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ソニー、新たな移動体撮影システム「PXO AKIRA」公開 カーシーンなどの撮影労力と予算を大幅に削減可能

2025年1月6日(現地時間) 発表

移動体撮影システム「PXO AKIRA」

 ソニーは1月6日(現地時間)、CES2025のプレスカンファレンスにて、オールインワンの移動体撮影システム「PXO AKIRA」を公開した。

 PXO AKIRAは、モーションプラットフォーム、ロボットカメラクレーン、LEDボリューム、レーシングシミュレータを組み合わせて、車両やその他の乗り物の動きを撮影できる画期的なプラットフォーム。

PXO AKIRAを紹介するPXOのCEO Jonny Slow氏

 これまでカーシーンなど乗り物の撮影には、道路の閉鎖や警察の協力、引っ張り撮影車両など、大きな労力と多額の予算が必要となるだけでなく、天候の変化など予測不能な事態の発生も課題となっていた。

従来の移動体の撮影方法は大きな労力と費用がかかっていたという

 そこで2023年9月にソニーグループへ参画したPXO(Pixomondo)は、乗用車からバイク、飛行機、ヘリコプター、ボートなど、さまざまな形状や大きさのあらゆる乗り物を撮影できるコンパクトな「モーション・プラットフォーム」を開発。

PXOが開発したモーション・プラットフォーム
乗用車、バイク、レーシングカー、飛行機、ヘリコプター、ボートなど、あらゆる移動体に対応できるとしている

 プラットフォームは簡単に拡張でき、カメラやライトを自由に装着できるモジュール式リギングシステムを採用していて、サスペンションやホイールの回転機能などを個別に制御でき、制御不能なヘリコプターの螺旋降下も再現できるという。また、ロボットカメラクレーンの「テクノドリー」は世界に4台しかない製品で、複雑なカメラワークが可能という。

世界に4台しかないというロボットカメラクレーン「テクノドリー」

 さらに、高度な3D再構築技術で現実世界の環境を簡単にスキャンして再現できるほか、PXO AKIRAのシステムとブルースクリーンやグリーンスクリーンを統合し、VFX(Visual Effects)を組み合わせることで、ストーリーに重要な場所を制作スタジオ内に再現できる。

車両の前に半円状のスクリーンを設置して、リアルな背景を合成すれば難しいシーンも簡単に撮影できるようになる
実際に走っているかのようなシミュレータとしても利用可能

 PXOのCEOであるJonny Slow氏は、「PXO AKIRAを利用することで、移動する乗り物の機敏な動きをリアルにとらえ、車両と背景をともに撮影することで、視聴者をさらにアクションに引き込める」と説明している。

PXO AKIRA | Product Overview(6分9秒)
3D Reconstruction Tool | Product Overview(3分12秒)

 ソニーはクリエイティブエンタテインメントカンパニーとして、10年後に“感動”で満ちた未来を描く長期ビジョン「Creative Entertainment Vision(クリエイティブ エンタテインメント ビジョン)」を掲げ、クリエイターの創造性を解き放ち、IPの価値最大化の取り組みを推進するとしている。