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豊田自動織機とコカ・コーラ、国内初となる4本フォークタイプの自動運転フォークリフトの実証実験開始

2024年9月10日 発表

トラック荷役対応自動運転フォークリフト(4本フォークタイプ)

 豊田自動織機とコカ・コーラ ボトラーズジャパンは9月10日、豊田自動織機が開発した、国内初となる4本フォークタイプのトラック荷役対応自動運転フォークリフトの実稼働に向け、2024年9月より「コカ・コーラボトラーズジャパン白州工場倉庫」(山梨県北杜市)において実証実験を開始したと発表した。

トラック荷役対応自動運転フォークリフトの概要

「トラック荷役対応自動運転フォークリフト」は、自己位置検知・誘導用のインフラを設置しない環境下におけるトラックへの自動荷役を可能にしたフォークリフト。

 積み込み・積み下ろしの位置を把握するため、AIを搭載し、3D-LiDARを用いたトラック位置検出、ガイドレスでの自動運転に加え、画像認識・ディープラーニングを活用したマーカーなどの目印が不要なパレット位置・姿勢検出を実施。

 また、走行経路を自動生成するため、荷役位置を自動フォークリフトが自ら判断しながらトラックまでのアプローチ走行経路を自動生成することで、トラックの停車位置が一定でない状況下においても自動で荷役をすることが可能となり、パレット間の隙間も有人作業と同様のレベルで、積載効率を落とすことなく、トラックへ積み込みすることを実現する。

 飲料業界ではフォークを2つのパレットに同時に差し込んで荷役・搬送することが多く、その際に使用する4本フォークタイプのリフトを完全自動運転するもので、この技術の導入により、有人作業で行なっていたフォークリフトの運転やトラックへの積み込み作業を完全無人化することが可能となるとしている。今後は、2024年12月以降の白州工場倉庫での実稼働を見据え、両社で検証を重ねていく。

 なお、白州工場倉庫では製品を製造してから倉庫に保管するまでの工程を自動化するなど自動倉庫化を進めており、同自動運転フォークリフトが本格稼働すれば、製品を製造してからトラックに積み込むまでの全工程が自動化されることになる。

4本フォークタイプのトラック荷役対応自動運転フォークリフト

 両社が自動運転フォークリフトに取り組む背景としては、コカ・コーラ ボトラーズジャパンは、フォークリフトの操作は数cm単位のズレが作業に影響するため、人の経験や感覚に頼る部分が多いのが現状。そのため、欠員が出ると人材育成に時間を要することがあり、また夜間の有人作業においては人員確保が特に難しく、繁忙期や夜間の出荷体制に課題を抱えている。

 豊田自動織機では、昨今の労働力不足や物流量の増加を背景に自動化ニーズが一層高まる中、未だ有人作業が中心で自動化が進展していない領域であるトラックへの自動積み込みなど、不定位置荷役の作業にも対応する製品の開発に注力している。

 両社は飲料業界に対応した4本フォーク自動運転リフトの実用化や安定的な出荷体制の構築を図ることを目的に2023年より検討を開始。今回開始した実証実験結果の検証を経て、2024年12月以降の実稼働を目指していく。

 今後は両社で本格的な実稼働に向けた検証を重ねるとともに、この取り組みでの知見を活かし、物流業務の自動化や効率化を通じて物流2024年問題を背景とした人手不足などの社会課題の解決に貢献していくとしている。