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写真で見る スズキ「ジムニー」「ジムニーシエラ」

1970年から続く本格派オフローダーの4代目モデル

4代目となったジムニーシエラ(左)とジムニー(右)

 コンパクトな本格派オフローダーとして高い人気を誇るスズキ「ジムニー」。初代モデルが登場したのは、およそ半世紀前となる1970年のこと。日本車の場合、4年程度でフルモデルチェンジが行なわれるのが一般的だが、2代目ジムニーがデビューしたのは1981年。そして3代目は大きく飛んで1998年と、10年を超える長いスパンで代替わりしてきた。

 そして2018年、いよいよ4代目がデビューする。新型は基本モデルとなる軽自動車枠のジムニーに加え、小型車サイズの「ジムニーシエラ」も同時に発売される。両車はボディとシャシーはほぼ同等で、パワートレーンまわりとオーバーフェンダー装着によるワイドボディ化が大きな変更ポイントだ。

 新型ジムニーがターゲットとして想定したのは、ジムニーの性能を最大限に活用する「プロユーザー」。こうした層を満足させるために「本格的な4WD性能と無駄のない機能美を併せ持つ世界に認められるコンパクト4×4」をコンセプトに開発された。

 4WD性能を支えるシャシーまわりは、ねじり剛性を高めた新開発ラダーフレームをベースに、前後3リンクリジッドアクスル式コイルスプリングサスペンションを組み合わせたもの。そこに載せられるパワートレーンはエンジンを縦置きとしたFRレイアウトに、副変速機付きのパートタイム4WDという伝統的な構成を踏襲。それに加えて空転するタイヤにブレーキを掛けることで脱出性能を高める「ブレーキLSDトラクションコントロール」、登坂および降坂をサポートする「ヒルホールドコントロール」や「ヒルディセントコントロール」といった、イマドキの機能も備えている。

 もう1つイマドキの機能という点では、予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」の採用もポイント。これは単眼カメラとレーザーレーダーを備えた「デュアルセンサーブレーキサポート」による衝突被害軽減ブレーキのほか、「車線逸脱警報機能」「ハイビームアシスト」「誤発進抑制機能(4速AT車)」などを装備。さらに、車両進入禁止や速度制限などの道路標識を認識し、メーター内に表示する「標識認識機能」も備えた。衝突安全の面においても、軽量衝撃吸収ボディ「テクト」に加え、歩行者との衝突時に被害を軽減する構造を採用。乗員向けのモノとしても「フロントシートSRSサイドエアバッグ」「SRSカーテンエアバッグ」を全車に標準装備としている。

初代モデル
2代目モデル
3代目モデル
新開発ラダーフレームを採用
対地障害角
トレッドサイズなど
ジムニーのパッケージング
ジムニーシエラのパッケージング

ジムニー

 ボディサイズは軽自動車枠に縛られることもあって、3395×1475×1725mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2250mmと先代とほぼ変わらず。フロントオーバーハングが10mm伸びた半面、リアオーバーハングが10mm短縮されているのが目立つ程度だ。一方、室内では前後乗員間距離が40mmプラスとなるなど、居住性の改善が図られている。また、荷室においても容量を352L(XGは377L)とアップしたほか、開口幅や高さを拡大することで使いやすさを向上させている。

 エンジンは直列3気筒 0.66リッターインタークーラーターボの「R06A」型を搭載。スペックは最高出力が47kW(64PS)/6000rpm、最大トルクが96N・m(9.8kgf・m)/3500rpm。トランスミッションは5速MTと4速ATが用意されており、WLTCモード燃費は順に16.2km/L、13.2km/L。

 グレードはベースモデルとなる「XG」のほか「XL」、最上級となる「XC」の3タイプ。ボディカラーは「キネティックイエロー」などモノトーンが9色、さらにXCにはルーフをブラックとした2トーンカラーが3色のほか、ボンネットをブラックにしたブラックトップ2トーン(受注生産)も設定される。

 価格は5速MTのXGが145万8000円、XLが158万2200円、XCが174万4200円(4AT車は9万7200円高)。XGとXLにオプション設定(XCは標準)されるスズキ セーフティ サポートは4万2120円。

撮影車両は最上級グレードとなるXC。ボディカラーは「キネティックイエロー」
丸みを帯びた先代(3代目)に対し、新型は2代目を彷彿とさせるスクエアなボディ形状に。ルーフまわりにはドリップレールも復活
グリルやバンパーに無塗装パーツを採用。ヘッドライトウォッシャーはXCのみ標準装備
フロントウィンドウ上部に単眼カメラとレーザーレーダーを配置
ガソリンは無鉛レギュラー仕様。燃料タンク容量は40L。このモデルのボディカラーは「シフォンアイボリーメタリック」
リアバンパーも無塗装
リアワイパー&ウォッシャーは全車標準装備
バックドアのハンドルとドアロック解除用のリクエストボタン
エンジンは「R06A」型が縦置きされる
バッテリーは軽自動車としては大型の55B24Lを搭載
車両型式はJB64W
フロントサスペンション
リアサスペンション
タイヤサイズは175/80 R16。撮影車両はブリヂストンのOE向けとなるデューラーH/T 684IIを装着。XCのみアルミホイールが標準
指定空気圧
水平基調のインパネは立体感のある造形。インテリアカラーはブラックのみ
シフトレバー
シフトレバー後方にトランスファーレバーを配置
XCは本革巻ステアリングを装備
ペダルまわり
XL以上にはキーレスプッシュスタートシステムが標準
シンプルで視認性のいいメーターパネル。中央にマルチインフォメーションディスプレイを装備
トランスファーを4Lにセットした際の表示。マルチインフォメーションディスプレイ上部の4WD表示と共に、各種安全装備が解除されていることが分かる
ヒルディセントコントロール使用時はスピードメーター下部にピクトが点灯
マルチインフォメーションディスプレイには燃費、航続距離、外気温度などを表示可能。ただし、スズキ セーフティ サポートの有無で表示できる項目は異なる
フロント2スピーカーのみ装着となるオーディオレス仕様が標準。DINスペースはワイド2DIN対応
XL以上にはフルオートエアコンが標準
パワーウィンドウのスイッチはインパネ中央に配置。グローブ装着時にも操作しやすい大型のスイッチを採用している
運転席&助手席シートヒーターはXL以上に標準装備
センターコンソール後方にカップホルダーを装備
ステアリングコラム右側のスイッチ群
下部にはETC車載器収納スペースも用意
助手席前にグリップが用意されるのは本格派4WDならでは
機能部品には金属調の加飾が施されている
グローブボックス
運転席バニティミラーはXL以上、助手席バニティミラーはXCに標準装備
シートベルトリマインダーと残照式のルームランプ
フロントシート
ドットパターンのシート表皮を採用。XL以上には撥水加工が施される
ドアトリムも水平基調のデザイン
大きめのグリップを採用
リアシート
左右独立のリクライニング機能はXL以上に装備
ヘッドレストもXL以上で採用
リアシートベルトは使用時のみシート側アンカーに装着する構造。後席を畳む機会が多いユーザーには便利な仕様
運転席、助手席を利用したフラット化も可能
XL以上のリアシートは5:5の分割可倒式
助手席のフラット化を同時に行なえば長尺物の積載にも対応
XL以上にはラゲッジボックスを装備
ラゲッジボックスを取り外した状態
カーペットの下にはジャッキなどのツール類を収納
収納部は取り外すことが可能
リアウィンドウ下部にはユーティリティナットを装備(片側5カ所、計10カ所)
DC12Vソケットは全車標準装備

ジムニーシエラ

 オーバーフェンダーによるマッシブなスタイリングが目を惹くジムニーシエラ。ボディサイズは3550×1645×1730mm(全長×全幅×全高)と、全長、全幅ともにジムニーよりひとまわり拡大。先代比だと全長が50mm短く、逆に全幅は45mmワイド化されている。

 エンジンは直列4気筒 1.5リッターの「K15B」型を搭載。最高出力は75kW(102PS)/6000rpm、最大トルクは130N・m(13.3kgf・m)/4000rpm。トランスミッションはジムニーと同じく5速MTと4速ATが用意されており、WLTCモード燃費は順に15.0km/L、13.6km/L。

 グレードはベースモデルとなる「JL」と上級モデルとなる「JC」の2タイプ。ボディカラーはモノトーン9色、JCには2トーンカラー3色も設定される。5速MT車の価格はJLが176万400円、JCが192万2400円(4速AT車は9万7200円高)。

撮影車両はJC。ボディカラーは「ブリスクブルーメタリック」
こちらもバンパーとグリルは無塗装
側面もルーフまでほぼ垂直に立ち上がっている。これによりヘッドクリアランスが改善している
ヘッドライトウォッシャーはJCのみ標準装備
フロントワイパー
牽引フックはボディ同色
スズキ セーフティ サポートはJCに標準。JLはオプション
オーバーフェンダーとサイドアンダーガーニッシュはジムニーシエラの特徴。どちらも無塗装となる
ジムニーならではのクラムシェルフード。スリット状の造形は歴代ジムニーのオマージュ
ウインカーを3カ所に装備
LEDサイドターンランプ付ドアミラーはJCのみ装備。ブラック塗装は全車標準
ミラー下部にはサイドアンダーミラーを装備
カラードドアハンドルを標準装備
ショートタイプのロッドアンテナをボディ後部に装備
バックドアヒンジ横に車名バッヂが付く
フロントまわりのランプ点灯パターン
リアコンビネーションランプの点灯パターン
LEDハイマウントストップランプは全車標準装備
新開発の「K15B」型エンジンを搭載。排気量アップを果たしたものの、先代モデルが搭載していた1.3リッターの「M13A」型より14.3kgも軽量化されている
ボンネットフード
タイヤはジムニーと同じくデューラーH/T 684IIで、サイズは195/80 R15。ホイールは5穴タイプでJCのみアルミホイールが標準となる
インテリアはジムニーと共通
メーターパネルも共通のデザインだが、レッドゾーン数値が異なる
4速AT車のシフトレバー。サイドにオーバードライブスイッチを装備
ペダルまわり