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日産栃木工場 工場見学者用ゲストホールがリニューアル 「日産のものづくりを存分に感じてほしい」と五月女峰行工場長

2024年9月26日 開催

栃木工場を訪れる工場見学者用ゲストホールのオープニングセレモニーを開催

 日産自動車は9月26日、同社栃木工場を訪れる工場見学者用ゲストホールのリニューアルを行ない、同日オープンした。これに合わせてオープニングセレモニーを開催し、栃木工場 工場長の五月女峰行氏があいさつを行なうとともに、上三川町 町長の星野光利氏、栃木県産業労働観光部次長 兼 産業政策課長の鱒渕繁義氏が参加して祝辞を述べた。

 栃木工場の生産品目はBEV(バッテリ電気自動車)「アリア」、そしてスポーツカーの「GT-R」「フェアレディZ」で、鋳造部品、アルミ部品、車軸部品なども生産している。生産能力は約19万3000台/年。記憶に新しいのは、2021年のアリア生産に伴い第2ラインに導入された、日産独自のクルマづくりコンセプト「ニッサン インテリジェント ファクトリー」だ。

 同コンセプトではBEV、e-POWER車、ガソリン車の生産に対応するパワートレーン一括搭載システム「SUMO(Simultaneous Underfloor Mounting Operation)」を開発するなど、電動化モデルの生産に対応するとともに、生産ラインの自動化も進められた。これまでは複数の工程を手作業で組み付けていたため、作業員には高負荷な作業姿勢が求められたが、SUMOでは全車共通のパレットにパワートレーンユニットを組み込むことで、同一工程で自動一括搭載を可能にしたのが特徴となる。

オープニングセレモニーの開催に合わせてニッサン インテリジェント ファクトリーの見学も。写真はSUMOで全車共通のパレットでパワートレーンユニットを組み込むところ。五月女工場長いわく、組立工程における自動化率はまだ1ケタ程度とのことだが、上を向きながら作業をするといったつらい作業の部分をSUMOが担うことで負担軽減ができたという

 そんな最新のコンセプトが用いられる栃木工場では、塗装工程を大画面で見ることができる「塗装シアター」(塗装工程ではホコリやゴミを嫌うため見学ができない)とニッサン インテリジェント ファクトリーを直に見ることができる工場見学プログラムが用意されるが、今回リニューアルされたゲストホールはこの工場見学者向けのものとなる。

 リニューアルに際し掲げられたコンセプトは「体験を通じて日産のものづくりを身近に感じてもらう」こと。新しいゲストホールでは同工場で生産する最新の車両を展示するとともに、クルマが安全や環境に配慮しながらどのように作られているのかを、「プレス」「車体(溶接)」「塗装」「組立」「検査」の5つの工程に分け、映像や部品の展示などを通じて分かりやすく紹介する。

4月からリニューアル工事を開始し、リニューアルオープンに至った工場見学者用ゲストホール。ホール内では随所に電動化をイメージしたブルーカラーを取り入れている
プレスについての紹介
車体(溶接)についての紹介。スポット溶接、ディンプル溶接、レーザーブレージングの解説も
塗装について。新型アリアから導入された新たな塗装工程では、ボディとバンパーの一体塗装・焼き付けを実現
組立について。ゼスチャーを交えながらSUMOを体験できる
検査について。栃木工場では品質を守るため、クルマ1台あたり700~1200項目の検査を実施しているという

栃木工場ゲストホール

住所:栃木県河内郡上三川町上蒲生2500
開館時間:月曜日~金曜日の9時~17時(ゴールデンウィーク、夏季休暇、年末年始休暇は休館)
見学申し込み:ゲストホールの見学は自由(無料)
※工場見学の申し込み
https://www.nissan-global.com/JP/PLANT/TOUR/VISIT/TOCHIGI/

栃木工場 工場長の五月女峰行氏

 オープニングセレモニーで登壇した五月女工場長は、「今回のリニューアルでは、体験を通じて日産のものづくりを身近に感じてもらうことをコンセプトに一新しました。クルマがどのように作られているのか各工程に分け、映像などで分かりやすく紹介しています。また目で見て、触っていただける体験型のコンテンツも用意しています。皆さまにはぜひ、この新しいゲストホールを通じて日産のものづくりを存分に感じていただければ幸いです」とコメント。

上三川町 町長の星野光利氏

 上三川町の星野町長は、新しいゲストホールが横浜の日産グローバル本社と雰囲気が似ていると感じたと述べるとともに、「昨年は日産自動車の創立90周年、栃木工場の設立55周年、そしてテストコースが50周年と記念すべき年となりました。12月には今年で42回目を迎えるNISSANしらさぎマラソンがありますが、テストコースを走らせていただけるということで、テストコースに初めて入ったランナーからは毎年どよめきが起こっています」などとし、町として日産とのかかわりについて感謝の意を述べた。また、上三川町の魅力が栃木工場や新しいゲストホールの魅力とともに発信されることへの期待感も示している。

栃木県産業労働観光部次長 兼 産業政策課長の鱒渕繁義氏

 また、栃木県 鱒渕氏は福田富一知事の祝辞を代読し、「2005年に竣工されましたゲストホールは、栃木工場で生産されるアリアやGT-Rといった最新車両の展示や、技術情報の発信拠点として地域の方々はもとより、県内外から幅広く愛されているところであり、日々自動車を生産する栃木工場の魅力を発信いただいております。今回のリニューアルは本県に取りましても、本県産業を力強く牽引する日産自動車栃木工業さまを通じて、栃木のものづくりの魅力をより体感できる拠点として、大変重要な役割を果たすものと確信しております。このゲストホールが地域の皆さまに愛され、多くの方々に訪れていただける場所になることを心から願っております。県といたしましても、本県産業の一層の成長を図るため、自動車産業の重点的支援に取り組んでいるところであり、栃木工場さまにはさらなる発展に向けて今後もできる限りの応援をさせていただきたいと考えております」とコメントした。