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ティアフォー、日立Astemoと自動運転システムやSDV領域で共同開発を開始

2024年10月17日 発表

 ティアフォーは10月17日、日立Astemoと、自動運転用オープンソースソフトウェア「Autoware」を活用した自動運転システムとSDV(Software-Defined Vehicle:ソフトウェア定義型自動車)の領域において共同開発を開始したと発表した。

 これまでも両社は、AWF(The Autoware Foundation)やSOAFEEなどのオープンコミュニティ活動の一環で継続的な技術連携を行なってきた経緯があり、その成果を基に2030年の量産車モデルに向けて新たな付加価値の提供を目指すとしている。

 日立Astemoでは、自動車メーカーに車両全体の設計を考慮したシステムを提案することを目指し、システム開発する際の基盤となるリファレンスシステム「IoV PF」(Internet of Vehicles Platform)の開発を進めるとともに、ソフトウェアの開発をクラウドの仮想環境で行ない、ソフトウェアの仕様を統一化できるクラウドネイティブ対応ソフトウェアアーキテクチャの開発にも取り組んでいて、このアーキテクチャに対応した自動運転ソフトウェアとして「Autoware」を使用する予定。

日立Astemoのリファレンスシステムとクラウドネイティブ対応ソフトウェアアーキテクチャ

 ティアフォーでは、AWFおよびSOAFEEの主要なメンバー企業と協力し、「Autoware」を基盤とした業界標準の自動運転システム開発キット「Open AD Kit」の仕様策定とリファレンス実装を主導してきた。今後、「Open AD Kit」のクラウドネイティブ仕様を拡充し、SOAFEE準拠のSDVアーキテクチャに基づいた自動運転システム開発を支援していく予定。

 今回のティアフォーと日立Astemoの協業を通して、日立Astemoが開発するリファレンスシステムも最大限に活用し、「Open AD Kit」の次世代プロジェクトを推進していく。

 これらに加え、ティアフォーでは、自動運転システムに特化したオープンで大規模な機械学習基盤と軽量なエッジAIモデルの開発にも注力しており、具体的には2024年1月にCo-MLOpsプロジェクトを開始し、世界中のさまざまな企業とデータを共有しながら機械学習やエッジAIの技術開発に取り組める仕組みを構築。今後、その仕様を「Open AD Kit」に導入し、日立Astemoが開発するリファレンスシステムとも連携していく予定。

ティアフォーが提供する「Open AD Kit」のリファレンス実装