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ジャパンモビリティショー2024、「モビリティ社会実現に向けた共創やオープンイノベーションに向けて」未来モビリティ会議 特別セッション開催

2024年10月15日〜18日 開催

経済キャスターの瀧口友里奈氏をモデレーターに展開された未来モビリティ会議特別セッション「モビリティ社会実現に向けた共創やオープンイノベーションに向けてのテーマセッション」

「ジャパンモビリティショー2024」が10月15日、幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)で開幕した。今回のジャパンモビリティショーは「CEATEC 2024」と併催で、「Japan Mobility Show Bizweek 2024」として開催される。入場は無料(全来場者登録入場制)。

 開催初日の10月15日、日本自動車工業会 会長の片山正則氏(いすゞ自動車 代表取締役会長CEO)が会期中展開される「未来モビリティ会議」の特別セッションに登壇。日本自動車部品工業会 会長の茅本隆司氏(日本発条 代表取締役会長)や、スタートアップ企業を代表してGlobal Mobility Service 代表取締役社長 CEOの中島徳至氏、LOOVIC 代表取締役の山中享氏とともに、「モビリティ社会実現に向けた共創やオープンイノベーションに向けてのテーマセッション」と題して、セッションが展開された。

未来モビリティ会議 特別セッション|JMS BIZWEEK 2024

 セッションの中で自工会の片山会長からは、モビリティ社会の実現に向けた取り組みについて、カーボンニュートラル、ものづくり、付加価値創造の3つをモビリティ社会実現の柱とし、カーボンニュートラルに関しては、マルチパスウェイ(多様な選択肢)を持ち、電動化社会を迎えることを目指すとし、付加価値創造では、従来の自動車中心ではなく、生活者の視点からサービスや社会構造を考えていく、ものづくりでは、550万人の従業員の雇用を守りながら、日本の競争力を高めていく、といった考えが述べられた。

未来モビリティ会議 特別セッションでマイクを握る一般社団法人 日本自動車部品工業会 会長 茅本隆司氏(日本発条株式会社 代表取締役会長)

 一方、自動車産業を支える部品工業会の茅本会長からは、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、ものづくりの効率化、人材確保が重要な課題となると指摘。カーボンニュートラルでは、EVだけでなく、合成燃料や水素燃料など、多様な選択肢が必要とし、ものづくりの効率化では、人口減少への対応が不可欠であるという。

 茅本会長は「いずれにしても重要なキーワードはですね、2050年も日本のモビリティ産業は、日本を支える基幹産業の1つであってほしい、ありたい、あるべきだと考えてますので、そういったことをどうやってバリューチェーン、サプライチェーン全体でやるか、1個1個もう地道にやっていくことと、それから先ほどから出ているような新しい知恵を、違う知恵をどうやって組み込むか、この2つがやはり解決策だと考えております。なかなか難しい課題なのですが、やはり必要な課題だと考えています」と話した。

Global Mobility Service 株式会社 代表取締役社長 CEOの中島徳至氏
LOOVIC 株式会社 代表取締役 山中享氏

 同セッションにはスタートアップ企業を代表して、金融包摂型のサービスとしてこれまでローンが組めなかった人々に新車購入の機会を提供しているGlobal Mobility Serviceの中島氏、音声ナビゲーションアプリなど、個人の経験に基づいた音声ガイドを提供し、移動支援を行なっているLOOVICの山中氏が参加、金融包摂型のモビリティサービスや音声ナビゲーションアプリなど、新しいアプローチで課題解決に取り組んでいて、スタートアップの柔軟な発想と技術が、モビリティ社会の実現に貢献できるとの考えが述べられた。

一般社団法人日本自動車工業会 会長 片山正則氏(いすゞ自動車株式会社 代表取締役会長CEO)

 特別セッションの「モビリティ社会実現に向けた共創とオープンイノベーションに向けて」というテーマに対して、片山会長は「まず結論から言いますと、今の自動車会社を中心とした既存のモビリティ産業の人たちだけでは、これはありえない、必ず新しい仲間たち、いろんな仲間たちを仲間として迎えないと、この問題は解けないと強く思っています。これは、先ほどからですね、山中さん、中島さん、茅本さんもうなずいているんですけれども、自分が思ってるのは、それぞれ新しい仲間が持っているものだけ持ち込んでも問題解決にならない、そこは必ず融合して初めて、知恵になるし、その知恵の部分が競争力そのものになるわけであって、そのためには多様性こそ、今の付加価値創造であったり、知恵を出すイノベーションの源泉だと、自分は強く思っていて、感じています」との思いを話した。

 具体的には多様性を受け入れることが重要になると、片山会長は「これ、いすゞの例で申し上げますと、当然いろんな人材の育成ということで、外部の人材教育のコンサルとかですね、何社かやってもらうのですが、部長以上の人材教育、それの結果の評価をみたときに、やっぱり驚くようなことが分かるんです。部長以上になると、みんな評価が一緒、要するに均質で同質化する。これ何が起こっているかというと、入社したときにはみんな個性がある、だけど会社がどんどん効率化を求めていくと、やっぱりそういう人たちが、だんだんカドが取れて、均質であるし同質化している。そうなったときに新しいイノベーションが出るわけない。効率はすごく高い、だけどもまさに今イノベーションの時代で新しい付加価値となれば、いかに異質を作るかということであって、その異質が今度はお互いに、その化学反応して、初めてそこで知恵が出てくる。強くいろんな形での多様性というものを、モビリティ産業がお迎えすると、それをそれぞれが本気でこの課題を達成していくという強い意志があって初めて、なし得ると思っているので、今回のジャパンモビリティショーをきっかけとして、多様性それからダイバーシティ&インクルージョンをやってまいりたいと強く思っています」と話した。