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スバルとマツダ、スバル航空宇宙部門のリサイクルカーボン技術由来で部品を共同開発 スーパー耐久での共挑忘年会がきっかけ
2024年9月28日 16:59
スバルとマツダがスーパー耐久でカーボンリサイクル部品開発
スバルとマツダは9月28日、スーパー耐久レースが開催されている鈴鹿サーキットにおいて共同会見。両社が共同でカーボン部品を開発し、スーパー耐久のモータースポーツ車両に投入していく。このカーボン部品は、スバルの航空宇宙カンパニーが航空機製造の際に発生してしまう端材を利用したもの。このカーボンリサイクル部品をマツダも利用していくという。
スバルはこのカーボンリサイクル素材をリアウィングとして利用。リアウィングのデザインにもスバルの航空宇宙開発部門が協力しているという。マツダはスバルから再生カーボンを樹脂含浸したシートを供給してもらい、それをオートクレーブで焼いて成形する。
Team SDA代表 本井雅人氏は、今回の共同開発において両社は契約を締結したと説明。現時点では素材をスバルから無償でマツダに提供し、マツダはオートクレーブで焼いて使うなどの活用データをスバルにフィードバックしていく。
この取り組みは、スーパー耐久で両社やトヨタなどが行なっている共挑(きょうちょう)での話し合い(ワイガヤクラブ)が起点になっている。マツダ エグゼクティブフェロー MAZDA SPRIT RACING 代表 前田育男氏は、「去年、本井代表のほうからカーボン材料ありますけど使えませんか?」との話をもらったといい、「去年の忘年会で、本井代表にそれ(カーボン材料)使っていいですか?」と伝えたのがきっかけと語った。
マツダはスーパー耐久最終戦富士から投入する車両にスバル製カーボンを使用したボンネット部品を装着。2025年シーズンには、フロントフェンダー、リアフェンダー、リアバンパーへと仕様範囲を拡大していく。
スバルのハイパフォXのリアウィングは航空宇宙カンパニーの空力的な知見が入ったものとなっているが、マツダとしては素材としての提供は受けるものの独自にデザインを行なっていく。ただ、スバル航空宇宙カンパニーの空力的な知見は魅力だと、前田氏は語った。
今回のスバルとマツダの発表は、スーパー耐久の共挑がきっかけとなった新しい取り組みとなる。スバル単独ではなく、マツダという異なる文化や技術を持つメーカーがカーボンリサイクル素材の活用を図っていくことで、資源の再活用に新たな視点が生まれていく。両社はカーボンニュートラル社会の実現に積極的に取り組んでいく。