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ホンダ、新型バッテリEV「ゼロシリーズ」は180kWと50kWのeアクスルでRWDやHEVとの組み合わせも用意 2030年までに7モデル
2024年10月9日 06:42
2030年までに7モデルをグローバルで投入するゼロシリーズ
本田技研工業は2026年から市場投入を予定している新型バッテリEV「Honda 0(ゼロ)シリーズ」について「Honda 0 Tech Meeting 2024」を開催し、ゼロシリーズの要素技術やラインアップなどを明らかにした。
新型バッテリEVであるゼロシリーズは、2024年1月開催の「CES2024」で「SALOON(サルーン)」「SPACE HUB(スペース ハブ)」の2つのコンセプトモデルを発表。その中でも、サルーンは市販モデルに近いディメンションであるとしていた。
開発コンセプトは“Thin, Light, and Wise.(薄く、軽く、賢く)”で、バッテリなどで重くなりがちなこれまでのバッテリEVとは一線を画す新世代EVを目指している。あまりに画期的なデザインであることから、発売はまだまだ先と思われていたが、今回ホンダは0 Tech Meeting 2024で、さまざまな技術を公開。2026年にサルーンを市場投入することが可能であることを強く印象づけた。
ゼロシリーズは、コンセプトにかなり近い形でサルーンを2026年に市場投入するとしているほか、2030年までに小型から中大型モデルまで、グローバルで7モデルを投入する計画と発表した。
180kWのメインeアクスルと、50kWのサブeアクスル
ゼロシリーズを構成するパワートレーンとしては、フロントやリアに搭載可能な180kWのメインeアクスル、メインとの組み合わせでフロントに搭載するほか、ハイブリッドエンジンとの組み合わせでリアに搭載可能な50kWのサブeアクスルを公開。この2つのeアクスルと、ハイブリッドエンジンの組み合わせで4種類のパワートレーン構成を採ることを明らかにした。
1.AWDモデル フロント180kWメイン+リア180kWメイン
2.AWDモデル フロント50kWサブ+リア180kWメイン
3.RWDモデル リア180kWメイン
4.BEV/HEVシェアードモデル AWD フロントHEV+リア50kWサブ
これらの構成から推測できる部分として、バッテリEVモデルの動的設定はリア駆動をメインに考えていることだ。実際に担当者に話を聞いてみても、リア駆動をメインに考えているとし、ホンダらしいバッテリEVの走りを築こうとしているのかもしれない。
エンジンユニットも用いるBEV/HEVシェアードモデルは、フロントの出力が不透明だが、これはバッテリEVが主流となるまでのつなぎのモデルに見え、従来のFWDをベースとしたホンダの動的設定なのかもしれない。いずれにしろホンダは、低ハイトのメインeアクスル、さらにコンパクトなサブeアクスルという考え方でゼロシリーズを構成していこうとしている。
この新型eアクスルは、ハイブリッド車の開発で培ったモーター、インバータ技術をEVに活用し、インバータを約40%小型化。そのことで、インバータをモーター部の横に配置して縦方向のサイズを抑えている。
ゼロシリーズのパッケージではリアの出力を大きく持つような設計がなされているが、50kWサブ駆動用のインバータは180kWメインのeアクスルに集約。このような工夫により50kWサブのeアクスルは小型化が図られており、フロントに用いる際はより低いボンネット高などを実現できるものと思われる。eアクスルユニットは、SiCインバータとすることや、モーターも独自コイル配置ステータとすることで効率化を図っている。