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スズキ、バッテリEV世界戦略車の第1弾「e VITARA」 2025年夏ごろから日本を含め世界各国で順次発売

2024年11月5日 発表

スズキ初のBEV量産モデル「e VITARA」

 スズキは11月5日、同社初となるBEV(バッテリ電気自動車)の量産モデル「e VITARA」をイタリア ミラノで公開したと発表した。2025年春よりインドのスズキ・モーター・グジャラート社で生産を開始し、2025年夏ごろから欧州、インド、日本など世界各国で順次販売を開始する。

 e VITARAは2023年1月にインドで開催されたAuto Expo、同年10月に日本で開催されたジャパンモビリティショーで公開したコンセプトモデル「eVX」をベースとした量産モデルで、スズキのBEV世界戦略車第1弾となる。欧州向けの主要諸元表ではバッテリ容量が49kWhの2WDモデル、61kWhの2WD/4WDモデルを用意し、ボディサイズは4275×1800×1635mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2700mmとした。

「Emotional Versatile Cruiser」をコンセプトに、先進感と力強さを併せ持つデザイン、BEVらしいキビキビとしたシャープな走りを実現するBEVパワートレーン、悪路での走破性に加えパワフルな走りを提供する電動4WD「ALLGRIP-e」、BEV専用に新しく開発したプラットフォーム「HEARTECT-e」を特徴とした5名乗車仕様のSUVモデルになる。

スズキのBEV世界戦略車第1弾となるe VITARA
e VITARAのボディサイズは4275×1800×1635mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2700mm

 デザインは「High-Tech & Adventure」をテーマに、BEVの先進感とSUVの力強さを併せ持つスタイルとし、大径タイヤとロングホイールベースを特徴とした存在感のあるデザインで、インテリアには先進装備のインテグレーテッドディスプレイやタフな印象のパネルやセンターコンソールを採用。

 EVパワートレーンでは、モーターとインバーターを一体化した高効率のeAxleにリン酸鉄リチウムイオンバッテリを組み合わせ、発進時のキビキビとした加速と、低速から高速までの追越し時のシャープな加速を実現したという。システムの合計出力は49kWhの2WDモデルが106kW/189Nm、61kWhの2WDモデルが128kW/189Nm、61kWhの4WDが135kW/300Nmとなっている。

 電動4WDモーターで駆動する「ALLGRIP-e」は、スズキの強みである四輪駆動の技術を駆使し、前後に独立した2つのeAxleを配置。片側のタイヤが浮くような路面でも空転したタイヤにブレーキをかけ、反対側のタイヤに駆動トルクを配分(LSD機能)することで悪路からスムーズに脱出できるTrailモードも備えた。

 また、新しく開発したプラットフォーム「HEARTECT-e」では軽量な構造、高電圧保護、ショートオーバーハングによる広い室内空間を特徴とし、メインフロアはフロア下メンバーを廃止して電池容量を最大化しているという。

e VITARAのインテリア

 今回発表した「e VITARA」について、スズキの鈴木俊宏社長は「『e VITARA』は、お客さまにとって使いやすいBEVとするため、試行錯誤を重ねて開発した、スズキ初のBEVです。当社は、カーボンニュートラル社会の実現に向け、BEV、ハイブリッド車、CNG車など、地域に合ったさまざまな選択肢を提供してまいります。『e VITARA』の投入は、カーボンニュートラル実現のための非常に重要なマイルストーンとなります。今回の『e VITARA』を皮切りに、今後もさらにBEVのラインアップを拡充するとともに、それぞれの国や地域に適所適材なモビリティを提案してまいります」とコメントしている。