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トヨタL&Fカンパニー、「自動運転フォークリフト」開発 AIや3D-LiDARにより自走からトラックの荷役まで対応

2022年9月13日 発表

AIによりトラックの荷役に対応する「自動運転フォークリフト」

人間の約5倍かかっていた作業時間を約2倍にまで短縮することに成功

 トヨタL&Fカンパニー(豊田自動織機)は9月13日、AIを搭載することでトラックや積荷の位置・姿勢を自動で認識し、自律的に走行経路を生成して荷役作業を行なう世界初の技術を導入した「トラック荷役対応 自動運転フォークリフト」を発表した。これにより、従来の定位置荷役に加え、トラックの停車位置や積荷の姿勢が一定でない状況下においても、荷役作業の自動化が可能になるという。

 トヨタL&Fカンパニーは1989年以降、倉庫など屋内での定位置荷役が可能なAGF(Automated Guided Forklift)をはじめ、物流自動化の製品ラインアップを拡充しているが、労働力不足や物流量の増加を背景に、自動化ニーズはさらに高まり、効率的な物流オペレーションの導入が喫緊の課題となっている。なかでも、未だに有人作業が中心で、自動化が進展していない「トラックの荷役作業」に対応する製品への要望は多く、トヨタL&Fカンパニーは2016年より開発に着手していた。

トラック荷役対応 自動運転フォークリフト

 今回発表した「トラック荷役対応 自動運転フォークリフト」は、3D-LiDARを用いたトラック位置検出、ガイドレスでの自動運転に加え、画像認識・ディープラーニングを活用したマーカーなどの目印が不要なパレット位置・姿勢検出技術や、パレットまでのアプローチ走行経路の自動生成方式を採用。

 2019年に開始した実証試験では、有人作業と比較して約5倍の作業時間を要していたが、技術検証と改良を重ねた結果、約2倍まで短縮することに成功したことで、自動運転・荷役における要素技術の開発を完了したという。

 また、実証試験はトラックの荷役作業において主に使用されるカウンタータイプで進めていて、狭小な作業現場への導入ニーズも高いことから、今後はリーチタイプにもトラック荷役機能を付与することで、機種展開の拡大を図るとしている。

 なお、トラック荷役対応 自動運転フォークリフトは、9月13日~16日まで東京ビッグサイトで開催されている「国際物流総合展2022」に出展中とのこと。