ホンダ、次世代燃料電池モジュールの仕様とスペック世界初公開 現行モデル比でコスト半減、耐久性2倍以上、容積出力密度3倍以上に

ホンダが公開した次世代燃料電池モジュール

　本田技研工業は2月19日、2027年度に量産開始予定の次世代燃料電池モジュールのスペックを「第23回 H2＆FC EXPO【春】～【国際】水素・燃料電池展～」（東京ビッグサイト：2月19日〜21日開催）で世界初公開した。

　今回公開した次世代燃料電池モジュールは、GM（ゼネラルモーターズ）と共同開発した現行モデルの次世代となるモデルで、ホンダが独自に開発した燃料電池モジュール。

　定格出力150kWを実現するほか、現行モデルに対して製造コストを半減し、耐久性を2倍以上に向上。また、容積出力密度を3倍以上に高めて小型化を実現したことで、搭載レイアウトの自由度が向上した。

　展示された次世代燃料電池モジュールは、商用車などを含めた発電用途に向けた仕様で、ホンダでは、次世代燃料電池モジュールの搭載・適用ドメインや販売地域を拡大していくことで、持続可能なエネルギー社会の実現へのさらなる貢献を目指す。

Honda次世代燃料電池モジュールの主要諸元

最大出力（Net）：150kW
出力電圧：450～850V
最大効率（Net）：59.8%
モジュール寸法：730×580×700mm（幅×奥行き×高さ）
容積：300L
容積期出力密度：0.50kW/L
重量：250kg
重量出力密度：0.60kW/kg
環境温度：－30°C～＋60°C
保管温度：－40°C～＋60°C
最大標高：3500m
保護等級：IP67相当
CAN通信規格：ISO11898

ホンダが公開した次世代燃料電池モジュールのスペック

ホンダが公開した次世代燃料電池モジュール

GMと共同開発した燃料電池システム

　会場では、2026年に生産開始を予定している燃料電池定置電源のモックアップも展示。ホンダの燃料電池自動車「CR-V e:FCEV」にも搭載されている燃料電池を活用し、工場や事業所などの大型施設向けに水素由来のクリーンな電力を供給する定置型蓄電システムとなる。冷却システムや内部レイアウトの設計を最適化することでコンパクトなサイズを実現し、利用者の設置環境に柔軟に対応。また、信頼性の高いバックアップ電力を迅速に提供するために、起動から10秒以内に電力の供給を開始する高い応答性を目指す。