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日本特殊陶業、えびの養殖事業の新会社「Niterra AQUA」設立 「うるみえび」で国産えびのブランド展開

日本特殊陶業が新たに手掛ける事業「えび陸上養殖」により生産される国産えびの名称「うるみえび」は日本特殊陶業の登録商標

 日本特殊陶業は7月18日、えびの飼育養殖設備の製造、管理システムの制作、販売、リースなどを手掛ける新会社「株式会社 Niterra AQUA」を設立したと発表した。新会社では、同社のセンサ技術を応用して水質管理に着目した陸上養殖事業へ挑戦、「うるみえび」のブランド名で国産えび養殖事業の事業化を目指す。

 新会社のNiterra AQUAでは、陸上養殖の課題である水質管理に着目し、水質をセンシングすることで水質の状態を把握し、その状態に合わせた養殖作業指示を行なうことで、陸上養殖未経験の顧客においても「えび陸上養殖」を開始できるトータルソリューションシステムを提供予定。

 同システムは、工場、倉庫等の空きスペースを有効活用したい顧客に設置できる大きさであることも特徴で、自社資産の有効活用により、イニシャルコストを抑えた状態で事業を開始できるとしている。

 さらに、えび陸上養殖のエネルギーコストの多くを占める飼育水の温調コストは、工場排熱、バイオマス熱、温泉熱、太陽光発電等の自社資産があれば、ランニングコストも抑えることが可能とし、同システムを使用することで、安心・安全・高鮮度・味設計された「うるみえび」を養殖可能という。

 今後の事業展開として、2024年10月以降、協力企業と事業内容のPoC(概念実証:Proof of Concept)を開始する計画で準備を進めるとともに、同システムでの徹底した水質管理と育成ノウハウの活用により鮮度と美味しさを実現した国産えび「うるみえび」(日本特殊陶業の登録商標)と名付け、PoCを通じて「うるみえび」のブランド認知活動も同時に進めていくとしている。

 新会社設立の背景として、日本特殊陶業では「2030 長期経営計画 日特 BX」において非内燃機関事業の比率を高める事業ポートフォリオ転換を掲げ、その実現のための施策として新規事業の創出に取り組んでいる。世界が抱える課題である食糧問題、その中でも水産資源に焦点をあて、持続可能な社会を実現することに貢献できる事業として、これまで同社で培ってきたセンサ技術を応用し、水質管理に着目した「えび陸上養殖事業」への挑戦を決めた。

 新会社を設立については、事業化をさらに加速させるため、独立自営の精神の元、スピード感と柔軟性を持ち、夢を語り、それを実現したい強い意志を持つメンバーでの新会社設立にいたったといい、Niterra AQUA代表取締役の大矢誠二氏は、「私は長年内燃機関向け部品の事業に携わってきましたが、日本特殊陶業のポートフォリオ転換を直接実現したいという強い想いから、新規事業を志しました。そして新規事業部門において、持続可能な社会の実現に貢献できる本事業に対し、 日本特殊陶業のコーポレートメッセージである『IGNITE YOUR SPIRIT』の情熱を持ち、必ず実現したいという想いを強くしました。想いを叶えるため、えび陸上養殖事業の事業化に向けて邁進していく所存です」とコメントしている。