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ポルシェ911のメーターパネルをイメージしてデザインされた世界限定350本の腕時計「クロノグラフ1 - ホディンキー 2024エディション」発表会
2024年7月16日 14:48
- 2024年7月13日 開催
1972年にフェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェ氏によってデザインされた腕時計「クロノグラフ1」は、ポルシェ911のコクピットのように機能性と数値の読み取りやすさに重点を置くことで、当時の時計業界に革命を起こしたと言われている。そして以降、ポルシェデザインの時計は時代を超えたデザインと品質を持った製品として発売され続けている。
その象徴的な存在であるクロノグラフ1は現代でも時代を超えた名品となっているが、今回、世界的な時計メディアである「HODINKEE(ホディンキー)」とコラボレーションしたトリビュートモデル「クロノグラフ1 - ホディンキー 2024エディション」の発売が発表された。
世界限定350本で日本はそのうち150本が発売される。日本での販売予価は161万7000円とアナウンスされている。販売については厳選された高級時計販売店に三越、伊勢丹など大手高級百貨店の時計サロンのほか、ポルシェセンターやホディンキーの公式Webサイトからも注文可能。
クロノグラフ1 - ホディンキー 2024エディションの主な仕様は以下のとおり。ムーブメントはポルシェデザインWERK01.140。複雑機構はクロノグラフ(曜日・日付表示)。直径は30.00mm。厚さは7.90mm。振動数は2万8800回/h(4Hz)。パワーリザーブは48時間。石数は25。
ケースは、材質がチタン。表面処理仕上げはブラックチタンカーバイトコーティング&ガラスビーズブラスト加工。ケース直径は40.80mm、厚さは14.15mm。リューズはねじ込み式、裏蓋は密封ねじ込み式。ケースバック素材もチタン。耐水性は最大10気圧。風防の素材はサファイアクリスタルガラスで、傷防止と両面に7層無反射タフコーティングが施されている。
文字盤の色はブラックで、9の位置にランニングセコンド、12時の位置に30分カウンター、6時の位置に12時間カウンターを配したアイコニックな6-9-12サブダイヤルレイアウトを継承。3時の位置には曜日と日付の表示窓があり、英語と日本語が選べる。
また、時針・分針・インデックスには光を蓄えて暗闇で緑色に光るスーパールミノバ夜光塗料を使用。そしてブレスレットもチタン製で、ブラックチタンカーバイドコーティング処理が施されている。
クロノグラフ1 - ホディンキー 2024エディション発表会を実施
ポルシェデザインとホディンキーは、「クロノグラフ1 - ホディンキー 2024エディション」の発売を記念した発表会も都内にて実施した。
最初の登壇者は、ポルシェデザイン ライフスタイル グループ タイムピース ゼネラルマネージャーのゲルハルト・ノヴァク氏。同氏は今回のステージの進行役も務め、自己紹介とあいさつの後、同じくポルシェライフスタイルグループのCEOであるシュテファン・ビュッシャー氏を紹介してステージへと呼び出した。
ブッシャー氏は、「私たちはポルシェの基本理念と卓越性に影響を受けたライフスタイルや自動車のDNAを持ち世界を魅了する企業です。ポルシェの象徴的なデザイン哲学に基づき、ここの夢を現実に変え、ドライバーやファン、それにデザイン愛好家の皆さんなど、ポルシェブランドに共感していただけるすべての人々に開かれた情熱的なコミュニティの一員となっていただきたいと考えています」と切り出した。
続けて、「すべてはポルシェ911から始まりました。911のような伝説的なクルマはほかにありません。911は1963年にフェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェ氏によって生み出されました。その9年後、氏は自身のデザインスタジオを開設し、そこでポルシェのDNAを自動車以外に広げることを始めたのです。それ以来、一貫したグローバルブランド、一貫したデザイン、一貫したライフスタイルエクスペリエンスを確立しました。過去50年間に渡り、ポルシェデザインは多くの製品と時代を超えたデザインを世に提供してきました。1972年には最初のデザインアイコンとして“クロノグラフ1が登場します。このモデルは世界初のオールブラックの腕時計で、911のダッシュボードをヒントにしています。この時計はスポーツカーのデザイン原則とエンジニアリングの卓越性がほかの製品にも応用できることを証明したのです」とクロノグラフ1とポルシェ911の関係を紹介した。
ここでポルシェジャパン マーケティングディレレクター&CRMのダニエル・フォイヒト氏もステージに登場。フォイヒト氏は長年、ポルシェ台湾に勤務していて、2024年始めに日本へ移動。日本市場でのブランド成長について重要な役割を担っている人物だ。
フォイヒト氏は日本におけるポルシェの歴史や存在感、地位、そしてユーザーとの活発なコミュニケーションについて紹介したあと、ブッシャー氏とともにクロノグラフ1についての話題に切り替えた。両氏によると日本は時計の製造に関する歴史も長く、日本の時計職人は常に革新の最前線にいたと評価していた。
ステージ上のブッシャー氏は、「ここでもう少し時計に関しての洞察をしていきたいと思います。フェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェ氏が時計作りにどういった思いがあったのかなどを含めてお話を時計ジャーナリストのギズベルト・L・ブルーナー氏から紹介してもらいます」と、次の登壇者をステージへと招いた。
ブルーナー氏が子供のころから集めた時計は、一時期は853本にもなったという。そして1982年に雑誌に時計に関する記事を執筆。その後、時計に関する書籍も執筆し、その数は40冊以上にもなるという。現在は執筆業から引退して弁護士をしながら時計への情熱は趣味として楽しんでいるという。
そんなブルーナー氏は、「店頭に並んでいたブラック クロノグラフ1に魅了されていました。そのとき私のコレクションには約150本の時計がありましたが、オールブラックのクロノグラフという時計はなかったので、クロノグラフ1には特別な魅力を感じていたのです。そして私はこの時計を購入したのです。ただ、長年使ってきたのでいまではブラックではなくてグレーになってしまいました。ただ、これは当時のコーティング技術の限界であり、いまの技術とは比べものになりません。さて、このクロノグラフ1は機械式時計ですが、当時はクオーツ時計が登場してきたころで、そのタイミングで機械式時計を発売したポルシェ氏の勇気にも深い感銘を表しています。また、この時計は伝統的なクルマであるポルシェ911のメーターパネルよりインスパイアされたデザインであることも私がこの時計を愛する理由です」と語った。
続けて、「1998年、私はポルシェ氏にインタビューをするという貴重な機会を得ました。そこでポルシェ氏は彼の仕事の進め方について説明してくれました。時計作りのプロセスはクルマと同じですと彼は言いました。まずアイデアを出し、そしていとしたとおりのデザインを静かに見える化させること。そこから全体を迅速に立体モデルへと写すことで、より具体的にデザインを見えるようにするんだと話してくれました。時計のケースは曲線や角など多くのディテールを考慮する必要がありますが、これらの完璧な調和を図ることで、見た目だけでなく着用の快適さを決定するわけです。そのためフォルムと機能性はポルシェ氏にとって最優先するものでした。また、ポルシェ氏にはデザインによって機能が制限されることはあってはならないという信念もありましたし、大勢が気に入るような時計をデザインするつもりなどなかったのです。そんな思いで作ったこの黒い時計は当時の著名なレーシングドライバーがこぞって使うようになりました。このことはとても誇らしいことだったでしょう。ポルシェ氏にとって無限の想像力を発揮する場となったポルシェデザインスタジオの設立はまさに夢の実現だったと思います」と語った。
最後に登壇したのは、ホディンキーの創設者兼CEOであるベンジャミン・クライマー氏。クライマー氏は、「ホディンキーを設立したのは2008年です。日本には2019年にホディンキー日本版を立ち上げていていまでも続いています。さて、ポルシェデザインの時計ですがこれはクルマのポルシェと直結しています。フェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェ氏のデザインは理にかなっていると思いますし、クロノグラフ1に恋することは911に恋することと同じですからね。では、今回ご紹介する「クロノグラフ1-ホディンキー2024エディション」です。これは世代を超えて譲り受けるというコンセプトがあります。1970年代にクロノグラフ1を購入した、書斎の机にしまい、50年後に引き出しから取り出したらどうなるだろうかというアイデアに基づいています。父親から、あるいは祖父から譲り受けるというものです。時計の詳細ですが針や文字にはわずかに経年変化したようにみえるルミナス塗料を使用しています。歴史的なポルシェデザインのロゴも使用しています。これはとても重要なポイントになります。それから6時の位置にある「H」はホディンキーのことで文字色の赤はポルシェのレッドです。また、曜日表示は日本語と英語のバイリンガルになっているのが日本向けの特徴です。そしてケースにはシリアル番号とホンディンキーのネーム入りになっていて、全世界で350本の限定モデルとなります。」と紹介したあと、「クロノグラフ1-ホディンキー2024エディション」がアンベールされ、発表会は締めくくられた。