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CEATEC 2024で見つけたモビリティ関連技術 AI事故分析や自動運転、サウンドなど近未来を確認

2024年10月15日~18日 開催

ソニーが展示したクルマ用センサー搭載のモックアップ

 CEATEC 2024が開幕した。今回は会場は千葉市の幕張メッセで「ジャパンモビリティショービズウィーク2024」と共催となり、両イベントは申し込みすれば共通して入場できるイベントとなる。もともとCEATECはエレクトロニクス関連の展示会で、自動車関連では機器や電子部品、情報ソリューションなどを展示している。会期は10月18日まで、入場は登録制で無料。

 これまでもジャパンモビリティショーは東京モーターショーの時代からCEATECと連携することもあったが、今回が初めての共催というかたちとなった。また、CEATECでは自動車関連の展示が豊富にあり、過去に自動運転のデモを行なうなど、自動車部品以外の自動車との関連も深い。

 CEATECはSociety 5.0を目指す展示会としているが、今回は25周年ということで特別テーマ「Innovation for All」を掲げており、AIの展示にも力を入れ、自動車関連でもAIの活用といった点での展示が行なわれた。

センサー類を展示したソニー

 ホンダと協業した「AFEELA」が話題のソニーだが、今回はAFEELAの展示はなく「Hello, Sensing World!」としてイメージング・センシングテクノロジーに関する展示を行なっている。

前後左右とドライバー向けにセンサーを搭載

 今回の出展ブースで目を引くクルマのモックアップは、「Safety Cocoon(セーフティコクーン)」というコンセプトカーで、クルマの周囲を検知するセンサーの展示。クルマの周囲を検知し、早期に危険回避行動を支援するため、前後左右のセンサーを搭載している車両。

前方を見るLiDARとカメラ。下部には室内向けのセンサーもある
横向きのカメラ
後方のカメラ
室内センサーがとらえた室内の様子。ドライバーの前方注視状況や姿勢を見ている

事故報告書や過失割合をAIで自動作成するNEC

 NECは業務効率化などのソリューションを展示。そのなかでも「映像認識×生成AI」として長時間の動画から説明文書などを作成するサービスを展示している。

NECはさまざまな困りごとを解決するソリューションを展示

 動画から説明するデモの1つとして実演したのは、交通事故映像から事故報告書を作成するシステム。このシステムではAIが、クルマがぶつかった状況を自動で説明文を作り、さらに、過失割合も自動で計算して表示してくれる。

映像認識から事故報告書を作成、原因まで分析している
事故の過失割合までAIが算出してくれる

車載の薄型スピーカーやアクティブノイズキャンセリング

 TDKはパーソナル空間に薄型スピーカーや、アクティブノイズキャンセリング技術を設置して、その効果を試せた。空間は過去の展示会でも使っているものだが、今回は薄型スピーカーの装備とノイズキャンセリングシステムのバージョンアップを行なっていた。

TDKが展示したパーソナル空間。これまでにも使用しているカプセルだが、CEATEC 2024では展示内容をバージョンアップ
軽量な薄型スピーカーによって音楽再生のスピーカーを軽量化し配置の自由度も上がる
後方にもスピーカーがあり、シートに座るとノイズキャンセリングも作動する
ノイズキャンセリングは別のデモ機も展示。イヤホンなどなくても、決まった場所に頭を置くとノイズがカットされる仕組み

高速道路ソリューションを展示したNEXCO東日本

 東日本道路(NEXCO東日本)は、高速道路における取り組みなどを展示。主に道路を快適かつスムースに通行するための取り組みとなっており、リアルタイムな道路情報の収集と提供などの取り組みを説明した。ボードには、短期的な取り組みと長期的な取り組みをわかりやすく紹介している。

NEXCO東日本の高速道路における取り組みを展示。中央のポールは道路上に置かれる情報センサーの縮小模型
左側には020年の高速道路、左側は2030年の高速道路に導入される見込みの技術が記される

三菱電機は施設内の自動運転ソリューション

 リゾート施設など広い敷地内の自動運転ソリューションを三菱電機が展示。これは自動運転だけでなく、オンデマンド運行に対応。乗車定員が限られた乗り物ということもあり、スマートフォンから予約して乗車するまでの一連の制御をサービスするものとなる。

リゾート施設向け狭域自動運転サービス
QRコードをスマホやタブレットで読み込み予約サイトにアクセス。特に登録なしで乗車予約ができる。SMSは予約確認のために利用する

そのほかの展示ブース

 CEATEC 2024では自動車関連の展示も多い。自動車用半導体の展示が多い時期もあったが、現在はAIや周辺サービスなど自動車に関連する機器やサービスが多くなっている。

住友三井オートサービスは、自動運転車両やグリーンスローモビリティの車両を展示、販売やリースだけでなく、導入の相談から実際の導入まで一連のサービスを取り次ぐ
グリーンスローモビリティであるタジマモーターコーポレーションの「TAJIMA NAO2」は全国で導入が進む車両。住友三井オートサービスでも取り扱う
シャープは屋外対応のA0サイズ ePosterを展示。電子インクによる表示装置で、表示している間は電力がかからず液晶パネル等の電子サインより圧倒的に低消費電力。上部に太陽光パネルをセットすることで外部電源を接続することなく使用でき、遠隔で表示書き換えもできるほか、バス停などにも適しているという
シャープはV2H機器も展示している
村田製作所は充電池の短時間診断装置のデモを行なっている。通常は時間がかかる電池のチェックを独自の技術を使い短時間で計測できるという
太陽誘電は恒例の自動車用部品をモックアップ上にならべたものを展示
太陽誘電ブースにはエネルギー改修のため充電不要の電動自転車を展示
BASC(電池サプライチェーン協議会)では、V2Hの車両例としてレクサスRZを展示している
シミュレータ技術のフォーラム8は、複数のシミュレータを展示、なかでも建機訓練シミュレータも実際に操作できる
ヤマダ電機のグループの住宅メーカーであるヤマダホームズは、JAPANスマートホーム展に出展。EVと組み合わせた生活を提案する。指定の住宅ローンを利用するとEVも住宅の関連品として住宅ローンに組み込めるという