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トヨタやホンダ、ルネサスが参画する自動車用先端SoC技術研究組合、半導体技術開発でクルマ用のチップレットを実現へ
2024年3月29日 16:21
アスラによる「先端SoCチップレットの研究開発」がNEDOに採択
ASRA(アスラ:Advanced SoC Research for Automotive、自動車用先端SoC技術研究組合)は3月29日、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「ポスト5G情報通システム基盤強化研究開発事業/先端半導体製造技術の開発(委託)」の公募に対し、「先端SoCチップレットの研究開発」を提案し、委託先として採択されたことを発表した。
先端SoCチップレットの研究開発は、自動車のさらなる知能化・電動化を支える車載ハイパフォーマンス・コンピュータの実現に向けて行なうもの。
3月29日にはスズキと日立アステモが加わり、トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、スバル、マツダ、デンソー、パナソニック オートモーティブシステムズ、ソシオネクスト、日本ケイデンス・デザイン・システムズ社、日本シノプシス合同会社、ミライズテクノロジーズ、 ルネサスエレクトロニクスと、自動車メーカー、サプライヤー、半導体会社と、多くの会社が参画している。
アスラは同日、山本圭司理事長(トヨタ自動車 シニアフェロー)、川原伸章専務理事(デンソー シニアアドバイザー)、吉澤隆理事(日産自動車 常務執行役員)、四竈真人理事(本田技研工業 統括部長)、水山正重理事(パナソニック オートモーティブシステムズ)、加藤良文理事(ミライズテクノロジーズ 取締役社長)、吉岡真一理事(ルネサスエレクトロニクス 執行役員)の7人が出席して会見を実施。先端SoCチップレットの研究開発に関する説明を行なった。
理事長を務めるトヨタ自動車 シニアフェロー 山本圭司氏は、先端SoCチップレットの研究開発に取り組む背景として、「SoCのニーズが広がってきている」と現在の半導体の重要性を説明。車載半導体は1台のクルマに1000個ほど使われているが、その使われ方がコクピットなどの情報系から、安全システムなどへ拡大。自動車メーカーのデマンドとして、「ほしいタイミングでニーズに合った仕様と機能を持つSoCを入手したい」というのがあり、ASRAはこのニーズに応えていくものだという。
先端SoCチップレットを採択する理由としては、クルマによって車載半導体のニーズが異なり、それは自動車メーカーによって異なる部分もある。そのため、ASRAでは土台となる車載に適したチップレット技術を開発。自動車メーカーのニーズに応えていく。
山本理事長は、この土台作りを「協調領域」であると説明。「土台がしっかりしていないと上に載せるものがしっかりしない」と、アスラとしては、多くのメーカーが協力して土台作りを行なっていき、2030年以降の量産車搭載を目指していく。