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マセラティ、長い歴史を受け継ぐ新型4人乗りオープンカー「グランカブリオ」日本初公開

2024年7月24日 開催

新型4人乗りオープンカー「グランカブリオ」とメディアプレビューで車両解説を行なったマセラティ ジャパン株式会社 業務執行取締役 ジャパン ジェネラルマネージャー 玉木一史氏

 マセラティ ジャパンは7月24日、5月に発表・発売した新型4人乗りオープンカー「グランカブリオ」の国内デリバリーに向け、日本に初上陸した第1号車を初公開した。

 5月から受注を開始した新型グランカブリオでは、“ネットゥーノ”と呼ばれるV型6気筒3.0リッターのツインターボエンジンを搭載する「トロフェオ」のみをラインアップ。最高出力542HP(550PS)/6500rpm、最大トルク650Nm/3000rpmを発生し、8速ATを介して4輪を駆動する。

 この動力性能によって最高速316km/h、0-100km/h加速3.6秒、0-200km/h加速12.2秒を実現することに加え、ステアリングに設置された「VDCM」(車両ドメインコントロールモジュール)のダイヤルスイッチで「コンフォート」「GT」「スポーツ」「コルサ」という4つのドライブモードを選択して、日常的な優雅な走りからスリリングさを味わえるスポーツ走行まで幅広い魅力を提供する。車両価格は3120万円。

グランカブリオ トロフェオ
ボディサイズは4966×1957×1365mm(全長×全幅×全高。全幅はドアミラーを除く)、ホイールベースは2929mm
5色から選択できるファブリック製のソフトトップは14秒で電動格納の動作を完了。走行中でも50km/h以下なら開閉可能となっている
タイヤサイズはフロントが265/30ZR20、リアが295/30ZR21
ヘッドライトはフルLEDタイプ
4本のエキゾーストパイプをリアバンパー両サイドから出すインテグレーテッドタイプ。リアバンパー中央部分はディフューザー形状となっている
ソフトトップの格納スペースを必要最小限に抑え、“4人分の荷物を収納可能”というトランクを実現
最高出力542HP(550PS)/6500rpm、最大トルク650Nm/3000rpmを発生するV型6気筒3.0リッターツインターボエンジン“ネットゥーノ”
フロントシートの首もとに温風を吹き出す「ネックウォーマー」を標準装備。送風温度は3段階から選択可能
リアシートもセンターアームレストを備えるセパレートタイプ
2分割でリアシートをカバーする「ウインドストッパー」を標準装備。2人乗車時に取り付けて乱流を抑え、より快適なオープンエアドライブを楽しめるようにする
車内のソフトパッドにはレザー素材が使用され、美しいステッチが施される
レザーステアリングのスポーク部分に「VDCM」(車両ドメインコントロールモジュール)のダイヤルスイッチを装備
ステアリングから手を離すことなく8速ATをシフトチェンジできる大型のパドルシフトを装備
アクセルペダルはオルガン式。大型のフットレストも備える
メーターパネルは「12.2インチ フルデジタルクラスター」を採用
インパネ中央に「MIA」(マセラティ・インテリジェント・アシスタント)マルチメディアシステムの12.3インチセンターディスプレイを装備

新しいグランカブリオもマセラティの長い歴史を受け継ぐモデル

マセラティ ジャパン株式会社 業務執行取締役 ジャパン ジェネラルマネージャーの玉木一史氏

 メディアプレビューでは、マセラティ ジャパン 業務執行取締役 ジャパン ジェネラルマネージャーの玉木一史氏から車両解説が行なわれた。

 玉木氏は「この新型グランカブリオは、クーペモデルの『グラントゥーリズモ』と並行して開発されたモデルです。われわれにとってグラントゥーリズモ、そしてグランカブリオはただのラインアップモデルではありません。この2台はわれわれマセラティのクルマ造りにおけるコンセプトそのものを表現しているからです」。

「マセラティでは1947年に初めてのロードカー『A6 1500』を世に送り出していますが、この当時からレースマシンを公道仕様に変換するという手法により、高性能と快適さ、スタイルを融合させたクルマがA6 1500でした。サーキットで圧倒的な走行性能を見せつけたあと、そのまま快適な長距離ドライブも楽しめるというのがグラントゥーリズモであり、マセラティのクルマ造りにおける本質であると考えています」。

「そして1957年に誕生した『A6G 2000 スパイダー』以降、マセラティではオープンカーを作り続けています。クーペモデルが実現する美学と実用性のバランスを、オープンカーモデルでの最適化を図り、オープントップの開放感や爽快感を得られるのがグランカブリオになります」と紹介。新しいグランカブリオもマセラティの長い歴史を受け継ぐモデルであると語り、新型グランカブリオをアンベールした。

新型グランカブリオをアンベール

 日本初公開となった新型グランカブリオの魅力の1つとして、玉木氏は特徴的なボンネットについて解説。一般的にボンネットはボディ側面のフェンダーとは分割され、車両の前方側から分割線が見えることになるが、マセラティではこれをよしとせず、グランカブリオでは両サイドまでまわりこむようにカバーする大きなクラムシェルスタイルの「コファンゴ」を採用している。

 イタリア語でボンネットを意味する「コファーノ」、同じくフェンダーを意味する「パラファンゴ」を組み合わせた造語であるコファンゴは1枚のアルミ板から作り出されており、これだけのサイズで立体成型することは非常に高い技術力が必要だが、マセラティでは革新的な技術によって彫刻のように美しい造形を実現しているとアピールした。

1枚のアルミ板から作り出された「コファンゴ」について解説する玉木氏

【お詫びと訂正】記事初出時、A6 1500の登場を1942年と表記していましたが、正しくは1947年でした。お詫びして訂正させていただきます。