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サンスター技研、鈴鹿8耐参戦車両「チームスズキCNチャレンジ」が装着した熱処理廃止鉄製ブレーキディスクの製品化決定

2024年8月28日 発表

スズキ「チームスズキCNチャレンジ」のレース車両

 サンスターグループは8月28日、サンスター技研が開発を進めている熱処理廃止の鉄製ブレーキディスクとローダストブレーキパッド(東海カーボン共同開発品)を、環境負荷軽減シリーズ「Naturide(ネイチャーライド)」の新製品としてレース専用品で製品化を決定したと発表した。2024年12月ごろからの展開を予定している。

「ネイチャーライド」の新製品として開発中の「環境対応レース専用ブレーキディスク」の特長としては、ブレーキディスクの熱処理工程を廃止することで製造時のCO2排出量の約50%削減を実現。摺動(しゅうどう)部にはディンプル小孔(くぼみ形状)を採用して、パッドクリーニング効果とクラック耐久性の性能を両立させた。

環境対応レース専用ブレーキディスク

また、「環境対応レース専用ブレーキパッド」の特長は、ディスクの熱処理工程廃止に伴い、専用ブレーキパッドを開発したもので、ブレーキのハンドルやコントロール性は従来の性能と同等を維持しながら、約15%の摩耗量削減(低ダスト化)した。

環境対応レース専用ブレーキパッド

 同製品の開発段階においては、スズキの「チームスズキCNチャレンジ」と連携し、パートナー企業の1社として参画。7月に開催された「2024 FIM世界耐久選手権『コカ・コーラ』鈴鹿8時間耐久ロードレース 第45回大会」では、同製品を装着した「チームスズキCNチャレンジ」が8位に入った。

 このレース結果により、環境、負荷低減の効果に加え、8時間にもおよぶ耐久レースでも優れたブレーキング性能を発揮することを証明され、関係者から高い評価を得るとともに、市場におけるニーズの高さも確認したため製品化が決定された。

 同社が製品化を進めた背景としては、サンスターは1960年代より二輪車用部品の製造・販売を開始。世界を代表する数々の二輪メーカーにOEM部品としてブレーキディスク、スプロケット(歯車部品)を納めており、トップクラスのシェアを誇る。

 今回製品化を決定した環境対応ブレーキディスク、ブレーキパッドは、鋼材の加工性とブレーキ機能を両立させた材料に変更し、製造工程の熱処理が不要なため製造時のCO2排出量を半減させた、環境負荷を大幅に軽減する製品。脱炭素化などカーボンニュートラルを目指して世界的に加速する中、金属加工事業は、製造・加工プロセスでの二酸化炭素の排出の多さや電気エネルギーの消費が課題となっていて、業界のトップメーカーとして、事業環境負荷軽減に貢献できないかと考え、環境対応ブレーキディスク、パッドブレーキの開発に至ったとしている。