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三菱自動車、日産自動車大学校 京都校に「アウトランダーPHEV」寄贈 メーカーの垣根を超えた取り組みで整備士育成を活性化
2025年2月3日 11:00
- 2025年2月2日 開催
三菱自動車工業は2月2日、日産自動車大学校 京都校(京都府久世郡久御山町林)に「アウトランダーPHEV」を寄贈し、その式典を開催した。寄贈式典には三菱自動車工業 国内営業本部 本部長補佐の山西学氏、日産京都自動車大学校 校長の川嶋則生氏、西日本三菱自動車販売の藤本優輝氏、日産・自動車大学校 学長の本廣好枝氏が出席して今回の取り組みの紹介などを行なった。
今回の取り組みは、少子化や若者のクルマ離れといった理由から近年自動車備士の担い手が減少しているという業界全体の課題に対し、アライアンスを組む三菱自動車と日産(日産自動車大学校)が整備士を目指す学生の育成、採用の活性化を目的として展開する共同施策のうちの1つ。
三菱自動車では自動車整備専門学校を保有していない一方で、日産自動車大学校で取得した日産の社内資格を三菱自動車の社内資格としてみなし認定する施策がある。そのため日産自動車大学校を卒業した生徒は、日産の販売店でも三菱自動車の販売店でも仕事をすることが可能になっている。
今回、PHEV(プラグインハイブリッド)の理解促進に役立てるべく京都校にアウトランダーPHEVを寄贈するにいたっており、エンジン、駆動用バッテリ、モーター、ジェネレーター、インバーターなど、内燃機関車と電動車のコンポーネントをもつアウトランダーPHEVは最適の教材として授業で使われることとなる。日産自動車大学校 京都校では日産車以外にもマツダのロータリーエンジン搭載車、スバルの水平対向エンジン搭載車といった日産車以外の教材も用意されるが、PHEVが教材として加わるのは今回が初のことになるという。
寄贈式で登壇した三菱自動車の山西氏は、三菱自動車が2016年に日産・ルノーアライアンスの一員となり、そこから日産並びに日産・自動車大学校と少しでも整備士を目指す学生を増やす取り組みができないかという思いで共同施策の道を模索してきたといい、「昨年度は日産自動車さま、日産・自動車大学校さまのご理解を得ることができ、三菱自動車の販売会社から入学した学生に対して、日産・自動車大学校さまにおいて取得した日産さまの社内資格を三菱自動車の車内資格とみなして認定するなど、共用施策を形にすることができました」と説明。
また、日産自動車大学校 京都校にアウトランダーPHEVを導入したことについては「大変意義のあることだと感じるとともに、本日このような日を迎えられたことを大変うれしく思っております。アウトランダーPHEVは三菱自動車らしさを象徴するクルマとして、これまでお客さまの新しい挑戦や冒険を後押しするクルマと評価いただいております。学生の皆さまには、普段触れることのないアウトランダーPHEVの機構やその特徴を存分に味わっていただきまして学びを深めてくれること、そしてそういう教材にこのクルマがなってくれることを期待しています」とコメントした。
一方、日産京都自動車大学校の川嶋校長は日本で整備士が不足している問題について触れ、「これは日本すべての自動車産業の最重点課題だと認識していることだと思っております。そんな中で、その整備業界を支えようとしてくれているのが留学生たちです。私どもも一生懸命、学生の募集に励んでおりますけれども、2025年4月入学の学生の数は総勢245名プラスαがあるかどうか、そんな状況ですけれども、日本人がそのうち120名。何が言いたいかというと、実は半数以上が留学生で支えている、そんなような状況になっています。できるだけ日本人を獲得したいということで、現在当校および日産が取り組んでいますのは、いかに販売会社さんと連携して学生を集めるかということになります。参考に申し上げますと、120名の日本人の学生さんのうち32名は販売会社さんから紹介をいただいた学生さんです。そして、その販売会社さんから何がしかの奨学金をつけていただいて入学いただき、その奨学金をいただいた暁にはその販売会社さんに就職が確約されるという学生さんです。そういった仕組みもようやく数年かけて定着して、今ここまで来ております」。
「留学生についても、お金がない中で一生懸命アルバイトをしながら働いて、学費を払って当校で学んでいます。非常に苦労しながら学んでおりますけれども、時には日本人よりも優れた学生もいる、そして社会に出て日本人よりも活躍している学生もいる。そういったすばらしい卒業生が当校から排出できてることを非常に誇りに思いますし、そういった卒業生がこの日本の整備業界を支えているというところに強い使命を感じています」と述べた。