパーとともに、精悍なフロントマスクを形成。また、フロントグリルと連続したスリムなヘッドライトや、より精悍さを増した最新デザインのフロントバンパーがワイド感を強調し、圧倒的な存在感と独特なプロポーションとした。

サイドビュー

 サイドデザインも「センシュアル・ピュリティ(官能的純粋)」に基づき、ラインやエッジを大幅に削減。曲線を描く彫刻的な面により陰影を生み出したことで、よりプロポーションを強調するとともに、たくましいホイールアーチにアクセントを付与している。Dピラーに向けて緩やかに上昇するウィンドウラインで、スポーティな躍動感を表現した。

 ヘッドライトとリアコンビネーションランプからそれぞれ伸びる前後のホイールアーチ上のライン、前後ドアパネル下部を貫くライン、これら3本のラインが伸びやかなサイドの曲面に絶妙なエッジを加えることで、力強く表情豊かなボディデザインを両立している。

リアビュー

 リアデザインは、力強く張り出したフェンダーと水平基調のリアバンパー、ツーピース構造で内部に立体感があるスリムな新型リアコンビネーションランプによって、リアエンドをよりワイドでシャープに見せるデザインを採用。リアバンパーにもクロームのアンダーガード風のデザインを取り込むことで、クロームトリムが左右のエグゾーストエンドと一体化した力強い造形となり、リアエンドに新型GLCのだけの個性を付与している。また、Cd値(空気抵抗値)は0.29と、高水準のエアロダイナミクスを実現し、省燃費性能も追求している。

フロント席

 ダッシュボードは上下2つに分割され、上部は翼のような形状に、航空機エンジンのナセルを思わせる丸みをつけたやや横長の新デザインの「角型エアアウトレット」でスポーティさを演出。下部には大きなインテリアトリムが広がり、標準仕様でもオプション選択時でもリアルウッドインテリアトリムを採用し、質感の高い室内空間を演出した。

 リアルウッドインテリアトリムは3種類あり、アッシュの特徴的な木目がアクセントのブラック光沢仕上げて、濃色でありながら艶やかで華のある室内空間を演出する「ハイグロスアッシュウッドインテリアトリム」が標準仕様となる。また、ブラックに近いダークグレーに着色され、垂直方向に木目が現れることでシックで落ち着いた印象を与えるマット仕上げの「アンスラサイトライムウッドインテリアトリム」はAMGラインパッケージ仕様、ブラックのウッドにオープンポア(マット)仕上げを施し、アクセントとして垂直方向にアルミニウムのラインを取り入れた「ブラックオープンポアウッドインテリアトリム」はレザーエクスクルーシブパッケージとAMGレザーエクスクルーシブパッケージ仕様となり、ラグジュアリーでありながら、クールな雰囲気も併せ持つ室内空間を演出する。

ラゲッジスペース

 新型GLCのラゲッジスペースは、620L~1680Lと大容量で、実用性が大きく向上。また、カーゴポジションを標準装備し、リアシートのバックレストを約10度起こすことでラゲッジルームの容量が先代モデルより約70~80L増加。ラゲッジルームカバーはフロア下に格納可能となっている。

パワートレーン

 エンジンは最高出力145kW(197PS)/3600rpm、最大トルク440Nm/1800-2800rpmを発生する直列4気筒2.0リッタークリーンディーゼルエンジン「OM654M」を搭載。新型クランクシャフトの採用によって、ストロークが94.3mm、排気量が1992ccまで拡大され(先代モデルはストローク92.3mm、排気量1950cc)、燃料噴射圧力を2700barに引き上げ(先代モデル:2500bar)、可変タービンを採用した水冷式ターボチャージャーにより、極めて速やかなレスポンスと優れたパワー伝達を実現。そこに、1速~9速までの変速比幅が広く、エンジン回転数が大幅に低減され優れたエネルギー効率と快適性を実現する「9G-TRONICオートマチックトランスミッション」が組み合わせられている。

 また、エンジンとトランスミッションの間に配置されるマイルドハイブリッドシステムのISG(Integrated Starter Generator)によって、短時間、最大で17kW(23PS)、200Nmのブーストが可能で、高トルク、省燃費のクリーンディーゼルエンジンに、電気による緻密なサポートが組み合わさることで、さらにスムーズな加速感と燃費の低減を両立した。

 さらに、スチール製ピストンにナトリウム封入式冷却ダクトを内蔵することで、ピストンクラウンの温度ピークを効果的に低減。スイッチ操作1つでエンジンやトランスミッションの特性を切り替える「DYNAMIC SELECT」も搭載していて、「OFFROAD」モードや「DSR(ダウンヒル・スピード・レギュレーション)」も備え、急な下り坂での安定した走行をサポートするほか、OFFROADモードでは、360°カメラシステムを使いボンネットの下が透けているかのように見える「トランスペアレントボンネット」機能も搭載した。

 安全運転支援システム「インテリジェントドライブ」も最新の内容に更新され、「アクティブステアリングアシスト」「アクティブエマージェンシーストップアシスト」「アクティブブレーキアシスト」「緊急回避補助システム」「アクティブレーンキーピングアシスト」「アクティブブラインドスポットアシスト」などを新たに追加。ドライバーの負担を大幅に軽減させている。