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スズキ、新中期経営計画「By Your Side」発表 2031年3月期に売上収益8兆円、営業利益8000億円を目指す
2025年2月20日 11:36
- 2025年2月20日 発表
スズキは2月20日、2025~2030年度に向けた新中期経営計画「By Your Side」を発表した。新たな経営目標として、2030年代前半に営業利益率10.0%以上、ROE 15.0%以上の実現を目指すとし、2031年3月期に売上収益8兆円、営業利益8000億円、営業利益率10.0%、ROEは13.0%の目標を掲げた。
新たな中期経営計画では、チームスズキは「生活に密着したインフラモビリティ」を目指すとし、創業の精神や、「社是」と3つの行動理念「小・少・軽・短・美」「三現主義」「中小企業型経営」からなるスズキのOS(オペレーティングシステム)を、コーポレートスローガン「By Your Side」として表現した。
2021~2025年度の現中期経営計画の振り返りについては、2026年3月期の経営目標値、売上高4.8兆円、営業利益率5.5%、ROE8.0%に対して、2024年3月期の実績として売上高5.4兆円、営業利益率8.7%、ROE11.7%を達成。
販売台数は未達も、為替や売上構成の改善、品質の改善等により、売上・利益目標を前倒しで達成。電動化をはじめカーボンニュートラルの取り組みを積極的に推進し、成長への足場固めが進展。一方、インド市場でシェア下落や電動車の競争激化等、事業環境が変化。戦略の再考が必要と総括した。
新中期経営計画における具体的な取り組みとして、商品面では、日本市場においては、日本市場に合わせたラインアップ拡充を図るとともに、スーパーエネチャージ投入といったHEV(ハイブリッド車)の強化、2025年度中にBEV(バッテリ電気自動車)として「e VITARA」、軽商用バンBEVの2モデル導入、2030年度までにBEVの6モデル投入を計画。
インド市場では、自動車のリーディングカンパニーとしてシェア50%を目指すとともに、インドの需要を賄うため、また輸出拠点として拡大するために、年400万台の生産体制を目指すとし、BEVの生産/販売/輸出の1位を目指すという。
トヨタ自動車とのアライアンスに関しては、技術領域では、衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術、BEVユニットとプラットフォームの共同開発など、互いに切磋琢磨する競争者であり続けながら、イコールパートナーとしての協業を継続。協業を通じて、マルチパスウェイでのカーボンニュートラル社会の実現を目指し、両社が共に成長し続けるとした。
また、各市場(インド/アフリカ/欧州/日本)における車両相互供給として、スズキからトヨタへは、共同開発したBEVユニットとプラットフォームでスズキが開発した車両「e VITARA」のほか、「バレーノ」「エルティガ」「フロンクス」「シアズ」「セレリオ」。トヨタからスズキへは、「ランディ」「インビクト」「アクロス」「スウェイス」の供給が行なわれる。
このほかにもさまざまな取り組みが行なわれるが、EV比率の増加や労務費の上昇、取引先基盤強化を含む原材料費の上昇に対して、販売台数の増加や商品価値、ブランド価値の向上等による収益性の改善を通じて利益成長を継続。2030年代前半にさらなる高い収益体質を実現することを見据えて、必要な投資を遂行するとしている。