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ダンロップの次世代オールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」、住友ゴムの山本社長「予想をはるかに上まわる反響」

2024年8月7日 発表

住友ゴム工業株式会社 代表取締役社長の山本悟氏

2024年12月期第2四半期決算発表会でアクティブトレッド技術の将来計画について「第3、第4のスイッチの開発に着手」と予告

 住友ゴム工業は8月7日、2024年12月期第2四半期(2024年1月〜6月)決算説明会を開催。同説明会に登壇した同社代表取締役社長の山本悟氏は、ダンロップの次世代オールシーズンタイヤ「シンクロウェザー(SYNCHRO WEATHER)」の発表後の反響について「予想をはるかに上まわる反響」と述べた。

 また、シンクロウェザーが採用するアクティブトレッド技術の将来計画について、山本社長は「われわれは、アクティブトレッドのさらなる技術進化の取り組みを継続いたします。2027年にはシンクロウェザーの水スイッチと温度スイッチをさらに進化させ、欧米を中心とした海外へも展開する計画でございます。今後は、アクティブトレッド技術のさらなる進化を目指し、水スイッチ、温度スイッチに次ぐ、第3、第4のスイッチの開発に着手していきます」と明かした。

アクティブトレッド技術の将来計画について「第3、第4のスイッチの開発に着手」と予告

2024年1月-6月連結業績は売上収益5870億円、営業利益420億円

住友ゴム工業株式会社 代表取締役社長 山本悟氏

 決算発表会では、2024年1月-6月連結業績の説明と、中期計画(2023-2027年)の進捗について報告された。

 2024年1月-6月の連結業績については、売上収益5870億円で前年同期比259億円増、事業利益は423億円で前年同期比252億円増、営業利益420億円で前年同期比251億円増、四半期利益は387億円で前年同期比305億円増となった。なお、事業利益率は7.2%、営業利益率は7.1%とした。

2024年第2四半期のハイライト

 タイヤ事業については、海外市販用が欧州で増販、海外新車用が北米で増販となり、前年同期比で増収増益、売上収益と事業利益が過去最高となった。スポーツ事業は、ゴルフが日本、北米、欧州で増販、テニスが日本で増販となり、前年同期比で増収増益、売上収益と事業利益が過去最高。産業品他事業は、医療用ゴム製品は欧州の子会社売却に伴い販売減となる一方、事業利益率は向上し、前年同期比で減収増益となったことが山本氏から報告された。

中期計画の進捗

 中期計画(2023-2027年)の進捗については、同社では2027年目標として、事業利益率7%、ROE10%、D/Eレシオ0.6、ROIC6%を掲げており、それに向けた成長事業のビジネス拡大に向けて事業ポートフォリオの最適化を実施している。現在の進捗としては、2025年に向け対象約10事業・商材について構造改革を推進中とし、そのうち6事業・商材については、2024年を目途付け時期としてあらゆる選択肢を検討しているとした。

 また、北米事業については、北米ビジネスの収益最大化に向けて、あらゆる選択肢を検討し、2024年中に目途付けを行なうとしている。

次世代オールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」を10月1日発売

10月1日発売の次世代オールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」

 そして、同社が成長事業の基盤づくりとして取り組んでいる「アクティブトレッド」技術を採用した次世代オールシーズンタイヤのシンクロウェザーが、7月22日に商品発表され、10月1日に発売される。

 シンクロウェザーの初期発売サイズは40サイズで、価格は2万1450円〜6万9630円/本。販売にあたっては、商品特徴、性能のよさを正しく説明するための認定店制度が導入される。

 このシンクロウェザーについて山本氏は「ドライウェット路面や冬の氷上、雪上やシャーベット路面といった さまざまな路面に適用した次世代オールシーズンタイヤでございます。シンクロウェザーは進化ではなく発明でございます。タイヤは水の上で滑り、氷の上でも滑る。タイヤは環境に合わせて履き替えなければならないという今までの常識を覆す新しいジャンルのタイヤになります。オールシーズンタイヤとして世界初のアイスグリップシンボルを刻印すると同時に、静粛性能、摩耗性能も夏タイヤ同等以上発生し、性能の面でも大きく自信を持っています」と紹介。

オールシーズンタイヤとして世界初のアイスグリップシンボルと刻印

 また、「シンクロウェザーは全く新しいジャンルの商品であり、今後の自動車用タイヤの概念を大きく変えると信じています。欧州では、この4年間でオールシーズンタイヤの構成比が約2倍となりまして、21%にもなります。欧州と同時に日本でも夏タイヤからの置き換え需要を喚起することで、かつてないオールシーズンタイヤ市場を創出し、シンクロウェザーがデファクトスタンダードの地位を確立することを目指してまいります」との意気込みを述べた。

 山本氏は「お客さまのタイヤの使い方やニーズをしっかりと理解した上で、販売店さまからご提供できるようにしたいと思っております。商品の発表後、おかげさまで販売店から本当に予想をはるかに上まわる反響をいただいております。直営店では商品発表の翌日から事前予約を開始いたしました。すでに首都圏を中心に、多くの予約を獲得しております。これまで取引のなかった販売店さんからも認定店に加入したいというお声をいただいておりまして、シンクロウェザーの注目度の高さを非常に実感をいたしております」と発表後の反響について述べた。

 山本社長は「シンクロウェザーは商品価値を反映する思いで新たに希望小売価格を設定しております。その価格レベルにつきましても商品価値にあっているという評価をいただいております。10月1日の発売に向けましてますます盛り上げてまいりますので、みなさまぜひご期待をいただきたいと思います」と話した。

2024年12月期第2四半期(2024年1月1日〜6月30日)決算説明会資料
2023年-2027年中期計画の進捗報告