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ラリージャパン2024に参戦する「アルピーヌ A110 R-GT」「ルノー クリオR3」ってどんなモデル?

日本初登場のアルピーヌ A110 R-GT

 11月21日、愛知県・岐阜県を舞台に開幕したWRC第13戦「フォーラムエイト・ラリージャパン2024」が開幕した。

 世界を転戦する選手権だけに普段日本では見られないマシンもエントリーしているが、フランスに拠点を置くCHAZELチームから参戦する「アルピーヌA110 R-GT」「ルノークリオ R3」も日本初登場のマシンだ。

アルピーヌ A110 R-GT

 アルピーヌ A110 R-GTはラリーに特化したスペシャルモデルで、すでに70台以上のマシンがデリバリーされている。ベースとなるA110からモディファイされたパーツは約3割程度。6速のシーケンシャルトランスミッションのほかストロークを伸ばすために前後のシックアブソーバーの取り付け位置が変更されており、特にリアはストローク量を確保するためにエンジンの搭載位置まで高められているのが特徴だ。また、各部に軽量化されたパーツも使用されていてロールバー込みでも1100kg以下に収められているという。

リアのストローク量を確保するためエンジンの搭載位置まで高めたというエンジンルーム
ステアリング下部のダイアルは向かって左からエンジンマップのセレクター、ABS、トラクションコントロール

 ステアリングには操作に必要なボタンやダイヤル、各種情報の表示を集約させていて、まるでF1マシンのようだ。ドライバーはベルギーのベテラン、アーマンド・フマル選手、コ・ドライバーはフランスの若手ジュールズ・エスカルトフィグ選手。「日本のコースはコース幅が狭くタイトターンが多いのがとても特徴的だ」とフマル選手は語る。4WD車が圧倒的に多いラリーにおいて、数少ないリア駆動の2WDマシンであることを意識してみるのもおもろしろいだろう。

コ・ドライバーのジュールズ・エスカルトフィグ選手(左)、ドライバーのアーマンド・フマル選手
DAY1のTOYOTA STADIUM(SS1)を走るアルピーヌ A110 R-GT

ルノー クリオR3

シェイクダウンを行なうルノー クリオR3

 ルノー クリオR3は、ラリー5、ラリー4、ラリー3のモデルを揃えるクリオのラリーカーの中では最も上位に位置し、このR3のみ量産車にはラインアップされていない4WDモデルとなる。

 エンジンはルノー クリオの1.3リッターエンジンだがターボは低速トルクを重視しエスパスやセニックのものを採用し、5速のシーケンシャルが組み合わされる。世界選手権を戦うスペシャルモデルながら、フランス・ディエップ工場で生産されている内製モデルだ。4WDシステムはSADEV製を採用している。ちなみにWRC3カテゴリーでライバルとなるフォード フィエスタR3も4WDシステムはSADEV製とのこと。ドライバーはジュバンニ・ロッシ選手、コ・ドライバーはキリアン・サルメザン選手。

ルノー クリオR3のエンジンルーム
アルピーヌ A110 R-GTとは対照的なシンプルなステアリング
黄色いレバーがブレーキ、奥の青いレバーがシフトレバー

 WRC3カテゴリーや欧州で行なわれているRGTのマシンまでを一堂に見られるのは、世界選手権が日本で開催されるからこそだ。トップカテゴリーの華やかさとはちょっと違う、でもラリーの本場・欧州で戦うマシンを身近に目にすることができるのはリエゾンという一般道を使って移動するラリーという競技ならでは。SS観戦やサービスパークはハードルが高いという人も、週末はちょっと足を運んでホンモノの雰囲気を感じてみてはいかがだろうか。