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ロールス・ロイス、「カリナン・シリーズII」日本初公開 「ロールス・ロイスの絶え間ない成功を象徴する1台」とアイリーン・ニッケイン氏
2024年8月30日 07:00
- 2024年8月29日 開催
ロールス・ロイス・モーター・カーズは8月29日、ラグジュアリーSUV「カリナン・シリーズII」(Cullinan Series II)を日本初公開した。価格はカリナン・シリーズIIが4645万4040円から、ブラック・バッジ カリナン・シリーズIIが5415万4040円からとなる。
カリナンはロールス・ロイス初のSUVとして2018年5月にデビューしたモデル。オールアルミ製のスペースフレーム・アーキテクチャー「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」を採用し、最高出力420kW(571PS)/5000-6000rpm、最大トルク850Nm/1600-4250rpmを発生するV型12気筒6.75リッターツインターボエンジンを搭載。ロールス・ロイス初の4WDシステムで4輪を駆動する「究極のラグジュアリー・オフローダー」と位置付けられている。
5月に発表されたカリナン・シリーズIIでは、内外装の意匠変更や装備内容の変更を実施。外観では「垂直性」をテーマに変更を行ない、フロントマスクではヘッドライト上の両サイド外側から垂直に下りるLEDタイプのDRL(デイタイム・ランニング・ライト)を新たに採用し、DRLからバンパー中央に向かってなだらかに続くV字ラインを施すことによって現代的なスポーツヨットを連想させるイメージを表現。逆にバンパー内にある新型エアインテークはハの字型の外向き形状にして、正面から見たときに車高を視覚的に下げる効果を発揮するようにしている。
このほかフロントマスクでは、「ファントム」や「スペクター」でも使われている「イルミネーテッド・パンテオン・グリル」を新たに採用して華やかさを強調。また、従来はガンメタリック塗装となっていたボディ下側の樹脂パーツは鮮やかなハイグロスブラック塗装に改められ、走行中には流れていく路面の状況を映し出すことによってどっしりとしたエクステリアデザインに躍動感を与えるという。
「カリナン・シリーズIIはロールス・ロイスの絶え間ない成功を象徴する1台」
カリナン・シリーズIIをお披露目した発表会では、最初にロールス・ロイス・モーター・カーズ アジア太平洋リージョナルディレクター アイリーン・ニッケイン氏が登壇してあいさつを行なった。
ニッケイン氏は「近年私たちは、ロールス・ロイスのお客さまが変わりつつあると実感しています。それは新しい若い世代のお客さまであり、ロールス・ロイスブランドを初めて手にするという人や、都会で生活して自分で運転するセルフドライバーの人々です。カリナンというスーパラグジュアリーSUVは、大胆で妥協を許さないスーパラグジュアリーなお客さまとのコラボレーションによって現実のものとなっています」。
「本日お披露目するカリナン・シリーズIIは、細心の注意を払ってアップデートされたデザイン、精巧でコンテンポラリーなクラフトマンシップと新素材の採用により、さらなる大胆さを表現したモデルとなっています。また、カリナン・シリーズIIではリリース当初からお客さまに2種類の選択肢からお選びいただけるよう、初めてブラック・バッジモデルを当初から提供できるようにしました」。
「洗練されたエクステリアデザインからラグジュアリーなインテリアまで、まさに私たちがこれまでのロールス・ロイスモデルで追求してきたものであり、お客さまの期待を超えるための揺るぎない献身的姿勢を示すものになると思います。カリナン・シリーズIIはロールス・ロイスの絶え間ない成功を象徴する1台であり、並外れた成功の新しい幕開けになります」と述べている。
「カリナン・シリーズIIは現代における探求の姿を新たに表現」
カリナン・シリーズIIの詳細については、ロールス・ロイス・モーター・カーズ プロダクト・マネージャー アイヴァン・カン氏が解説を担当。
カン氏は「ロールス・ロイス車のデザインには、ブランドの伝統を象徴し、独自のDNAを車両に注ぎ込むための“ゴールデンルール”があります。例えば『スピリット・オブ・エクスタシー』は常にパンテオングリルの上に堂々と配置され、ヘッドライトは決してパンテオングリルより上に来ることはありません。また、ほかの全ロールス・ロイスモデルと同様、カリナン・シリーズIIの外観でも『3本のライン』の原則が適用されています。最初のラインはスピリット・オブ・エクスタシーから始まってボンネットを通過し、リアに向かって繊細に流れていくシルエットライン、そしてパンテオングリルから始まってアイコニックなコーチラインと組み合わされていくライン、3本目のラインではリアに向かってカリナン独自のバックデザインを強調しています」。
「カリナン・シリーズIIの外観デザインは、カリナンがますます浸透している東京のようなメガシティから着想を得ています。そのインスピレーションはLEDのマトリックスヘッドライトと新型のデイタイム・ランニング・ライトのデザインで顕著に表われています。アイコニックなパンテオングリルも変貌を遂げ、ライトアップされたホライズンラインが付け加えられ、サイドフレームは取り除かれています。その結果として、カリナンが持つ堂々とした横幅が視覚的に強調されています」。
「また、新しいボディカラーである『エンペラドール・トリュフ』は、茶色の大理石からインスピレーションを得て、現代的なミニマリズムを表現しています。サイドビューでは初めて採用した23インチのホイールがアクセントを加えており、カリナン・シリーズIIのプロポーションを非常に美しく際立たせ、大胆な部分ポリッシュの表現によって万華鏡のような反射を生み出しています」。
「カリナン・シリーズIIは現代における探求の姿を新たに表現しています。優雅さ、存在感、洗練性を完璧に融合させています。環境を問わず、あらゆる場所で快適でエフォートレスな体験をお約束します」と語り、このクルマが持つ魅力についてアピールした。
カリナン・シリーズIIのインテリアでは、インパネのメーターパネルから助手席の前方までダッシュボード上部を横断する「ガラスパネルフェイシア」を新たに採用。エレガントで多機能なデザイン要素であり、「デジタルと物理的なクラフツマンシップの見事な融合を示している」と表現されている。
デジタル表示のメーターパネルとインパネ中央に配置される常時表示の「セントラル・インフォメーション・ディスプレイ」では設計変更が行なわれ、これを制御するデジタル・インターフェース「SPIRIT オペレーティング・システム」を新たに導入。
BEV(バッテリ電気自動車)のスペクターで初めて登場したSPIRIT オペレーティング・システムは、ロールス・ロイスオーナー専用アプリ「Whispers」に対応。スマートフォンなどからアプリを操作することにより、カーナビの目的地を車両に送信したり、自車位置を遠隔確認できたりするほか、車両の施錠管理も行なえる。
助手席前方のガラスパネルは「イルミネーテッド・フェイシア・パネル」となっており、光で「CULLINAN」の車名ロゴが浮き上がるほか、大都市の夜空に浮かぶ摩天楼からインスピレーションを得た「シティスケープ・グラフィック」を設定。ダーク調に着色した強化防犯ガラスの背面に、レーザーで7000のドットをエッチングする特別な技法によって光のラインが描かれ、発光点それぞれを微妙に異なる角度と寸法で配置することで奥行き感を演出する。また、ロールス・ロイスのビスポーク・デザイナーと相談しながら、ユーザー自身でこだわりのイルミネーテッド・フェイシア・パネルをデザインするサービスも用意している。
新採用の「スピリット・オブ・エクスタシー・クロック・キャビネット」は、アナログ時計とライトで浮かび上がるスピリット・オブ・エクスタシー像で構成。ステンレス製のスピリット・オブ・エクスタシー像は反射効果を生むマット・ブラックのバックパネルと光沢あるサイドパネルの台座に設置されている。
キャビン内で使用するシート表皮やウッドパネルなどには、オフロードモデルであるカリナンが持つ大自然のイメージと植物からインスピレーションを得た素材を採用。インテリアトリムには竹を原料にしたツイル織りの新しいレーヨン生地「デュアリティ・ツイル」を使用する。複雑な刺繍を施すテキスタイルの開発に1年以上の期間を掛けており、ベースとなるツイル・テキスタイルは「ライラック」「チョコレート」「ブラック」の3色を設定し、さらに51色の糸から選択可能となっている。
レザー素材では小さな穴を使ってアート作品を制作する新しい工芸技術「プレースド・パーフォレーション」を新開発。ロールス・ロイスの拠点があるグッドウッドの「ホーム・オブ・ロールス・ロイス」上空で絶えず変化する雲の形と影からインスピレーションを得たというデザインを、0.8mmと1.2mmのパーフォレーションで構成する最大10万7000個の穴で表現している。
木目パネルには、樹種を厳選したベニヤシートを手作業で染色し、微細な金属粒子を加えることで、繊細な輝きを放つ美しい独特の効果を生み出した天然オープンポア材「グレー・ステンド・アッシュ」を採用している。