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MINIのハイパフォーマンスEV「MINI ジョン・クーパー・ワークス E/エースマン E」日本初披露
2025年2月28日 13:04
- 2025年2月27日 開催
ビー・エム・ダブリューは2月27日、MINIのハイパフォーマンスEV(電気自動車)2車種を「MINI DAY 2025 Press Conference」で日本初公開した。3ドアモデル「MINI JOHN COOPER WORKS E」と、EV専用クロスオーバーモデル「MINI JOHN COOPER WORKS ACEMAN E」の2車種。
どちらも加速性能などを高めたほか、JOHN COOPER WORKSモデルだけの特別な内外装となっている。価格はMINI JOHN COOPER WORKS Eが616万円、MINI JOHN COOPER WORKS ACEMAN Eが641万円。2月27日より販売を開始して納車は2025年第2四半期以降。
MINIのモデルラインアップが“完成”
MINIに新型車の大きな発表はこれまでも「ミニの日」として3月2日に行われてきたが、今回は3月2日が日曜日になっていることから前倒しし、2月27日の開催となった。場所はBMW Group Tokyo Bay(東京都江東区青海)。
まず、ビー・エム・ダブリュー 代表取締役社長の長谷川正敏氏が登壇。BMWはさまざまなパワートレーンを提供する戦略をとっているとし、ガソリン、ディーゼル、電気、ハイブリッドがあり、水素燃料電池車(FCEV)も2028年に量産開始して日本にも投入予定。
長谷川氏は「MINIファミリーにおいても多様なパワートレーンの選択肢を提供している」とし、今回発表のハイパフォーマンスモデルは「従来の内燃機関モデルのパフォーマンスを維持しながら、EVの特性を活かした新しい選択肢を提供」と導入理由を語り、「MINIはボディタイプの多様性とパワートレーンのバリエーションを持つことで、現代の技術進歩を活かしながら独自の価値を提供できると考えている」とした。
さらに「本日発表させていただく2台が、このMINIというブランドのモデルラインアップの、ある意味“完成”というかたちになる」と述べ、2024年から発表された最新世代MINIのラインアップが揃ったとの認識を示した。
続いてMINI営業部長の山口智之氏は、約1年前の「MINI DAY 2024」で発表した現行世代となるMINIの展開を振り返り、「昨年は新世代MINIのMINIクーパーとMINIカントリーマンのお披露目をし、6月には電気自動車専用のMINI エースマンを導入、モデル別販売台数も2016年から9年連続でMINIがトップになったと述べた。
さらに2024年は2024 - 2025 日本カー・オブ・ザ・イヤーとRJC カー オブ ザ イヤーの輸入車部門で最優秀モデルとなるインポート・カー・オブザ・イヤーをダブル受賞していることに触れ「私はミスターMINIと呼ばれるぐらい、20年あまりMINIのビジネスに携わっていますが、MINI史上初めてとなるインポート賞をダブルで受賞でき、非常に嬉しい」と述べた。
また、山口氏はMINIの電気自動車について「電気自動車特有のさまざまな補助金を差し引いても、やはりプレミアムな価格」と価格が高いとした上で、「MINIの電気自動車が好調に推移しているということは、この価格以上のものをMINIの電気自動車に感じていただいた、もしくは見出された方が非常に多くいたのではないか」と分析した。
内燃機関モデルよりもエアロダイナミクスを活かし、CD値も低い
2人のMINIの概況説明のあとは2車のアンベール。
詳細な説明は山口氏とMINIプロダクト・マネージャーの福島恵理氏が行なった。3ドアモデルについて、福島氏はまず特徴としてエアロダイナミクスを挙げ「完全に閉じたフロントグリル、アンダーボディ、そして空力特性を最適化したアロイホイールによって空気抵抗を大幅に抑制することに成功した」とし、内燃機関モデルのJOHN COOPER WORKSのCd値が0.32であることに対して、今回のBEVのJOHN COOPER WORKSは0.27であるとした。
また、このエクステリアには赤のエレメンツをちりばめ、これもJOHN COOPER WORKSモデルの専用カラーになっているという。JOHN COOPER WORKSモデルはスポーツストライプを全車標準装備。また、ホイールも専用デザインとし、ブレーキも赤のキャリパーのスポーツブレーキを採用する。
さらに、ドアミラーから路面にロゴを照射するプロジェクター機能も、通常モデルはMINIのロゴであるのに対して、JOHN COOPER WORKSモデルはJOHN COOPER WORKSのロゴが照らし出される。
車両後方からのエクステリアについては山口氏が熱弁、リアのグラスエリアが後方にいくに従って絞り込みがきつくなることについて「フェンダーが非常に強調され、この組み合わせはまるでピュアスポーツカーのような迫力のある独特なリアデザインを実現し、引き締まった大変スポーティな仕上がりになって大好きなポイント」と語った。
続いて、ACEMANについては3ドアモデルと同じコンセプトで設計。ACEMANの円形ではないシャープなデザインのヘッドライトを特徴とし、そこに赤のエレメンツを配置した。特徴的なものとしてはホイールアーチモールの装着で、福島氏は「より力強い足まわりを強調するためにこのモールを残し、スポーティなハイグロスブラック仕上げとした」とコメント。ホイールも3ドアモデルと同様の空気特性を最適化した19インチとし、赤キャリパーのブレーキも装備する。
Eブースト機能とEローンチコントロール、専用スポーツサスを装備
両車に共通するドライビングダイナミクスは、電気モーターで前輪を駆動、最高出力は190kW、最大トルクは350Nm。ボディ床下に54.2kWのリチウムイオンバッテリを搭載し、航続距離は3ドアモデルが421km、ACEMANが403km。0-100km加速が欧州仕様値で3ドアモデルが5.9秒、ACEMANが6.4秒。
3つの大きな機能があり、よりパワーが欲しいときに10秒間だけプラス20kWのパワーが加わるEブースト機能と、発進時のEローンチコントロールは「発進時から200kW、356Nmを発揮し、ホイールスピンを最小限に抑えることによって最高のスタンディングスタート体験を提供する」とした。
さらにスポーツサスペンションは前輪のキャンバー角を大きくしてハンドリング性能とコーナリング時のグリップ性能を向上させ、ダンパー、スプリング、スタビライザーも特別な調整をしているという。
インテリアではJOHN COOPER WORKSのカラースキームに合わせて、ブラックとレッドのデザインパターンで統一。ハイパフォーマンスモデルに適したシート形状や、ステアリングはリサイクル素材の「べスキン」を使い、9時方向にEブーストスイッチ、6時方向にはファブリックのストラップを採用している。
補助金は未定。支払いには任意保険まで含んだ「MINI ALL IN.」も用意
電気自動車となると補助金も気になるところだが、2025年の補助金制度がまだ発表されていないことから、山口氏が2024年の例として「ここ東京都江東区の例で紹介をすると、政府からの補助金が65万円、東京都からの助成金が45万円、江東区からの購入助成金が10万円。なんと合計最大で120万円」と紹介。「あくまでも去年の事例。今年がどういう形になるかはわれわれも発表を待ってるところ」と説明した。なお、MINIのBEV車はV2H対応のため、補助金額も高いほうを期待できるとしている。
山口氏はさらに、支払いプランとしていわゆる残価設定ローンとなる「MINI ALL IN.」を紹介。車両本体、諸費用、税金、メンテナンス費用(車検費用以外)、任意保険料までが入ったプランとなる。今回発表の3ドアモデル「MINI JOHN COOPER WORKS E」の場合、5年契約60回払いで月々4万8950円になるという。