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マレリ、AIでモータースポーツ用エンジン・シャーシなどを制御する電子制御ユニット「VEC_480」

2024年11月13日(現地時間) 発表

AIベースの電子制御ユニット「VEC_480」

 マレリは11月13日(現地時間)、内燃機関からEV(電気自動車)まであらゆる種類の駆動に対応したモータースポーツ・アプリケーションとして、新たにAIベースの電子制御ユニット「VEC_480」を発表した。

 VEC_480は、モータースポーツ向けの従来の車両制御ユニット(VCU)の標準を刷新し、卓越した性能、効率性、信頼性、計算能力および、高度な接続性を提供。VCUとは、エンジンとシャーシの制御と作動、データロギング、テレメトリやクラウドへのゲートウェイ、車内ネットワーキングなどの機能を単一のデバイスに統合する高性能な制御ユニットで、VEC_480は従来のVCUと比較して、リアルタイムのコンピューティング性能は2.5倍向上し、プロセッサ間の帯域幅は10倍に増加。RAMメモリの帯域幅も改善されており、重要な車両操作を繰り返す際の信頼性が高まっているとのこと。

 VEC_480はマレリ・モータースポーツの車両制御ソリューションに関する確固たるノウハウに基づき、リアルタイム(ミリ秒単位)でニューラル・ベース・アルゴリズムの増大する複雑さを管理するように設計。これは、最大26TOPS(テラ・オペレーション/秒)という高い計算能力を持つ先進的なAIアクセラレータ(NPU)の採用により実現されており、車両内部ネットワーキングとエンジン、または車両管理の可能性を拡大するとしている。

 デバイスに埋め込まれた協力なAIアクセラレータは、低遅延で高効率のリアルタイムAI推論をサポートし、ニューラル・バーチャル・センサー、AIによるデータ推論、リアルタイム・ビデオ処理(トラック検出、オブジェクト検出など)、位置特定とポジショニング、パフォーマンス分析、予測分析、音声認識など、多くの機能を実現。この技術はTensorFlow、TensorFlow、 Lite、Leras、PyTorch、ONNXなどの主要なAIフレームワークと互換性があり、サポートされている。

 マレリ・モータースポーツは、レーシング車両向け技術開発を加速する存在であり、迅速で最適化された設計を通じて自動車事業への技術の転移を可能にするとした。