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マクラーレン、「アルトゥーラ スパイダー」日本初公開 総出力700PSで電動リトラクタブルハードトップのハイブリッドスーパーカー

2024年4月11日 発表

アルトゥーラ スパイダー

ハイブリッドパワートレーン搭載でも乾燥重量1470kgの軽量モデル

 マクラーレンは4月11日、ハイパフォーマンス・ハイブリッド・パワートレーンを搭載する初のコンバーチブル「アルトゥーラ スパイダー」を日本初公開した。価格は3650万円で、デリバリーは2024年度第4四半期を予定している。

 アルトゥーラは、マクラーレンが培ってきたハイブリッドシステムの英知と最先端の技術を投入して、新世代のスーパースポーツを実現するために作られたというモデル。バッテリとモーターという重量があるものを搭載するため、マクラーレンのカーボンテクノロジーを用いた「マクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー(MCLA)」という、新世代に向けた軽量カーボンモノコックを採用。さらに、新しくイーサネット・エレクトリカル・アーキテクチャーを組み込むことでケーブルを25%削減し、軽量化に貢献。アルトゥーラ スパイダーの乾燥重量は1457kgにまで抑えられている。

新世代に向けた軽量カーボンモノコック「マクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー(MCLA)」を採用

 アルトゥーラ スパイダーのパワートレーンは最高出力605PS/7500rpm、最大トルク585Nm/2250-7000rpmを発生するV型6気筒3.0リッターツインターボエンジンに、最高出力95PS、最大トルク225Nmを発生するEモーターを組み合わせ、総出力700PSを実現。従来の680PSから20PSの出力アップを果たした。

 トランスミッションにはアルトゥーラ用に開発された8速のシームレスシフトギヤボックスを採用。新たにキャリブレーションを変更したほか、クラッチの油圧をあらかじめ高めることによってスタンバイモードに入り、ドライバーの意図した瞬間にスムーズなシフトチェンジが可能となるプレフィル機能によって、変速スピードを25%向上させた。

 このエンジンとギヤボックスにより、アルトゥーラ スパイダーの0-100km/h加速はクーペと同じ3秒を実現。0-200km/h加速は8.4秒、最高速は330km/hのパフォーマンスを発揮する。

ハイパフォーマンス・ハイブリッド・パワートレーンを搭載。パワートレーン総出力を700PSに引き上げるとともに、EV走行距離を33kmに延長

 また、マクラーレンが最も力を入れているというドライビングダイナミクスについても徹底的に見直したといい、サスペンションシステムのプロアクティブ・ダンピング・コントロールのアルゴリズムを改良し、反応速度が従来よりも最大で90%向上。いかなる路面環境でも路面にはいつくばるようなグリップ感を絶えず確保するとした。

 加えてエンジンマウントにも改良を施すことで、よりしっかりとしたボディとの一体感をもたらすとともに、ステアリングフィールの剛性感も高め、特にコーナリングでの安定感を向上させた。

サスペンションとエンジンマウントを改良することで、ドライビングダイナミクスを向上

 アルトゥーラ スパイダーの特徴となるリトラクタブルハードトップは、11秒で開閉が可能。静止中は車外から車両のキーでも操作でき、走行中は50km/hまでワンタッチで開閉操作可能となっている。

一体型電動式リトラクタブル・ハードトップは、オプションでガラスの透明度を5段階に調節できるエレクトロクロミック・ルーフパネルも選択可能

 デザイン面では、Cピラーにあたる部分をポリカーボネート製にすることでスタイリングと視界確保を両立。リトラクタブルハードトップをエンジン付近に収納することになるため、エンジンの冷却性能を損なわないように新しく4つのエアインテークとエアアウトレットを採用し、これらを機能美としてデザインに組み込むことで、アルトゥーラ スパイダーの特徴を際立たせた。

 さらにロードモデルとしてADASシステムも進化し、新しくブラインドスポット・モニタリングと、クロス・トラフィック・ディテクションを追加。ロードサイン・レコグニションと、レーン・デパーチャー・ウォーニングは標準装備となった。

ドライブをサポートする先進運転支援システム(ADAS)も充実

 なお、アルトゥーラ クーペにもアルトゥーラ スパイダー同様の改良が施され、2025年モデルイヤー(MY25)として注文を受け付けている。アルトゥーラ クーペの価格は3300万円。

アルトゥーラ スパイダーとアルトゥーラ クーペのスペック
アルトゥーラ スパイダーのボディサイズは4539×1913×1193mm(全長×全幅×全高、全幅はミラーを含まない)、ホイールベースは2640mm
ドアは狭いスペースで乗り降りしやすいようボディに沿って開く「ディヘドラル・ドア」を採用
タイヤは左右非対称のトレッドパターンを持つピレリ「P ZERO」を装着。タイヤサイズは前後異径で、フロントは235/35ZR19 91Y、リアは295/35ZR20 105Y
Cピラーにあたる部分をポリカーボネート製としてスタイリングと視界確保を両立。エンジンベイ周辺へ気流を導く役割も果たしている
新たに4つに分割されたダクトシステムを採用し、特徴的なリアビューとしている
助手席側のリアフェンダー部分に充電口を配置
ステアリング
シート
フロントトランク

4月13日オープンのマクラーレン横浜で発表会を開催

 アルトゥーラ スパイダーの発表会は、4月13日に7店舗目の正規販売拠点としてオープンするマクラーレン横浜で開催された。

左からマクラーレン・オートモーティブ 日本代表 正本嘉宏氏、マクラーレン・オートモーティブ チーフ セールス&マーケティング・オフィサーのジョージ・ビッグス氏、マクラーレン・オートモーティブ APAC・中国担当 マネージング・ディレクター ポール・ハリス氏

 最初に、マクラーレン・オートモーティブ チーフ セールス&マーケティング・オフィサーのジョージ・ビッグス氏があいさつ。ビッグス氏は「日本はアジアパシフィックおいて最も重要な市場で、マクラーレンが今後成長するにあたって鍵となる市場でもあります」と、日本市場について述べるとともに「700馬力のアルトゥーラ スパイダーは妥協のないパフォーマンスを提供します。東京や横浜のような街はもちろん山道を走るときなどでも、オープンドライビングをドライバーだけでなく助手席の方も体感いただけます」とアルトゥーラ スパイダーについて語った。

マクラーレン・オートモーティブ チーフ セールス&マーケティング・オフィサー ジョージ・ビッグス氏

 続けて、マクラーレン・オートモーティブ 日本代表の正本嘉宏氏がアルトゥーラ スパイダーについて解説。「アルトゥーラ スパイダーは、マクラーレンが今までの12年間の英知を集結してゼロから開発した新世代のスーパースポーツとなるアルトゥーラのスパイダーバージョンです。その最大の特徴はスーパーカーでありながら、ノイズレス、Eモードで最高のドライビング体験ができるということです」と話し、「アルトゥーラ スパイダーはマクラーレンが満を持して投入する、新たな価値をお客さまに提供する新世代のハイブリッド・スポーツカーです」と力強く語った。

マクラーレン・オートモーティブ 日本代表 正本嘉宏氏

マクラーレン 横浜

住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい6-2-13
営業時間:10時~18時
定休日:火曜日
電話番号:045-306-9707
オープン日:4月13日

マクラーレン横浜外観