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スズキ「ジムニーノマド」発表会 ジムニーの生みの親、故・鈴木修氏の誕生日に5ドアの新型ジムニーを発表
2025年1月31日 00:00
- 2025年1月30日 実施
「新型ジムニー ノマドは幅広いお客さまの期待に応えることができるモデル」と鈴木俊宏社長
スズキは1月30日、「ジムニー」シリーズ初となる5ドアモデルの新型小型車「ジムニー ノマド」を4月3日に発売すると発表した。
ジムニー ノマドはジムニーシリーズが持つ悪路走破性はそのままに、リアドアの採用やホイールベースを340mm延長するなど後席の居住性・快適性を向上した4人乗りモデル。グレードは「FC」のみの設定となり、価格は5速MT車が265万1000円、4速AT車が275万円。
1月30日に行なわれた発表会では、スズキ代表取締役社長 鈴木俊宏氏が出席。冒頭のあいさつでは、「実は本日、ジムニーの生みの親である、故・鈴木修の誕生日です」と切り出し、2023年1月にインドのオートエキスポで初めて5ドアモデルをお披露目したこと、現在はインドから中南米、中近東などにも輸出していることなどに触れたのち、「ノマドという名前は、1990年に発売した『エスクード ノマド』から受け継いだもので、フランス語で“遊牧民”を意味します。たっぷりの荷物を積んで縦横無尽に走りまわるクルマというイメージを投影しており、日本導入にあたってこのクルマの特徴を象徴するネーミングとしてぴったりだと考えています。ぜひこの新たなジムニー ノマドをご愛用いただき、育てていただきたいと考えています。新型ジムニー ノマドは幅広いお客さまの期待に応えることができるモデルになり、皆さまとのつながりを深め、ともに新たな冒険を楽しむための相棒になると確信しています」と、ジムニー ノマドについて語った。
続けて、ジムニー ノマドのチーフエンジニアを務める佐々木貴光氏が登壇。初代ジムニー誕生から2025年で55年になる歴史を振り返るとともに、日本を含む世界199の国と地域で選ばれるモデルになったことを紹介。ジムニー ノマドの開発ターゲットを、「ジムニーの魅力をより多くの人に届けることを目指し、日常生活でジムニーの性能を必要とする人」と定め、ジムニーの価値を改めて徹底的に調査・分析し、「合理的で無駄のない機能美を追求したデザイン」「後席の乗降性・乗り心地・居住性の向上」「使い勝手のよい荷室空間」「伝統の基本構造と本格4WD性能の継承」という特徴を持つモデルとした。
佐々木氏は「新型ジムニー ノマドは、ジムニーが歴代で積み上げてきた価値と伝統を大切にしながら、多くの方々にその魅力を届けたいという思いで開発をしました。新型ジムニー ノマドの誕生は、ジムニーが持つ自由と冒険の精神をさらに多くの方々と共有するための新たな一歩です。家族や友人との冒険をより楽しく快適にする新しい選択肢になると信じています」と述べた。
最後に、日本営業本部 本部長 玉越義猛氏が営業施策について説明。4月3日の販売までは展示車がないことから、実際に見て、触れられる先行展示会を全国47都道府県、47会場のショッピングモールなどで実施。さらに、アウトドアイベントへの出展も計画しているとのこと、大人がしっかり座れる後席や、広くなった荷室をユーザーの利用シーンの中で実感できるような場を設けていくとした。
質疑応答では品質や価格についての質問に鈴木社長らが回答
発表会ではプレゼンテーション後に質疑応答も行なわれ、鈴木俊宏社長、佐々木貴光チーフエンジニア、玉越義猛本部長が質問に回答した。
質疑応答の中で、ジムニー ノマドがインドで生産されて日本に運ばれてくることから、品質についてはどのように管理しているのかという質問があり、それに対して佐々木チーフエンジニアは「品質の差はございません」と述べ、「品質の差がないように、車両開発の段階で現地へ行ってクルマを見て、日本の目線でしっかり品質の作り込みを行ないました。工場から出荷される段階で、もう日本の品質になるようにしています。また、日本に運ばれてきてからは湖西工場にクルマを搬入して、最終の品質チェックを行ないます」と、しっかりとした品質管理を行なっていくことを強調。
加えて、玉越本部長が同じくインドで生産されている「フロンクス」の事例として「品質に関してネガティブなご意見はほとんど入ってきていないような状況です」という説明を交えつつ、「生産国によっての心配というのはないとは言いませんし、特にインドの場合は輸送距離が長いということもあります。そのあたりの対応をしつつ、とにかくスズキ品質で皆さまに提供するということでしっかりやってまいります」と補足した。
また、「物価高騰もある中で価格設定が難しかったのでは?」という質問に対して、玉越本部長は「頑張ったつもりです。商品のよさをていねいに説明して、販売をさせていただきたいと思っています」と回答。鈴木社長は「フロンクス以降のクルマは、僕自身は安すぎるんじゃないかと国内営業にちょっと言ってはいます。そういう中で頑張ってくれたのかなと。設計者の思い、開発者の思い、製造者の思いがありますから、そういうものをしっかりと伝えて、適正価格で買っていただくということを国内営業にお願いしたい」と述べた。